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蛍光X線分析の実際 (第2版)
中井 泉(編)/日本分析化学会X線分析研究懇談会(監修)
中井 泉(編)/日本分析化学会X線分析研究懇談会(監修)
定価 6,490 円(本体 5,900 円+税)
B5判/280ページ
刊行日:2016年07月10日
ISBN:978-4-254-14103-0 C3043
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内容紹介
試料調製,標準物質,蛍光X線装置スペクトル,定量分析などの基礎項目を平易に解説し,さらに食品中の有害元素分析,放射性大気粉塵の解析,美術品をはじめ文化財への非破壊分析など豊富な応用事例を掲載した実務家必携のマニュアル。
編集部から
本年10月に本書と内容的に関わりの深い、
「第53回X線分析討論会」が開催されます!
詳細は同大会のサイトをご覧ください。
2017年10月26日(木)〜10月27日(金)
徳島大学常三島キャンパス
目次
はじめに
本書の特徴と使い方
1章 蛍光X 線分析の基礎
1.1 X線とは
1.2 X 線と物質の相互作用
1.3 X 線 の 吸 収
1.3.1 吸収係数
1.3.2 X 線吸収スペクトル
1.4 原子の電子構造
1.4.1 電 子 を み る
1.4.2 物 質 と 電 子
1.4.3 ボーアモデル
1.4.4 エネルギーの吸収と光の発生
1.5 蛍光 X 線
1.5.1 蛍光X 線の発生原理
1.5.2 X 線の吸収端
1.5.3 吸収端とフィルター
1.5.4 電子遷移と原子のエネルギー準位
1.5.5 オージェ電子
1.5.6 蛍光X 線スペクトル
1.5.7 蛍光X 線の強度と定量分析
1.6 X 線の散乱と回折
1.6.1 コンプトン散乱
1.6.2 トムソン散乱─ X 線回折
1.7 蛍光X 線分析装置
1.7.1 X 線管とそのX 線スペクトル
1.7.2 蛍光X 線スペクトルの測定
1.7.3 蛍光X 線の強度をはかる
1.8 蛍光X線分析
1.8.1 蛍光X 線分析の特徴
1.8.2 他の分析法との比較
1.8.3 固体試料の非破壊分析について
1.8.4 応用分野
2章 蛍光X 線スペクトル
2.1 スペクトル線のよび方
2.2 蛍光収率
2.3 原子番号と波長の関係
2.4 電子遷移による蛍光X 線の発生と選択則
2.5 サテライトピークの起源
2.6 スペクトルの意味
2.7 スペクトルの実際
2.8 散乱線
2.9 X 線源からの不純線
2.10 EDX スペクトルにおける特殊問題
2.11 WDX スペクトルにおける特殊問題
3章 蛍光X 線分析装置
3.1 蛍光X 線分析装置の構成
3.1.1 波長分散型装置(WDX)の構成
3.1.2 エネルギー分散型装置(EDX)の構成
3.2 X線発生部
3.2.1 高圧電源
3.2.2 X線管
3.2.3 1 次X 線フィルター
3.2.4 2 次ターゲット
3.3 分 光 ・ 検 出 部
3.3.1 光学系
3.3.2 検出器
3.4 信号処理部(計数回路)
3.4.1 波高分析器( PHA,Pulse Height Analyzer)
3.4.2 マルチチャンネルアナライザー(MCA)
3.4.3 デジタルシグナルプロセッサ(DSP)
3.4.4 信号処理部の校正
4章 よりよいスペクトルの測り方,読み方
4.1 ピーク強度と分解能
4.1.1 分光結晶の選択(WDX)
4.1.2 コリメーター(ソーラースリット)の選択(WDX)
4.1.3 P/B 比の向上
4.2 測定時間の設定
4.2.1 定量分析時の測定時間の設定
4.2.2 定性分析時の測定時間の設定
4.3 定性分析時のステップ幅の選択
4.4 1 次フィルターの選択
4.5 X 線管と2 次ターゲット
4.6 偏光光学系
4.7 測定雰囲気
4.8 元素の定性分析
4.8.1 手動操作による定性分析(WDX)
4.9 自動定性分析
4.9.1 平滑化(スムージング)
4.9.2 バックグラウンドフィット
4.9.3 自動ピークサーチ
4.9.4 自動定性分析
4.10 定性分析の注意点
4.10.1 WDX の定性分析の注意点
4.10.2 EDX の定性分析の注意点
4.10.3 定性分析が上手くいかない場合
5章 試料調製法
5.1 蛍光X 線強度に与える試料調製の影響
5.1.1 試料の表面状態
5.1.2 分析深さと試料厚み
5.1.3 分析用高分子フィルム
5.1.4 その他
5.2 試料調製法とそのコツ
5.2.1 金属試料
5.2.2 粉体試料
5.2.3 液体試料
5.2.4 その他
6章 定量分析
6.1 検量線法による定量分析
6.1.1 検量線法とは
6.1.2 標準試料
6.1.3 蛍光X 線強度の測定条件
6.1.4 検量線の作成および定量値の評価
6.1.5 検量線の形状
6.1.6 定量分析の手順および各種強度補正
6.1.7 共存元素補正
6.1.8 内標準法
6.1.9 標準添加法
6.2 FP 法による定量分析
6.2.1 FP 法とは
6.2.2 理論強度計算の概要
6.2.3 理論強度の計算法
6.2.4 定量計算方法
6.2.5 元素感度係数とは
6.2.6 FP 法による定量分析
6.2.7 測定条件と元素感度係数の関係
6.2.8 FP 法による定量分析における注意点
6.2.9 理論強度計算を利用したシミュレーション
6.2.10 バルク試料の理論強度の計算法(詳細)
6.2.11 薄膜試料の理論強度の計算法(詳細)
6.2.12 パラメーターについて
6.2.13 理論強度計算の例題
6.3 散乱X 線を用いた定量分析
6.3.1 散乱X 線の理論強度計算
6.3.2 散乱X 線を利用した検量線法による定量分析
6.3.3 散乱X 線を利用したFP 法による定量分析
6.4 正しい定量値を得るための工夫
6.4.1 分析値の管理
6.4.2 スペクトル形状, ピークシフトおよび回折線
6.5 スクリーニング
6.5.1 RoHS 試験法における蛍光X 線分析によるスクリーニング法
6.5.2 JIS K 0119:2008 蛍光X 線分析方法通則における定義
7章 標準物質
7.1 標準物質とは
7.2 標準物質に対する国際的な取り組み
7.3 標準物質の種類とその使用目的
7.4 標準物質の調べ方と入手方法
7.5 蛍光X 線分析用標準物質
7.6 標準物質の適切な使い方
8章 全反射蛍光X 線分析法
8.1 全反射蛍光X 線分析法の概要
8.2 X 線の全反射現象
8.3 TXRF 装置の構成
8.4 試料保持基板と試料準備法
8.5 TXRF 定量分析
8.5.1 半導体ウェーハのTXRF 定量分析
8.5.2 内標準法による定量分析
8.5.3 検出限界
8.6 応用例
8.6.1 半導体ウェーハ表面汚染の微量分析
8.6.2 環境・生体試料などの微量分析
8.7 関連手法
8.8 国際標準化
8.9 おわりに
9章 X線顕微鏡
9.1 X線の微細化
9.1.1 X線集光技術
9.1.2 X線集光素子
9.1.3 キャピラリー
9.1.4 ゾーンプレート集光素子
9.2 X線顕微鏡
9.2.1 結像型X線顕微鏡
9.2.2 走査型X線顕微鏡
9.2.3 各種キャピラリーの比較
9.2.4 走査型X線顕微鏡とSEM─EDSの比較
9.2.5 走査型X線顕微鏡の機能
9.3 X 線顕微鏡を用いた分析例
9.3.1 異物分析
9.3.2 材料分析
9.3.3 故障解析
9.3.4 含水試料分析
9.3.5 埋蔵品,貴重品分析
9.4 X線顕微鏡の今後の展開
10章 SEM─EDS
10.1 SEM─EDSとは
10.2 装置の全体構成
10.3 SEMによる像観察
10.3.1 SEMの原理
10.3.2 空間分解能
10.3.3 装置の構成要素と役割
10.3.4 試料作製法
10.3.5 像観察技術
10.4 EDSによる分析
10.4.1 電子線励起による特性X線と連続X線
10.4.2 EDSとWDS
10.4.3 試料作製法
10.4.4 定性分析
10.4.5 定量分析
10.5 SEM─EDS とXRF の比較
10.5.1 試料の種類,形状
10.5.2 分析元素
10.5.3 分析領域
10.5.4 バックグラウンド
10.5.5 エネルギー分解能
10.5.6 検出限界,定量値
10.6 低真空SEM
10.7 TEMのEDS分析
10.7.1 SUS 分析に見るSEM─EDS,XRF─EDS,TEM─EDS の比較
10.7.2 定量分析
10.7.3 原子分解能元素分析
11章 めっき・薄膜の分析
11.1 薄膜分析の原理
11.1.1 膜厚と蛍光X 線強度の関係
11.1.2 膜厚測定可能範囲
11.2 薄膜の定量方法
11.2.1 励起法と吸収法
11.2.2 検量線法
11.2.3 薄膜FP法
11.3 装置の構成
11.3.1 マイクロビームX 線膜厚測定装置
11.3.2 検出器による違い
11.3.3 X 線管の種類と測定感度
11.3.4 1 次X 線フィルターの効果
11.4 測定における注意点
11.4.1 蛍光X 線分析法による膜厚の定義
11.4.2 照射面積
11.4.3 試料の位置合わせと誤差
11.4.4 試料の置き方による誤差
11.4.5 針状試料の測り方
11.5 測定時間とばらつき
11.6 めっき・薄膜の分析例
11.6.1 比例計数管による測定例
11.6.2 集光光学系とSDD を用いた測定例
12章 ハンドヘルド蛍光X 線分析計
12.1 発達過程と現在の技術
12.2 装置の主要構成要素
12.3 ハンドヘルド型の特長と役割
12.4 最新の性能・機能の活用
12.4.1 金属材料品質管理
12.4.2 金属廃材の分別
12.4.3 工業材料の品質管理用機能
12.4.4 環境関連におけるスクリーニング分析
12.4.5 産業生成物および産業生成物中有価元素のリサイクル
12.4.6 鉱 山 関 連
12.4.7 学術研究分野
12.5 ハンドヘルド蛍光X 線分析計での分析に関する注意事項
13章 放射光利用
13.1 放射光蛍光X線分析
13.2 超微量分析
13.3 放射光高エネルギー蛍光X線分析
13.4 高空間分解能化のための光学技術
13.5 放射光蛍光XAFS法による機能性材料の非破壊状態分析
13.6 腎臓内に蓄積したウランの非破壊放射光蛍光X線分析
14章 新しいアプローチと特殊応用
14.1 斜出射X線分析
14.2 ポリキャピラリーX線集光素子と微小部蛍光X線分析
14.3 共焦点型微小部蛍光X線分析
14.4 超伝導検出器
14.5 波長分析技術を用いたエネルギー分散型蛍光X線分析
14.6 SDDの最新技術
14.7 蛍光X線分析装置のキット
15章 蛍光X線分析の実際:応用事例集
15.1 高感度蛍光X線分析装置による農産物中のカドミウムとヒ素の迅速定量
15.2 微小部蛍光X線分析装置による異物の分析
15.3 卓上型EDX装置による炭素~フッ素分析
15.4 ポータブル蛍光X線装置によるコンクリート塩害の分析
15.5 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の分析
15.6 蛍光X線分析装置によるPM2.5捕集フィルター試料の成分分析
15.7 残分推定機能を用いたFP法による半定量分析
15.8 動植物試料のX線分析顕微鏡による観察・研究
15.9 電子線とX線を用いた,試料同一カ所の表面から深部の同時元素分析
15.10 高輝度X線光学素子を用いた大型絵画などの元素マッピング分析例
15.11 ゴッホ「ドービニーの庭」に隠されていた“黒猫”の発見
16章 分析結果を論文・報告書に書くときの注意事項
16.1 X線の統計変動(理論変動)
16.1.1 統計変動(理論変動)
16.1.2 バックグラウンド補正した場合の統計変動
16.1.3 対比法を用いた場合の統計変動
16.2 再現精度の評価方法
16.3 分析値の正確度の評価方法
16.3.1 検量線法
16.3.2 FP法
16.4 分析結果の表記方法
16.5 検出下限および定量下限
16.5.1 ブランク試料を実測する方法
16.5.2 検量線から理論計算する方法
16.5.3 1 点の試料を用いて理論計算する方法
16.5.4 検出下限を下げる方法
16.5.5 定量下限
16.6 トレーサビリティー
16.7 検出下限を計算してみよう
16.8 再現精度を計算してみよう
16.9 論文・報告書に用いる蛍光X 線分析の用語
17章 法令と届出
17.1 遵守しなければならない法令
17.2 装置設置にあたり必要な届出
17.3 蛍光X 線分析装置と管理区域
17.4 労働安全衛生法・施行令・規則
17.5 電離放射線障害防止規則
17.5.1 管理区域の明示等
17.5.2 放射線業務従事者の被ばく限度
17.5.3 被ばく線量の測定
17.5.4 線量の測定結果の確認,記録等
17.5.5 放射線装置室
17.5.6 警報装置等
17.5.7 立入禁止
17.5.8 緊急措置
17.5.9 X 線作業主任者の選任および職務
17.5.10 線量当量(率)の測定
17.5.11 健康診断
17.5.12 健康診断の結果の記録
17.5.13 健康診断の結果についての医師からの意見聴取
17.5.14 健康診断の結果の通知
17.5.15 放射線測定器の備付け
付録A 蛍光X 線分析に関するJIS,ISO およびIEC 規格
付録B 知っていると便利な蛍光X 線分析の関連情報
付録C 蛍光X 線分析のための数学
付録D 特性X 線と吸収端のエネルギー表
索引
コラム
1 ポータブル蛍光X 線分析装置による国宝の分析
2 姫路城いぶし瓦の耐久性
3 蛍光X 線分析による創傷部アクチニド汚染の迅速定量評価
4 放射光高エネルギー蛍光X 線分析による土砂法科学データベースの開発
5 ポータブル全反射蛍光X 線分析装置による微量元素分析
6 放射光マイクロビームX 線を用いた福島原発事故由来放射性大気粉塵の正体解明
7 SDD を用いた開放型EDX による鉱物および鋼板のオンライン分析
8 放射光蛍光XAFS 法による生体濃縮元素の非破壊状態分析