ⓔノート18-4-30 脳・脊髄血管撮影の歴史

 歴史をひもとくと初期にとられた方法の1つは頸動脈への直接穿刺である.当然ながら血管損傷 (解離) のリスクがあるため,危険極まりなく,現在は用いられない.

 代わりに用いられるようになったのがSeldinger法とよばれる手法である.主として鼠径部の大腿動脈を介して施行される手法で,カテーテルとガイドワイヤを組み合わせて用い,血管内腔へのアクセスを得る方法である.最近はカテーテルの細径化やその他のデバイスの発達も相まって,より細い血管,例えば上腕動脈からアクセスする手技も一般的となっている.

〔山田 惠〕