新版 宇宙物理学 ―星・銀河・宇宙論―

高原 文郎(著)

高原 文郎(著)

定価 4,620 円(本体 4,200 円+税)

A5判/264ページ
刊行日:2015年05月15日
ISBN:978-4-254-13117-8 C3042

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内容紹介

星,銀河,宇宙論についての基本的かつ核心的事項を一冊で学べるように,好評の旧版に宇宙論の章を追加したテキスト。従来の内容の見直しも行い,使いやすさを向上。〔内容〕星の構造/星の進化/中性子星とブラックホール/銀河/宇宙論

編集部から

 本書は,学部上級生から大学院生向けの教科書として高く評価された『宇宙物理学』の改訂版である。今世紀に入ってからの観測・理論それぞれの進展は目覚ましく,宇宙の成り立ちや変化の問題を扱う宇宙論は宇宙物理学の教科書に必須な内容になった。そうした状況を踏まえ,全5章構成の旧版に新たに宇宙論の章を付け加えるとともに,全体の見直しを行った。星・銀河・宇宙論の基本的かつ重要な内容を1冊で学べるテキストとして,内容・頁数だけでなく使いやすさも大幅に向上。
〔内容〕序論/星の構造/星の進化/中性子星とブラックホール/銀河/宇宙論(膨張宇宙の力学・基本的性質・熱史,密度ゆらぎの線形摂動論,構造形成,宇宙背景放射,バリオン物質の構造)

目次

1.序論
 1.1 宇宙物理学とは
 1.2 基本的な観測事実
  1.2.1 恒星
  1.2.2 星団
  1.2.3 銀河
  1.2.4 星間物質
  1.2.5 宇宙
  1.2.6 元素組成
  1.2.7 年代学
  1.2.8 高密度星
  1.2.9 活動銀河
  1.2.10 ガンマ線バースト
  1.2.11 高エネルギー宇宙線
2.星の構造
 2.1 力学平衡
  2.1.1 基礎方程式
  2.1.2 ポリトロープ球
  2.1.3 積分定理
 2.2 輻射輸送
  2.2.1 基本的概念
  2.2.2 輸送方程式
  2.2.3 拡散方程式
  2.2.4 吸収係数
 2.3 対流
  2.3.1 対流不安定の条件
  2.3.2 混合距離理論
  2.3.3 その他の問題
 2.4 熱核反応
  2.4.1 熱核反応の運動学
  2.4.2 核反応率
  2.4.3 水素燃焼
  2.4.4 ヘリウム燃焼
  2.4.5 重元素の熱核反応
  2.4.6 ニュートリノ損失
 2.5 星の構造を決定する4 つの式
演習問題
3.星の変化
 3.1 原始星
  3.1.1 重力崩壊
  3.1.2 林フェイズ
 3.2 主系列星
 3.3 主系列以降の進化
  3.3.1 赤色巨星
  3.3.2 ヘリウム燃焼段階の星
  3.3.3 その後の進化
 3.4 白色矮星
 3.5 超新星爆発
  3.5.1 コア崩壊型超新星
  3.5.2 炭素爆燃型超新星
 3.6 元素の起源
  3.6.1 宇宙初期の軽元素合成
  3.6.2 宇宙線破砕反応による軽元素合成
  3.6.3 恒星中の熱核反応生成物の質量放出
  3.6.4 中性子捕獲過程(s 過程)
  3.6.5 中性子捕獲過程(r 過程)
 3.7 太陽ニュートリノ問題と太陽の内部構造
演習問題
4.中性子星とブラックホール
 4.1 相対論的な星の構造
 4.2 中性子星の内部構造
  4.2.1 陽子・中性子・電子からなる系
  4.2.2 原子核との化学平衡
  4.2.3 中性子星の質量と内部構造
  4.2.4 中性子星の観測的諸相
 4.3 パルサー
  4.3.1 パルサーの基本的性質
  4.3.2 磁気双極子放射
  4.3.3 単極誘導
  4.3.4 パルサー風
 4.4 X 線星
  4.4.1 中性子星への降着
  4.4.2 X 線パルサー
  4.4.3 低質量X 線連星
  4.4.4 ブラックホール連星
 4.5 降着円盤
  4.5.1 標準降着円盤
  4.5.2 移流優勢円盤
 4.6 連星中性子星
 4.7 ガンマ線バースト
 4.8 マグネター
演習問題
5.銀河
 5.1 銀河の基本的性質
  5.1.1 銀河の分類
  5.1.2 楕円銀河と円盤銀河
  5.1.3 銀河の統計
  5.1.4 銀河の形成と進化
 5.2 恒星系力学
  5.2.1 無衝突ボルツマン方程式
  5.2.2 2 体緩和時間
  5.2.3 恒星系の緩和と進化
 5.3 渦巻構造の密度波理論
  5.3.1 渦巻構造
  5.3.2 ガス円盤の局所的安定性
  5.3.3 密度波理論
 5.4 銀河の化学進化
  5.4.1 対比すべき観測事実
  5.4.2 最も単純なモデル
  5.4.3 降着モデル
  5.4.4 進んだモデルへの道
 5.5 原子核年代学と銀河の年齢
  5.5.1 ウラン–トリウム法
  5.5.2 星の表面のトリウム量
  5.5.3 白色矮星の光度関数
 5.6 星間物質
  5.6.1 星間ガスの重力不安定
  5.6.2 星間ガスの熱的状態
 5.7 活動銀河
  5.7.1 活動銀河の分類
  5.7.2 大質量ブラックホールモデル
演習問題
6.宇宙論
 6.1 膨張宇宙の力学
  6.1.1 ニュートン力学における膨張宇宙
  6.1.2 一様等方宇宙
  6.1.3 ロバートソン–ウォーカー計量
  6.1.4 フリードマン方程式
  6.1.5 宇宙モデル
 6.2 膨張宇宙の基本的性質
  6.2.1 赤方偏移とハッブルの法則
  6.2.2 宇宙の地平線
  6.2.3 宇宙年齢
  6.2.4 天体までの距離
 6.3 膨張宇宙の熱史
  6.3.1 宇宙を構成する物質
  6.3.2 宇宙の熱史の概観
  6.3.3 宇宙初期の元素合成
  6.3.4 残存ニュートリノ
  6.3.5 水素の再結合
 6.4 密度ゆらぎの線形摂動論
  6.4.1 ニュートン力学での取り扱い
  6.4.2 一般相対論的摂動論
  6.4.3 密度ゆらぎのふるまい
  6.4.4 多成分流体のゆらぎ
 6.5 構造形成
  6.5.1 密度ゆらぎのスペクトル
  6.5.2 球対称ゆらぎ
  6.5.3 質量関数
  6.5.4 相関関数
 6.6 宇宙背景放射
  6.6.1 角度相関関数と角度パワースペクトル
  6.6.2 ボルツマン方程式
 6.7 バリオン物質の構造
  6.7.1 銀河形成
  6.7.2 銀河団
  6.7.3 銀河中心の大質量ブラックホール
  6.7.4 銀河間物
演習問題
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