ⓔコラム13-35-2 血管性浮腫の種類

 血管性浮腫は,Quincke浮腫ともよばれる皮膚・粘膜の一過性浮腫で,非圧痕性である (表1ⓔ図13-35-2).下肢に生じると全身性浮腫や,angioedema with eosinophiliaなどとの鑑別が問題になるが,血管性浮腫の多くは片側性でかつ経過が急速である.血管性浮腫と診断した後は,マスト細胞/ヒスタミンに起因する特発性または刺激誘発型の血管性浮腫か,アンジオテンシン変換酵素阻害薬内服などによるブラジキニン起因性または遺伝性の血管性浮腫であるかの病型診断が重要である.遺伝性血管性浮腫の多くを占めるⅠ型,Ⅱ型はC1インヒビター (C1–INH) の遺伝的欠損により,非発作時でも血中C3は正常でC4低下,C1–INH低下がある.

表1 血管性浮腫の病型の病態 (秀 道広,森桶 聡,他:蕁麻疹診療ガイドライン2018.日本皮膚科学会雑誌,2018; 128: 2503–2624).

〔秀 道広〕