ⓔノート2-1-33 現場での治療
十分な輸液も行わず救出すると,高度脱水,高カリウム血症により心停止に至ることもまれでない.循環血液量減少と酸性尿が急性腎障害の増悪因子であるので,利尿を得ること,および尿をアルカリ性 (尿pH>6.5) にすることが急性腎障害への進展を防ぐといわれている.患肢に対する駆血帯やターニケットなどによる緊縛に関しては,有効性は不明である.現場での四肢切断 (on site amputaion) に関しては,圧挫症候群の予防のための現場切断の適応はない.切断しなければ救出が不可能な場合,もしくは二次災害の切迫から切断以外に救命不可能な場合が唯一の適応である.
〔小井土雄一〕