言葉とコミュニケーション ―心理学を日常に活かす―

邑本 俊亮(著)

邑本 俊亮(著)

定価 2,970 円(本体 2,700 円+税)

A5判/160ページ
刊行日:2022年11月01日
ISBN:978-4-254-52033-0 C3011

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内容紹介

言葉を介したコミュニケーションの心理学に関する入門書.

編集部から

(本書「はじめに」より抜粋)

あなたは,友人の何気ない一言に傷ついたことはないだろうか
何気ない一言にとても勇気づけられたことはないだろうか
言葉はとても不思議だ
同じ言葉でも話す人や場面によって伝わる内容が違うことがある
言葉では伝わらない思いがある
言葉で誤解が生じることもある
それでも私たちは他者とコミュニケーションを図り
人間関係を築いて生きている

私たちはふだん,あたりまえのように相手が発した情報を理解し,あたりまえのように自分の考えを表現して相手とコミュニケーションを行っている.だが,その背景には私たち人間のきわめて優れた心の働きがある.また,コミュニケーションはどんな場面でもうまくゆくとは限らない.その成否はさまざまな要因に左右される.その要因の1 つが,送り手の表現力である.自分が伝えたいことを正確にかつ効果的に他者に伝える能力.本書が,そのような能力を向上させるためのヒントになれば幸いである.

目次

第1章 言語コミュニケーション
1.1 ミスコミュニケーションの諸相
1.2 コミュニケーションのプロセス
1.3 コンテクスト
1.4 知識の役割
第2章 非言語コミュニケーション
2.1 非言語コミュニケーションとは
2.2 非言語コミュニケーションの種類
2.3 嘘は見抜けるのか
第3章 自己とコミュニケーション
3.1 自己概念
3.2 自己呈示
3.3 自己開示
第4章 会話の成立要件
4.1 会話のルールと共有知識
4.2 相補的交流
4.3 『生協の白石さん』から学ぶ
4.4 相手のために反応しよう
第5章 言語理解過程
5.1 単語認知
5.2 統語解析と文理解
5.3 文章理解
第6章 作文の認知過程
6.1 文章産出の認知モデル
6.2 プランニング
6.3 言語化
6.4 推敲
第7章 良い文章を書くために
7.1 プランニング実践
7.2 言語化実践
7.3 推敲実践
第8章 ビジュアルコミュニケーション
8.1 ビジュアルのチカラ
8.2 わかりやすさが肝心
8.3 レイアウト
第9章 対人魅力とコミュニケーション
9.1 対人魅力の要因
9.2 好意を生み出すコミュニケーション
第10章 実社会でのコミュニケーション
10.1 大学教員の教えるコミュニケーション
10.2 医療従事者の説明するコミュニケーション
10.3 災害時の避難を呼びかけるコミュニケーション
第11章 より良いコミュニケーションのために
11.1 ネット社会のコミュニケーション
11.2 もののとらえ方は一通りではない
11.3 信頼関係がコミュニケーションを支える

執筆者紹介

邑本 俊亮(むらもと・としあき)
1961年 富山県に生まれる
1992年 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学
現 在 東北大学災害科学国際研究所教授
    博士(行動科学)
〔主な著書〕
『文章理解についての認知心理学的研究─記憶と要約に関する実験と理解過程のモデル化』風間書房,1998年
『認知心理学―知性のメカニズムの探究』培風館,2011年(共著)
『言語心理学入門―言語力を育てる』培風館,2012年(分担執筆)
『心理学の神話をめぐって―信じる心と見抜く心』誠信書房,2017年(共編)
『教師のための防災学習帳』朝倉書店,2021年(分担執筆)

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