ⓔノート7-10-24 ポリオの予防
不活化ポリオワクチン (IPV) とOPVによるポリオの制圧は50年以上にわたり行われ成果を挙げてきた.特に,1964年に開発された3価のOPV (tOPV) は,それまでのIPVに比較して有効性も高く,安価で投与方法も簡単であり,ワクチン接種者から排泄されたワクチン株が非接種者に伝播することにより集団の免疫を高める効果もあることから開発途上国を中心に普及した.
VAPPの発生率は,WHOの推測では,出生100万人当たり年に2~4人とされている.
定期接種へのIPV導入前,2011~2012年にはOPV実施率の低下が認められたが,2012年9月のIPV導入後は高いIPV接種率 (IPV単独およびIPV–DPT混合ワクチン) が保たれている.2013~2014年度の感染症流行予測調査に基づくポリオ感受性調査によると,5歳未満における接種率および1型・2型に対する抗体保有率ともにほぼ95%以上であった1).
〔城 裕之〕
■文献