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内容紹介
近年目覚ましく発達し,さらなる発展を志向している自然地理学は,自然を構成するすべての要素を総合的・有機的に捉えることに本来的な特徴がある。すべてが複雑化する現代において,今後一層重要になるであろう状況を鑑み,自然地理学・地球科学的観点から最新の知見を幅広く集成,見開き形式の約200項目を収載し,簡潔にまとめた総合的・学際的な事典。〔内容〕自然地理一般/気候/水文/地形/土壌/植生/自然災害/環境汚染・改変と環境地理/地域(大生態系)の環境
編集部から
◎自然を構成するすべての要素を総合的・有機的にとらえる
○自然地理学・地球科学的観点から最新の知見を幅広く集成
○あらゆるスケールの自然現象と地域的枠組み、人間を含めた生物との相互作用を統合.
○中項目形式の200項目余を収載し、幅広い読者にも対応した学際事典。
■巻頭の折込図フンボルトの「熱帯地域の自然画」の解説を掲載しました.右よりダウンロードください(2017.6.7)
目次
◎本書の構成について
自然地理学にかかわる地球上のすべての現象を統合的に捉えることができるようにした。
・自然地理学の枠組みと成り立ちなどの基本事項をまとめる。→A
・応用から個別的・系統的な自然地理学の分野の全体像を扱う →B~F
・多様な分野が連関しあっている現象を扱う。→G~I
◎目次と著者
A 自然地理学一般
A1 自然地理学の枠組と成り立ち
A1-1 地理的探検と地図の歴史 (岩田修二)
A1-2 自然地理学の成り立ち (岩田修二)
A1-3 フンボルトと自然地理学 (細田 浩)
A1-4 自然地理現象の空間スケールと時間スケール(岩田修二)
A1-5 自然の構成・そのとらえ方 (榧根 勇)
A1-6 自然地理学からみた環境と風土(山下脩二)
A2 地球の成り立ち
A2-1 惑星としての地球 (増田耕一)
A2-2 地球の軌道要素に伴う日射量変化(増田耕一)
A2-3 地球の構造 (小池一之)
A2-4 地球の歴史 (小池一之)
A2-5 地表付近の環境構造 (山川修治)
A3 応用自然地理学,地球の保護と保全
A3-1 ジオ=ダイバーシティ (岩田修二)
A3-2 地球環境保全と環境アセスメント(小泉武栄)
A3-3 自然保護と教育 (岩田修二)
A3-4 地図とGIS (小口 高)
A3-5 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)(1) (加藤央之)
A3-6 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)(2)(鈴木力英)
B 気 候
B1 気候学の歴史と気候学の研究法(境田清隆)
B2 気候の成りたち
B2-1 気候の成り立ちと大気の構造(山下脩二)
B2-2 太陽エネルギーと地球 (山下脩二)
B2-3 地球-大気系の放射収支と熱収支(山下脩二)
B2-4 大気現象のスケールと気候 (田宮兵衛)
B2-5 気候の物理的モデリング (増田耕一)
B2-6 気候の統計的モデリング (加藤央之)
B3 気候の基本的要素
B3-1 気候要素と気候因子 (山下脩二)
B3-2 気温・地表面温度・地温 (飯島慈裕)
B3-3 雲・霧・降水と湿度 (江口 卓)
B3-4 気圧と風(風向・風速) (江口 卓)
B3-5 日照と日射 (中川清隆)
B4 大気大循環
B4-1 大気と海洋の大循環とグローバル気候 (植田宏昭)
B4-2 モンスーン循環と雨季・乾季 (高橋日出男)
B4-3 エルニーニョとラニーニャ (西森基貴)
B4-4 テレコネクション (川村隆一)
B4-5 大気と海洋・陸面の相互作用(川村隆一)
B4-6 南北両半球の気候の比較 (松山 洋)
B4-7 成層圏循環とその対流圏との関係(山川修治)
B5 総観気候
B5-1 高・低気圧システム (山川修治)
B5-2 前線・梅雨前線・秋雨前線のシステム (高橋日出男)
B5-3 台風のシステム (森島 済)
B5-4 リージョナル気候と気圧場 (加藤央之)
B6 境界層の気候/中小スケールの気候
B6-1 メソスケールの地上風 (鈴木力英)
B6-2 海陸風と山谷風 (鈴木力英)
B6-3 冷気湖と冷気流 (飯島慈裕)
B6-4 接地・上層逆転層と山腹温暖帯/斜面の温暖帯 (飯島慈裕)
B6-5 局地風(1)世界と日本の局地風(菅野洋光)
B6-6 局地風(2)ドライ・フェーンとウェット・フェーン(中川清隆)
B7 都市気候
B7-1 都市化に伴う気候環境の変化(高橋日出男)
B7-2 ヒートアイランドとクールアイランド (山添 謙)
B7-3 都市の降水 (澤田康徳)
B7-4 都市の積雲列「環八雲」 (甲斐憲次)
B7-5 都市気候のモデリング (日下博幸)
B8 気候変化・気候変動と地球温暖化
B8-1 気候の変化の要因 (増田耕一)
B8-2 地質時代の気候変化 (遠藤邦彦)
B8-3 温室効果と日傘効果 (増田耕一)
B8-4 歴史時代の気候変化 (財城真寿美)
B8-5 観測時代の気候 (遠藤伸彦)
B8-6 二酸化炭素と地球温暖化 (増田耕一)
B9 季節・気候区分・気候景観
B9-1 二十四節気七十二候 (財城真寿美)
B9-2 気圧配置型による季節と季節区分(山川修治)
B9-3 気候指数と気候区分 (松山 洋)
B9-4 日本の気候区分 (松本 淳)
B9-5 気候と植生・農林業 (林 陽生)
B9-6 気候景観:偏形樹・防風林・屋敷林(小川 肇)
B9-7 雪に関する気候景観と雪形 (梅本 亨)
B9-8 観天望気・天気俚諺 (梅本 亨)
C 水 文
C1 水文学の歴史と方法論 (榧根 勇)
C2 水の循環(水循環)
C2-1 地球上の水 (田瀬則雄)
C2-2 水循環 (田瀬則雄)
C2-3 水収支 (田瀬則雄)
C2-4 滞留時間と水の年代(年齢)(安原正也)
C2-5 涵養域・流動域・流出域 (谷口真人)
C3 水の分布形態と特性
C3-1 河川と流域(水系網) (島野安雄)
C3-2 湖 沼 (森 和紀)
C3-3 地下水,湧水,土壌水,地中水 (嶋田 純)
C3-4 氷河,雪氷 (白岩孝行)
C3-5 大気,海洋 (山中 勤)
C4 水文プロセス
C4-1 環境トレーサー (嶋田 純)
C4-2 降雨の分配 (飯田真一)
C4-3 蒸発と蒸散 (杉田倫明)
C4-4 浸透と降下浸透 (辻村真貴)
C4-5 流 出 (辻村真貴)
C4-6 気候と水文現象 (檜山哲哉)
C4-7 地形と水文現象(1) (鈴木秀和)
C4-8 地形と水文現象(2) (小野寺真一)
C4-9 植被・土地利用と水文現象 (檜山哲哉)
C5 水環境
C5-1 水資源 (新見 治)
C5-2 水質形成と水質基準作用 (佐藤芳德)
C5-3 水質汚染 (田瀬則雄)
C5-4 名水百選の自然地理学 (島野安雄)
D 地 形
D1 地形の基礎的概念
D1-1 地形学の歴史 (平野昌繁)
D1-2 地形学研究法 (平川一臣)
D1-3 地形形成営力/地形の段化/対比と編年/地形学図(熊木洋太)
D1-4 地形の形成年代とその決定法 (小元久仁夫)
D1-5 堆積物の分析 (遠藤邦彦)
D1-6 リモートセンシング (田中 靖)
D1-7 DEMの活用・地形分析 (田中 靖)
D1-8 地形の分類と地形の規模 (小池一之)
D1-9 第四紀 (久保純子)
D2 内的営力のつくる地形
D2-1 プレート運動と地球の大地形(小池一之)
D2-2 変動地形(1)断層運動(鈴木康弘)
D2-3 変動地形(2)褶曲・傾動運動 (鈴木康弘)
D2-4 火山の形成と火山の分布 (鈴木毅彦)
D2-5 火山の分類 (鈴木毅彦)
D2-6 火山灰・火山灰編年学 (鈴木毅彦)
D3 風化および組織地形
D3-1 物理風化作用とそれがつくる地形 (松倉公憲)
D3-2 化学的風化作用と関連地形(小口千明)
D3-3 カルスト地形 (漆原和子)
D3-4 鍾乳洞 (漆原和子)
D3-5 組織地形 (小池一之)
D3-6 岩質の差や節理・断層の分布を反映する組織地形(八戸昭一)
D4 マスムーブメント
D4-1 マスムーブメントの定義・分類とメカニズム (松倉公憲)
D4-2 落石と匍行 (松倉公憲)
D4-3 斜面崩壊 (諏訪 浩)
D5 河成の地形
D5-1 河川プロセス・河床縦断面形の発達(早川裕弌)
D5-2 山間部の河成地形 (早川裕弌)
D5-3 河成(岸)段丘 (柳田 誠)
D5-4 扇状地,自然堤防と後背湿地(斉藤享治)
D5-5 三角州 (海津正倫)
D6 海成・海底・湖の地形
D6-1 波浪と津波のプロセス (砂村継夫)
D6-2 海岸平野/海成段丘の形成と変位(海津正倫)
D6-3 砂浜海岸 (武田一郎)
D6-4 岩石海岸 (砂村継夫)
D6-5 サンゴ礁海岸とマングローブ海岸(前門 晃)
D6-6 大陸棚 (砂村継夫)
D6-7 海底地形 (小池一之)
D6-8 成因からみた湖の分類/湖岸・湖底の地形 (平井幸弘)
D7 氷河・周氷河地形
D7-1 山岳氷河の地形 (長谷川裕彦)
D7-2 氷床の地形 (澤柿教伸)
D7-3 氷河変動と地形 (三浦英樹)
D7-4 永久凍土 (澤田結基・池田 敦)
D7-5 周氷河地形 (池田 敦・澤田結基)
D7-6 積雪の作用と雪崩地形 (下川和夫)
D8 風のつくる地形および乾燥地形
D8-1 砂丘と風食地形 (遠藤邦彦)
D8-2 ペディメント (大内俊二)
D8-3 バハダとプラヤ (小口 高)
D8-4 レス(黄土)と黄土高原 (成瀬敏郎)
E 土 壌
E1 土壌の生成
E1-1 土壌地理学の歴史 (漆原和子)
E1-2 土壌生成に及ぼす植生の影響(清水善和)
E1-3 土壌生成(1)母材・気候の影響(漆原和子)
E1-4 土壌生成(2)地形の影響(漆原和子)
E1-5 土壌断面とその特性 (田村憲司)
E2 土壌の分布
E2-1 世界の土壌分布 (田村憲司)
E2-2 日本の土壌分布 (田村憲司)
E2-3 砂漠土壌と土地利用 (相馬秀廣)
E3 その他
E3-1 特異な母材と成帯内性土壌(黒ぼく土)(田村憲司)
E3-2 土壌生成と古環境(古土壌)(前島勇治)
E3-3 人間がつくる土壌 (隅田裕明)
E3-4 土壌侵食・土地荒廃・土壌汚染(東 照雄)
F 植 生
F1 植生地理学の歴史 (小泉武栄)
F2 植生と環境
F2-1 植物の分布を決める条件 (渡辺一夫)
F2-2 遷移と極相 (渡辺一夫)
F3 世界の植生分布
F3-1 熱帯雨林 (小泉武栄)
F3-2 サバンナとモンスーン林 (小泉武栄)
F3-3 砂漠と温帯草原 (小泉武栄)
F3-4 温帯林 (小泉武栄)
F3-5 亜寒帯林,ツンドラ,氷雪帯(小泉武栄)
F4 日本の植生分布
F4-1 暖温帯林・亜熱帯林 (高岡貞夫)
F4-2 冷温帯林 (高岡貞夫)
F4-3 亜寒帯林 (高岡貞夫)
F5 垂直分布帯
F5-1 高山帯 (高岡貞夫)
F5-2 亜高山帯 (高岡貞夫)
F5-3 山地帯 (高岡貞夫)
F5-4 丘陵帯・里山と雑木林 (小泉武栄)
F6 地形・地質と植生
F6-1 蛇紋岩地・石灰岩地の植物 (小泉武栄)
F6-2 海岸の植生 (小泉武栄)
F6-3 火山植生 (小泉武栄)
F6-4 縞枯れ現象 (小泉武栄)
F6-5 雲霧林 (小泉武栄)
F6-6 川のつくる植生 (小泉武栄)
F6-7 湿原・湿原・泥炭地 (小泉武栄)
G 自然災害
G1 地震災害
G1-1 地震による地変 (中林一樹)
G1-2 都市域の震災 (中林一樹)
G1-3 津 波 (都司嘉宣)
G2 火山災害
G2-1 火山体の崩壊・岩屑流,火砕流・溶岩流,火山泥流(森脇 広)
G2-2 火山噴火と火山ガス・降灰(森脇 広)
G2-3 大規模噴火と地球環境の激変,文明への影響(森脇 広)
G3 気象・気候災害
G3-1 台風災害 (牛山素行)
G3-2 集中豪雨と洪水・鉄砲水,河川の氾濫・破堤(牛山素行)
G3-3 豪雨による山地崩壊,土石流,土砂崩れ,崖崩れ (松倉公憲)
G3-4 熱波・干ばつ・干害 (山川修治)
G3-5 冷 害 (菅野洋光)
G3-6 雪 害 (菅野洋光)
G3-7 局地的な気象災害 (山川修治)
G4 海洋災害
G4-1 海洋災害 (板垣真資・高野洋雄)
G4-2 地球温暖化に伴う海面上昇,サンゴ礁の島々に迫る危機 (山野博哉)
G4-3 海岸侵食の加速化と防御策,離岸堤と養浜(小池一之)
H 環境汚染・改変と環境地理
H-1 大気汚染 (菊地 立)
H-2 酸性雨・酸性霧 (中村圭三)
H-3 黄 砂 (甲斐憲次)
H-4 気候と疾病・花粉の飛散と花粉症(中村圭三)
H-5 地盤沈下 (松田磐余)
H-6 砂防,人工貯水池の堆砂,河床洗掘(恩田裕一)
H-7 河川流路の人工改変 (久保純子)
H-8 耕地の開発 (内田和子・久保純子)
H-9 砂漠化 (木村圭司)
I 地域の環境(大生態系の環境)
I-1 世界の海洋 (小池一之)
I-2 世界の生態気候帯 (清水善和)
I-3 世界の環境 (細田 浩・松本 淳)
I-4 地球規模の環境と地形地域 (岩田修二)
I-5 日本列島の生い立ち (小池一之)
I-6 日本の自然の特色と日本の風土(山下脩二)
付録(折込図):フンボルトによる熱帯地域の自然画(チンボラソ山など)
巻末資料/索引
執筆者紹介
○編集者
小池一之 元駒澤大学
山下脩二 東京学芸大学名誉教授
岩田修二 東京都立大学名誉教授
漆原和子 法政大学
小泉武栄 東京学芸大学名誉教授
田瀬則雄 筑波大学名誉教授
松倉公憲 筑波大学名誉教授
松本 淳 首都大学東京
山川修治 日本大学