ⓔノート18-4-1 腰椎穿刺法

 被検者に検査の目的,必要性,手技,予想される合併症について詳細に説明し,文書で同意を得る.髄液糖の変動を確かめる必要がある場合は空腹時に血清と同時に採取する.穿刺部位の剃毛は不要である.

 検者が右利きであれば,両膝をかかえるように前屈姿勢を取らせ,臍を覗き込むように首も前屈させる.脊柱が診察台と並行になるように体位をとる (図18-4-2).最大限に前屈させることで腰椎棘 (きょく) 突起の間隔が広がり,穿刺が容易になる.

 穿刺部位はポピドンヨード綿球で広範囲 (直径20 cm以上) に消毒し,乾燥するまで待つ.穴あきドレープで周囲を覆い,穿刺はすべて滅菌操作で行う.穿刺部位は麻酔するのが望ましい.穿刺針は21ないしは22ゲージのディスポーザブルスパイナル針を用いる.刀面のあるスパイナル針を用いる場合,刀面を上にして穿刺する.棘突起間の中間点付近で背中に垂直に,あるいはやや頭側方向,臍に向かうようにゆっくり穿刺する.4 cmほど穿刺したところで内筒 (スタイレット) を抜いて流出を確認し,流出がない場合は内筒を戻して5 mmずつ針を進め,都度内筒を抜いて流出を確認する.刀面のあるスパイナル針を使用する場合,針を回転させることで穿刺穴を広げる可能性があり,刀面を上にした状態を保って穴を広げないように注意する.

〔中島一郎〕