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科学方法論序説 ―自然への問いかけ働きかけ―
高田 誠二(著)
内容紹介
自然への問いかけ働きかけの方法を,文学的観照,形態の観察,時間の把握,数学的表現,計測と単位といった諸段階に分けてたどりながら,実験科学の方法と精神を浮き彫りにする。俳句からフラクタルまでユニークなエピソードに満ちている。
編集部から
目次
1. 自然をみる――文学的自然観照と科学的自然観察
1.1 江戸期の俳人の自然観察
1.2 フランス近代心理小説のなかの自然描写
1.3 近代文学者の自然観察
1.4 昭和前期の哲学者の自然観察
1.5 自己了解的な自然観への批判
1.6 自然現象のなかの規則性と秩序性
1.7 昭和前期の物理学者の自然観察
1.8 自然の法則性をわがものにする
2. 自然を相手どって それに問いかける――方法論的な自然観察
2.1 目があるから見える 耳があるから聞こえる
2.2 目はありのままを見るか(Ⅰ)――輪郭強調効果
2.3 ヒトの眼と写真のカメラ
2.4 ヒトの眼とロボットの眼
2.5 眼は明暗の境目をどう見るか
2.6 側抑制効果の現象論
2.7 側抑制効果の数理
2.8 側抑制の模擬する
2.9 他
3. 境のないものに境を 形のていものに形を――形態の観察
3.1 円山と三角山
3.2 植物の名前
3.3 植物の形
3.4 渾沌(カオス)と秩序(コスモス)
3.5 コスモスへの門
3.6 樹木の形態学
3.7 天球(または宇宙)の形態学
3.8 鉱物の形態学
3.9 他
4. うつろいゆくものをとらえる――運動・変化の観察
4.1 うつろいゆく‘時’
4.2 時と運動
4.3 時間を空間に転釈する
4.4 時の流れの向き
4.5 時計の効用と動作原理
4.6 変化の観察
4.7 流れを見る
4.8 変化の姿を関数に転釈する
4.9 有と無 始まりと終わり
5. 自然を相手どって それに働きかける――実験の精神構造と実践様式――
5.1 落椿の詩
5.2 落椿の観察
5.3 落椿のモデル実験
5.4 落椿研究考(Ⅰ)――実験の精神構造
5.5 落椿研究考(Ⅱ)――実験の実践様式
5.6 落椿研究考(Ⅲ)――教育的な意義
6. 数の世界への橋をかける――定量科学の枠組を支える計測とその単位
6.1 天下のまわりもの
6.2 幾何学の公共性
6.3 定規とコンパス
6.4 ガリレイ時代の物指
6.5 その場その場の比例定数と普遍的な物理定数
6.6 ニュートンの物指
6.7 10進法計数を計測にも
6.8 量を問うための働きかけ
6.9 他
7. 方法論的な自然探究――問いかけ,働きかけのキー・ヴァーブ
7.1 キー・ヴァーブへのオリエンテーション
7.2 向く,近づく,さぐる,追う
7.3 見る,見定める,見分ける,見渡す
7.4 聞く・聴く・嗅ぐ,なめる,味わう
7.5 触れる,押す・引く,ゆすぶる,たたく
7.6 刺す,そう入する,はさむ
7.7 当てる,掃く,せきとめる
7.8 並べる
7.9 分ける,割る,切る
7.10 他
8. 参考文献
9. 索 引