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内容紹介
発光現象が関連する分野は物理・化学・生物・医学・地球科学・工学と実に広範である。本書は光の基礎的な知識,発光の仕組みなど,発光現象の基礎的な解説を充実させることを特徴にした事典で,工学応用への一端も最後に紹介した。各分野において最先端で活躍している執筆者が集まり実現した,世界に類のない発光のレファレンス。〔内容〕発光の概要/発光の基礎/発光測定法/発光の物理/発光の化学/発光の生物/蛍光イメージング/いろいろな光源と発光の応用/付録
編集部から
・世界が認める日本の“発光”研究。世界に類のないレファレンスの誕生!
・発光現象の基礎的な解説を充実.物理学,化学,生物学,そして蛍光イメージングの各分野について,簡潔に正確な知識を提供
・視覚的理解に役立つ図のほか,読者に役立つ教科書的な参考書,文献も豊富に掲載
・読者対象
物理学・化学・生物学で光を扱う研究者・学生
蛍光イメージングを用いる生命科学・薬学・医学関係の研究者・学生
公共図書館・大学図書館
目次
1. 発光の概要
1.1 本書の概要
1.2 いろいろな発光
1.3 発光研究の経緯
2. 発光の基礎
2.1 電磁波としての光
2.1.1 光とは
2.1.2 マクスウェル方程式と電磁波
2.1.3 電磁波の放射
2.1.4 偏光と偏光状態
2.1.5 光と色
2.2 量子としての光
2.2.1 光子とその状態
2.2.2 量子的な光の発生
2.2.3 量子もつれ合い光子対と量子情報処理
2.3 発光の仕組み
2.3.1 発光とは何か
2.3.2 吸収と発光スペクトル形状
3. 発光測定法
3.1 スペクトル測定
3.1.1 発光測定の概要
3.1.2 発光測定の実際
3.1.3 発光測定における補正
3.1.4 発光量子収率の測定法
3.2 時間測定
3.2.1 時間分解測定の概要
3.2.2 時間相関単一光子計数法
3.2.3 周波数領域法(位相法)
3.2.4 アップコンバージョン法
3.2.5 ストリークカメラ
3.2.6 解析方法
3.2.7 光カーゲート法
3.3 いろいろな分光法
3.3.1 非線形蛍光法
3.3.2 蛍光相関分光法
3.3.3 近接場分光
3.3.4 単一分子分光
3.3.5 変調分光法
3.3.6 超音波ジェット
3.3.7 サイト選択分光
3.3.8 増感りん光分光法
3.3.9 量子ビート分光
4. 発光の物理
4.1 原子分子発光
4.1.1 原子や分子のエネルギー準位
4.1.2 原子と光の相互作用
4.1.3 原子・分子の発光
4.1.4 プラズマ発光
4.1.5 自然放出とその制御
4.2 固体の発光現象
4.2.1 半導体と発光現象
半導体の発光現象/励起子/ナノ構造と量子閉じ込め効果
4.2.2 不純物中心や微粒子の発光現象
半導体の不純物が関与する発光現象/不純物中心/色中心/金属微粒子の発光/金属と表面プラズモン共鳴/半導体ナノ粒子の発光明滅現象
4.3 天文・気象・鉱物の発光
4.3.1 大気の発光現象(オーロラ)
4.3.2 星の発光
4.3.3 地質鉱物学における発光の利用
4.3.4 鉱物のルミネセンス
4.3.5 地震に伴う発光現象
5. 発光の化学
5.1 光と分子の相互作用
5.1.1 分子のエネルギー準位
5.1.2 吸収,発光と遷移双極子モーメント
5.1.3 分子の吸収,発光と選択則
5.2 発光と溶媒効果
5.2.1 発光分子の溶媒効果
5.2.2 発光分子の温度・粘度効果
5.2.3 発光分子の環境効果
5.2.4 発光の偏光
5.3 発光のダイナミクスと緩和
5.3.1 分子内緩和と発光(理論的取扱い)
5.3.2 分子内緩和と発光(実験結果)
5.3.3 励起状態ダイナミクスと緩和
5.3.4 蛍光偏光解消
5.3.5 遅延蛍光
5.3.6 発光への磁場効果
5.3.7 発光への電場効果
5.3.8 金属表面での radiative decay engineering
5.4 反応と蛍光
5.4.1 エネルギー移動
5.4.2 励起状態反応
5.4.3 光誘起電子移動
5.4.4 会合体
5.4.5 エキシマーとエキサイプレックス
5.4.6 光異性化反応
5.4.7 プロトン移動
5.5 発光物質のいろいろ
5.5.1 有機蛍光分子の発色団と発光特性
5.5.2 有機蛍光分子の一般的使用法
5.5.3 遷移金属錯体の発光
5.5.4 希土類物質の発光
5.5.5 孤立電子対を有する分子からの発光
6. 発光の生物
6.1 生物発光現象
6.1.1 化学発光概説
6.1.2 液相化学発光反応
6.1.3 発光生物概論
6.1.4 発光生物各論
6.1.5 生物発光分析
6.1.6 酵素反応に伴う微弱発光
6.2 色素と生物
6.2.1 生物における色素の役割
6.2.2 光合成系
6.2.3 光受容体
6.2.4 生物機能をもつ代表的な色素
7. 蛍光イメージング
7.1 蛍光イメージングの基礎
7.1.1 蛍光顕微鏡概説
7.1.2 有機小分子蛍光プローブの活用によるライブイメージング
7.1.3 蛍光タンパク質
7.1.4 量子ドット蛍光プローブ
7.1.5 ダイヤモンドナノ粒子
7.1.6 化学発光
7.1.7 自家蛍光
7.1.8 タグ法
7.2 蛍光イメージングの実際
7.2.1 蛍光イメージング技術
励起法/観察法/画像処理/応用例
7.2.2 イメージングの対象
構造イメージング/機能イメージング(蛍光タンパク質を利用した機能イメージング,再構成法)
7.3 いろいろなイメージング技術
7.3.1 1分子蛍光イメージング
7.3.2 2光子蛍光イメージング
7.3.3 非線形光学効果によるイメージング
7.3.4 超解像イメージング
7.3.5 蛍光相関分光測定とイメージングへの応用
7.3.6 光退色/光活性化を利用したイメージング(FRAP,FDAP)
7.3.7 蛍光偏光イメージング
7.3.8 蛍光寿命イメージング
7.3.9 吸収イメージング
8. いろいろな光源と発光の応用
8.1 光源
8.1.1 照明
8.1.2 レーザー
8.1.3 放射光と自由電子レーザー
8.2 発光の応用
8.2.1 蛍光色材
8.2.2 有機 EL 発光材料
8.2.3 蛍光発光および化学発光による生体機能解析
8.2.4 インテリジェント蛍光プローブ
8.2.5 ICP 発光分光分析
執筆者紹介
●編集委員
木下修一 大阪大学名誉教授
太田信廣 北海道大学名誉教授
永井健治 大阪大学産業科学研究所教授
南不二雄 東京工業大学名誉教授