朝倉物理学大系 20 現代物理学の歴史I ―素粒子・原子核・宇宙―

大系編集委員会(編)

大系編集委員会(編)

定価 9,680 円(本体 8,800 円+税)

A5判/464ページ
刊行日:2004年05月28日
ISBN:978-4-254-13690-6 C3342

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内容紹介

湯川秀樹・朝永振一郎・江崎玲於奈・小柴昌俊といったノーベル賞研究者を輩出した日本の物理学の底力と努力,現代物理学への貢献度を,各分野の第一人者が丁寧かつ臨場感をもって俯瞰した大著。本巻は素粒子・原子核・宇宙関連33編を収載

編集部から

目次

  I 量子力学
1. 量子力学の物理的基礎
 1.1 遠距離相関
 1.2 隠れた変数
 1.3 粒子性と波動性
 1.4 波束の運動と量子飛躍
 1.5 干渉性の破壊
2. 量子力学の数学的基礎
 2.1 von Neumannによる数学的基礎付け
 2.2 数学的散乱理論の発展
 2.3 70年以降の数学的散乱理論
 2.4 Schrodinger作用素の数理の展開
3. マクスウェルの悪魔と量子計算機の歴史
 3.1 はじめに
 3.2 ジラードエンジンの量子バージョン
 3.3 量子計算機の歴史
 3.4 量子計算機とは
 3.5 万能量子回路
 3.6 量子計算による因数分解
 3.7 グローバーによる検索アルゴリズム
 3.8 幾何学的量子計算
 3.9 結び
  II 素粒子物理
4. くりこみ理論の誕生
 4.1 朝永以前
 4.2 発散の現れ方を探るいろいろの試み
 4.3 超多時間理論
 4.4 朝永ゼミ
 4.5 C中間子論が示唆したこと
 4.6 くりこみ理論へ
5. 坂田学派と素粒子模型の進展
 5.1 2中間子論
 5.2 混合場理論と研究室制度の導入
 5.3 くりこみ理論をめぐって
 5.4 複合模型の提唱
 5.5 SU(3)対称性
 5.6 新名古屋模型と重粒子オクテット
 5.7 1粒子交換とクォーク組替振幅
 5.8 標準模型の成立
6. 中間子論とその遺産―クォークの時代から振り返る―
 6.1 中間子論―素粒子論のはじまり
 6.2 中間子場"の理論
 6.3 核力の中間子論
 6.4 クォークの存在と拡張された排他律
 6.5 クォーク・レベルのダイナミックス―量子色力学(QCD)―
 6.6 中間子論からQCDへ
 6.7 21世紀への課題
7. 基粒子の究極理論を求めて
 7.1 素粒子の統一理論を求めて
 7.2 量子場の理論の発展
 7.3 標準理論の成立
 7.4 標準理論を越えて
 7.5 終りに
8. エネルギー物理の将来
 8.1 はじめに
 8.2 高エネルギー物理の創成期
 8.3 成熟期
 8.4 世紀末の高エネルギー物理
 8.5 素粒子物理の将来
 8.6 理論形式の将来
 8.7 高エネルギー実験の将来
 8.8 あとがき
9. ひもの理論
 9.1 弦理論のはじまり
 9.2 臨界弦と非臨界弦
 9.3 統一理論としての弦理論
 9.4 くりこみと標準模型
 9.5 大統一理論とPlanckスケールの物理
 9.6 究極の理論に向けて
10. 量子色力学の計算機を用いた研究
 10.1 歴史的概観
 10.2 格子量子色力学
 10.3 専用並列計算機
 10.4 物理結果
 10.5 今後の展望
11. KAMIOKANDEのこと
 11.1 KAMIOKANDEの生い立ち
 11.2 大Magellan星雲で超新星SN 1987Aが爆発
 11.3 太陽ニュートリノの観測
 11.4 地球大気中で創られたニュートリノ
 11.5 陽子崩壊その他について
 11.6 これからのこと
 11.7 最後にあたって
12. ニュートリノに質量があることの発見
 12.1 はじめに
 12.2 大気ニュートリノ
 12.3 ニュートリノ振動の発見
 12.4 おわりに
13. 字宙線研究50年の歩み
 13.1 戦後からの出発
 13.2 1950年代のこと
 13.3 1960年代から70年代
 13.4 1980年代から
 13.5 1990年代とむすび
14. 場の量子論へのアプローチ
 14.1 場の量子論の外観
 14.2 対称性
 14.3 S行列
 14.4 ゲージ場の量子論
 14.5 重力場の量子論
 14.6 ハイゼンベルク描像での解法
15. 素粒子実験と加速器―戦後の日本を中心に―
 15.1 はじめに
 15.2 核研電子シンクロトロン
 15.3 核研から高エ研への道
 15.4 高エ研陽子シンクロトロン
 15.5 トリスタン計画
 15.6 国際協力
 15.7 KEKBとJLC
16. 加速器の将来
 16.1 KEKBファクトリー
 16.2 K2K長基線ニュートリノ振動実験
 16.3 大強度陽子加速器プロジェクト(J-PARC)
17. ニュートリノ振動の予言と実証
 17.1 無と有の狭間から:パウリとフェルミ
 17.2 初期のニュートリノ像
 17.3 ニュートリノ物理学の確率
 17.4 ニュートリノ振動
 17.5 史料的判断とむすび
18. 素粒子標準理論の形成
 18.1 はじめに
 18.2 強い相互作用(1935-1965)
 18.3 クォークモデル(1956-1970)
 18.4 弱い相互作用(1934-1967)
 18.5 ゲージ理論の進展(1954-1971)
 18.6 GWS理論
 18.7 QCD
 18.8 まとめ
  III 原子核
19. 原子核の実験研究50年間の展開
 19.1 戦後から1960年代
 19.2 1960~1970年代
 19.3 1970~1980年代
 19.4 1980年代以降
20. 原子核分光学の展開―私の来た道―
 20.1 ひとりで考えていた頃
 20.2 核分光学のフロンテイアへ
 20.3 みんなと一緒に
21. 原子核構造理論の発展と現在―殻模型を中心として―
 21.1 黎明期
 21.2 殻膜型の精密化
 21.3 クラスター模型
 21.4 原子核の集団運動
22. 原子核構造理論の将来
 22.1 少数多体系の構造
 22.2 核力と殻模型
 22.3 不安定核の構造と新しい魔法数
 22.4 平均場計算
 22.5 クラスター構造論
23. 原子核多体問題の研究をふりかえって―集団運動の微視的理論を中心として―
 23.1 はじめに
 23.2 核構造模型
 23.3 殻模型・集団模型の基礎
 23.4 多体問題としての核構造
 23.5 自己束縛有限量子多体系としての原子核
 23.6 大振幅集団運動と非線形動力学
 23.7 展望
24. 核構造におけるクォークの役割
 24.1 クォークはシャイ
 24.2 クォークの作る強い斥力
 24.3 クォークがパイオンを作る
 24.4 構造を持たない核子からなる原子核
 24.5 EMC効果
 24.6 南部-ジョナラシニオ模型
 24.7 クォーク核物理実験
 24.8 まとめに代えて
25. 核反応理論の発展の一断面
 25.1 始めに
 25.2 連続状態への遷移
 25.3 弾性散乱,離散状態への直接過程
 25.4 直接過程と複合核過程
 25.5 終わりに
26. 不安定核ビームによる物理
 26.1 はじめに
 26.2 新しく開かれた核物理
 26.3 おわりに
27. エネルギー核物理
 27.1 ハドロン物理学の成立過程
 27.2 ハドロン物理学のフロンティア
  IV 超高温
28. 核融合をめざしたプラズマの研究
 28.1 はじめに
 28.2 1958~1961年
 28.3 1961~1971年頃
 28.4 1968~1973年(Artimovichの時代)
 28.5 トカマクの発展(1974年以降)
 28.6 磁気閉じ込め代替方式の研究
 28.7 慣性閉じ込め
29. ITERに触れて
 29.1 はじめに
 29.2 ITERの物理課題
 29.3 ITERを通して関わった研究者の印象
  V 宇宙物理
30. 宇宙論の進展と展望
 30.1 はじめに
 30.2 宇宙のインフレーション
 30.3 宇宙論的観測の急激な進展
 30.4 量子字宙論
 30.5 真空のエネルギー,ダークエネルギー
31. 天体物理理論
 31.1 はじめに
 31.2 基研研究会「天体の核現象」
 31.3 林の研究経歴
 31.4 1900年代―天体核研究室と基礎物理学研究所―
 31.5 1970年代―一般相対論と素粒子宇宙―
 31.6 現状と未来
32. X線天文学の誕生とその発展
 32.1 日本のⅩ線天文学
 32.2 科学衛生「あすか」
 32.3 草創期のいくつかのエピソード
33. 重力波
 33.1 重力波の研究
 33.2 ウェーバー・バー
 33.3 バーから干渉計へ
 33.4 日本の研究の進展
 33.5 重力波天文台
事項索引
人名索引

執筆者紹介

【編集】
荒船 次郎
江沢 洋
中村 孔一
米沢 富美子

大系編集委員会

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