ⓔノート5-42-18 排尿記録

 排尿状態を前向きに記録する排尿記録では,症状の頻度,程度,生活への影響などの正確な評価が可能である.特に頻尿,夜間頻尿,尿失禁などを有する際には多尿,夜間多尿などの鑑別に有用である.

 膀胱蓄尿機能障害は,機能的膀胱容量の減少によるものと考えられるが,この原因には,膀胱容量の減少 (4 mL/kg以下),あるいは残尿量の増加によるものがある.

 夜間多尿は,夜間 (個人の睡眠時間) の尿量が1日尿量の33% (若者では20%) 以上の尿,または10 mL/kg以上の尿が産生される場合と定義される.夜間多尿量指数 (nocturnal polyuria index: NPi) とは,夜間尿量を1日尿量を除した値であるので,夜間尿量はNPi>33 (%) と定義される.全日多尿は1日尿量2.8 L以上 (または40 mL/kg以上) と定義される.

〔山西友典〕