ⓔノート7-2-4 治療の問題点
治療における問題点の1つは,淋菌の多剤耐性化である.淋菌感染症は,ペニシリン系抗菌薬が有効な治療法であったが,ペニシリナーゼ産生菌により,そして,現在は染色体性の耐性機構により,その有効性は失われた.その後,テトラサイクリン系抗菌薬,さらに,フルオロキノロン系抗菌薬が耐性化により推奨治療から外れていった.経口抗菌薬であるセフィキシムも当初の有効率は低下し,アジスロマイシンも治療不成功例が年々増加してきており,経口抗菌薬による治療は困難となっている.
〔髙橋 聡〕