ⓔノート7-10-3 ヒトボカウイルス

 ヒトに病原性を示すパルボウイルス科のウイルスは,長い間ヒトパルボウイルスB19が唯一と考えられてきた.2005年ヒトボカウイルスが幼小児の呼吸器感染ウイルスとして同定され,パルボウイルス感染症はヒトパルボウイルスB19感染症とヒトボカウイルス感染症の2つとなった.ヒトボカウイルスはおもに,乳幼児に非特異的な気道症状を呈し一般的に重症化することはない.単独で検出されることが少なく,現在ほかのウイルスに依存して増殖している可能性や病原性が不明とされている.

〔河島尚志〕