ⓔノート7-15-3 疥癬の臨床症状
皮疹は感染後1~2カ月で出現する.通常疥癬では手指や上腕,腹部,腋窩,大腿などに瘙痒 (そうよう) を伴う紅斑性小丘疹 (きゅうしん) がみられ (ⓔ図7-15-2),瘙痒感は夜間に増強する.男性の外陰部では瘙痒を伴う赤褐色結節がみられることもある.手掌,手関節,指間部などには雌成虫が産卵のために角層内を掘り進むことでつくられる幅0.4 mm,長さ5 mm程度の線状の皮疹 (疥癬トンネル) が認められる.疥癬トンネルをルーペやダーモスコピーなどで観察すると,その先端に虫体が透見される (ⓔ図7-15-3).
〔夏秋 優〕