ⓔノート3-1-1 検査値の基準値および基準範囲
検査値の基準値および基準範囲は，健常者の測定値が一定の分布をとることを前提として，健常な個体標本を集めてその母集団を設定し，基準標本群を抽出して設定される値および分布の95％が含まれる範囲である1)．
高齢者も健常者と思われる集団から基準値を設定することが理想である．しかし，検査値は加齢に伴って個体差が大きくなり，高齢者では一般成人よりも大きな分布幅を示すことが多い．また，高齢者では何らかの慢性疾患をもつ人の頻度が大きくなり，疾患のない健常者はきわめて少なく，基準値の設定が困難な場合が多い．
〔荒木 厚〕
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