ⓔノート2-1-15 発症までの時間
発症は大部分が潜水終了後6時間以内である.米海軍の空気潜水データベースによると,水面浮上後の発症率は,1時間以内:42%,3時間以内:60%,8時間以内:83%,24時間以内:98%となっており,48時間以降はほとんど可能性がないと考えられるが,飽和潜水など潜水時間が長かった場合や,低圧曝露 (航空機など) をきっかけとして48時間後でも発症することがある.また,症状発現に気づかず数日経って症状がはっきりしてきたという症例もある.
ガスが動脈内に入り塞栓症状で発症するAGEは水面浮上後10分以内に発症する例が多く,脳塞栓では50%が3分以内,脊髄塞栓では50%が9分以内という報告がある.95%は水面浮上後2時間以内である.AGEでも,6時間以上経過した後でも発症することがある.
〔鈴木信哉〕