ⓔノート8-2-4 ナトリウム利尿ペプチドの心不全治療薬への応用
現在わが国ではANPはさまざまな作用を期待して心不全の治療薬 (hANP: カルペリチド) として広く使用されている.
また,新規の心不全治療薬アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬 (ARNI) が承認され,臨床応用が始まっている.アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 (angiotensin Ⅱ receptor blocker: ARB) の効果と合わせて中性エンドペプチダーゼ (NEP) の1つであるネプリライシンを阻害して内因性ナトリウム利尿ペプチドの分解を抑えてその濃度を上昇させて生理活性を引き出すという治療薬である.
〔吉村道博〕