ⓔ図18-3-1 眼振
A:後半規管型良性発作性頭位めまい症の眼振.矢印は患者を正面からみた場合の眼振の急速相の方向.右後半規管型良性発作性頭位めまい症では,座位から右下懸垂頭位にした際に,右向き (眼球の上極が患者の右耳へ向かう方向に回旋する) 回旋性眼振がみられる.座位に戻すと眼振の向きは逆転する.なお,患側が左であれば,左下懸垂頭位での左向き回旋性眼振がみられる.
B:外側半規管型良性発作性頭位めまい症の眼振.矢印は患者を正面からみた場合の眼振の急速相の方向.外側半規管型良性発作性頭位めまい症では,右下頭位と左下頭位で方向が逆転する方向交代性眼振がみられる.眼振の向きは,半規管結石症なら向地性 (下向性),クプラ結石症なら背地性 (上向性) である.ちなみに,半規管結石症は,右下頭位と左下頭位を比べたときに,眼振 (向地性眼振) が目立つ方の頭位で下になった側が患側で,クプラ結石症は,眼振 (背地性眼振) が目立つ方の頭位で上になった側が患側である.
C:急性一側末梢前庭障害の眼振.矢印は患者を正面からみた場合の眼振の急速相の方向.前庭神経炎のような一側末梢前庭障害では,右下頭位と左下頭位で方向が変わらない方向固定性水平性眼振がみられる.眼振の向きと逆側が患側である.
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