ⓔ図18-17-1 三叉神経血管説のシェーマ (竹島多賀夫,菊井祥二:小児科診療,2013; 8: 1311–1318)
まず最初に何らかの頭痛トリガーが硬膜血管周囲に分布する三叉神経終末を刺激して三叉神経が興奮,活性化される.この結果CGRPやサブスタンスPなどの血管作動性神経ペプチドが放出され血管拡張,血漿の血管外漏出,引き続いて肥満細胞の脱顆粒が起こる.すなわち神経原性炎症が引き起こされる.神経原性炎症による三叉神経刺激により炎症が順行性および逆行性に三叉神経領域に拡大する.拡大した神経原性炎症は侵害刺激として作用し,侵害信号が順行性に脳幹,三叉神経核を経て大脳皮質へと伝達され,頭痛として感受される.
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