電子回路ハンドブック 新装版

藤井 信生関根 慶太郎高木 茂孝兵庫 明(編)

藤井 信生関根 慶太郎高木 茂孝兵庫 明(編)

定価 17,600 円(本体 16,000 円+税)

B5判/464ページ
刊行日:2022年11月05日
ISBN:978-4-254-22166-4 C3055

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内容紹介

《本書は『電子回路ハンドブック』(2006年刊)を底本として刊行したものです》 電子回路に関して,基礎から応用までを本格的かつ体系的に解説したわが国唯一の総合ハンドブック。大学・産業界の第一線研究者・技術者により執筆され,500余にのぼる豊富な回路図を掲載し,“芯のとおった”構成を実現。なお,《本書はディジタル電子回路を念頭に入れつつも回路の基本となるアナログ電子回路をメインとした。

編集部から

 電気・電子系に関する大型企画の社内会議が開かれた中で本企画は生まれました。もちろん類書などを調べたのですが意外な驚きがありました。というのは電子回路の教科書は棚からこぼれるほどあるのですが,大型の本は一つもないのです。
 総編集を依頼するなら東京工業大学の藤井信生先生以外考えられないとどなたもおっしゃるので,こわごわ(本当ですよ)大岡山に出掛けました。藤井先生との相談でわかったことは,「大学の授業に合わせての教科書は簡単に企画できても,体系的な総編集は膨大な回路図の収集なども困難で,その必要性は以前から議論されていたのだが機が熟さなかった。しかし,電子回路が急速にディジタル化されている現在では,その基礎となるアナログ電子回路を体系的に展開するのは今しかないので全面的に協力しましょう」ということだった。
 素人の私は,高集積化する電子回路技術は単に組み合わせの高精度化と理解していたのですが,これは大いなる誤解・曲解であり,回路設計者の技術レベルとセンスに大きく依存する独特の構造を有するというのです。
 ……ということで,アナログをメインとした電子回路の基礎と最先端の設計技術の骨格を本書でみごと展開したわけです。藤井先生は統一された記述を実現するためには小人数の執筆にすべきという持論をお持ちで,本書でも計14名で構成され,筋の通った体系的記述が実現できたと喜んでおります。最後の段階での資料編広告集めには苦労もありましたが,まずは6月に刊行できたことにほっとしております。(森田)

目次

\\"第1編 電子回路の基礎
1. 回路の基礎
 1.1 単   位
 1.2 回路素子
 1.3 回路解析・設計に必要な法則・定理など
 1.4 回路解析・設計に便利なツールなど
 1.5 フーリエ変換と交流理論
 1.6 交流理論
2. 回路デバイス
 2.1 半導体の基礎
 2.2 pn接合ダイオード
 2.3 ショットキバリアダイオード
 2.4 バイポーラトランジスタ
 2.5 その他のバイポーラトランジスタ
 2.6 電界効果トランジスタ
3. 雑     音
 3.1 雑音の基礎
 3.2 電子デバイスにおける雑音
3.3 デバイスの雑音等価回路

第2編 増幅回路設計4. トランジスタの動作と特性
 4.1 トランジスタの大信号特性
 4.2 大信号と小信号の分離
 4.3 等価回路の導出
5. 基本増幅回路
 5.1 バイアス回路の設計
 5.2 増幅回路の諸量
 5.3 バイポーラトランジスタ基本増幅回路
 5.4 MOSトランジスタ基本増幅回路
 5.5 差動増幅回路
 5.6 基本増幅回路の周波数特性
6. 増幅回路の特性改善
 6.1 高利得増幅回路
 6.2 複合トランジスタ
 6.3 帰還技術
7. 演算増幅器とその応用
 7.1 理想演算増幅器の特性
 7.2 演算増幅器の解析
 7.3 演算増幅器の線形回路への応用
 7.4 演算増幅器の非線形回路への応用
8. 電力増幅回路
 8.1 A級電力増幅回路
 8.2 B級電力増幅回路
9. 高周波増幅回路
 9.1 低雑音増幅器
 9.2 高周波電力増幅回路

第3編 応 用 回 路
10. フィルタ
 10.1 フィルタの特性
 10.2 LCRフィルタ
 10.3 アクティブフィルタ
11. 発振回路
 11.1 発振回路の原理
 11.2 RC発振回路
 11.3 LC発振機
 11.4 水晶発振回路
 11.5 弛張発振器
 11.6 電圧制御発振回路
12. PLL
 12.1 原   理
 12.2 PLLの基本特性
 12.3 PLLの構成要素
 12.4 PLLの応用
 12.5 PLLの諸性質
13. 変復調回路
 13.1 変調の目的と種類
 13.2 連続波アナログ変調の原理
 13.3 連続波ディジタル変調
 13.4 変復調回路
14. 電源回路
 14.1 電源回路の構成と原理
 14.2 直流安定化回路
 14.3 DC─DCコンバータ
 14.4 DC─ACコンバータ

第4編 アナログ集積回路
15. アナログ集積回路プロセスとデバイスモデル
 15.1 集積回路の特徴
 15.2 バイポーラプロセスと素子モデル
 15.3 CMOSプロセスとモデル
 15.4 BiCMOSプロセス
16. アナログ集積回路基本ブロック
 16.1 アナログ集積基本回路
 16.2 演算増幅器設計
 16.3 OTA
 16.4 乗算器
 16.5 電流増幅回路(CC,CF)
 16.6 変換回路
17. 集積化アナログフィルタ
 17.1 連続時間系フィルタ
 17.2 SCフィルタ
18. 集積化A─D, D─A変換回路技術
 18.1 A─D,D─A変換回路の原理
 18.2 A─D,D─A変換回路の特性評価
 18.3 積分型変換回路
 18.4 並列比較型変換回路
 18.5 逐次比較型変換回路
 18.6 オーバサンプリング型変換回路
19. アナログ回路レイアウト技術
 19.1 素子のレイアウト
 19.2 フロアプラン
 19.3 ブロックレイアウト設計
 19.4 全体レイアウト
20. アナログ集積回路の実現
 20.1 回路シミュレータの概要
 20.2 設計から評価まで

第5編 もう一歩進んだアナログ回路技術の基礎
21. 線形化回路技術
 21.1 バイポーラトランジスタを用いた線形化回路技術
 21.2 飽和領域動作のMOSトランジスタを用いた線形化回路技術
 21.3 非飽和領域動作のMOSトランジスタを用いた線形化回路技術
 21.4 MOSトランジスタ構成のLogドメイン回路設計
 21.5 MOSトランジスタ構成の√ドメイン回路設計
22. 安定化回路技術
 22.1 素子偏差に対する耐性
 22.2 温度変動に対する耐性
 22.3 雑音に対する耐性
23. 低電圧・低消費電力化回路技術
 23.1 Rail─to─Rail回路設計技術
 23.2 R─R入力段回路設計技術
 23.3 R─R出力段回路設計技術
24. 高周波回路技術と光関連への応用回路技術
 24.1 回路の高周波化
 24.2 GaAsアナログ回路技術
 24.3 光関連への応用回路技術

索   引
\\"

執筆者紹介

【編集委員】藤井信生、関根慶太郎、?木茂孝、兵庫 明
【執筆者(五十音順)】井上高宏、川人祥二、神林紀嘉、?木茂孝、谷口研二、谷本 洋、塚田敏郎、兵庫 明、藤本竜一、堀田正生、森山誠二郎、山口恵一、和田和千、渡辺健蔵

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