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内容紹介
後世の数学・科学技術に多大な影響を与えた19世紀フランスの数学者フーリエの主著の全訳。熱伝播の問題のためにフーリエが編み出した数学と,彼の自然思想が展開される。学術的知見に基づいた正確な翻訳に,豊富な注釈・解説を付す。
編集部から
*予価表示は消費税10%としております。
【『現代数学』2020年12月号で三浦伸夫先生(神戸大学名誉教授)による書評掲載。】
(……)本書はフランス語からの全訳で,訳文は原文にきわめて忠実で正確でわかりやすい.フランス語編集版や英訳の注釈をも取り入れ,さらに丁寧な訳注も加えている.その意味では現在世界最高水準の『熱の解析的理論』訳文の仕上がりだ.さらに訳者によるフーリエ略伝,高瀬正仁氏による歴史的解説も添えられている.今後はフーリエ研究の基本書,さらに数理科学原典訳のモデルとして長く読みつがれていくことは間違いない.大著を訳された訳者の労苦と出版社に心より賛辞を贈りたい.(後略)
目次
まえがき
第1章 序 論
第1節 本書のテーマの説明
第2節 諸概念と予備的諸定義
第3節 熱伝導の原理
第4節 熱の一様な線的運動
第5節 細い四角柱における定常温度の法則
第6節 閉じた空間を温めること
第7節 三方向に広がる熱の一様運動
第8節 固体の与えられた一点における熱運動の大きさ
第2章 熱の運動方程式
第1節 環における熱の変動運動の方程式
第2節 球体における熱の変動運動の方程式
第3節 円筒体における熱の変動運動の方程式
第4節 無限柱体における熱の一様運動の方程式
第5節 立方体における熱の変動運動の方程式
第6節 固体内部における熱伝播の一般方程式
第7節 表面に関する一般方程式
第8節 一般方程式の応用
第9節 一般的諸注意
第3章 無限直方体における熱伝播
第1節 問題の説明
第2節 熱の理論における三角級数の最初の使用例
第3節 これらの級数に関する諸注意
第4節 一般解
第5節 解の結果の有限表示
第6節 任意関数の三角級数展開
第7節 本題への適用
第4章 環における熱の線的変動運動
第1節 問題の一般解
第2節 離散物体間の熱伝導
第5章 球体における熱伝播
第1節 一般解
第2節 この解に関する諸注意
第6章 円筒体における熱の運動
第7章 四角柱における熱伝播
第8章 立方体における熱の運動
第9章 熱の拡散
第1節 無限直線における熱の自由運動
第2節 無限固体における熱の自由運動
第3節 無限固体内の最も高い温度
第4節 積分の比較
内容一覧
ダルブー版「序文」
監訳者解説 フーリエ解析の泉
訳者後記
フーリエ科学論文一覧
学者名一覧
文 献
執筆者紹介
[著]Jean-Baptiste-Joseph Fourier (1768 - 1830)
[訳]西村重人 明治大学付属中野八王子中学校・高等学校
[監訳・解説]高瀬正仁 数学者・数学史家