BOOK SEARCH
内容紹介
水と大気の動態を通じて気象の仕組みを理解する水文気象学の教科書。前半は基礎的な気象学を,後半は最新の研究テーマを解説し,水文気象学がどこから始まり,どこまで届いているのか一冊でわかる。
編集部から
目次
1. 地球の大気と水圏を概観する(増田耕一)
1.1 地球の大きさと形
1.2 物質の3相: 固体・液体・気体
1.3 地球のうちの大気・水圏
1.4 地球上の水はどこにどれだけあるのか
1.5 地球の大気はどこにどれだけあるか
1.6 大気中の運動の空間・時間規模
1.7 水の循環
1.8 気候
1.9 グローバルな気候とローカルな気候
1.10 気候システム
2. 気候システムのエネルギー収支(増田耕一)
2.1 エネルギーの伝達
2.2 電磁波(放射)
2.3 黒体放射のエネルギースペクトル(波長別エネルギー分布)
2.4 気候システムのエネルギー収支に関する最も単純なモデル
2.5 地球大気のもつ基本的な温室効果
2.6 温室効果気体 5)
2.7 温室効果気体濃度の変化に伴う気候の変化 5)
2.8 エーロゾルや雲とその放射に対する効果5)
3. グローバルな気候の変化(増田耕一)
3.1 気候変化の要因 1)
3.2 太陽活動が気候変化に及ぼす影響
3.3 気候システムの中のいろいろなフィードバック1)
3.4 気候システムの過渡応答,海洋による遅れ
4. 大気と海洋の大循環(増田耕一)
4.1 放射収支の緯度・季節分布1)
4.2 大気の大循環と気候帯 2)
4.3 水収支の南北分布と大気の大循環との関係
4.4 温帯低気圧と熱帯低気圧
4.5 海洋の大循環 7)
5. 地表面のエネルギー収支と海陸分布がもたらす気候の特徴(増田耕一)
5.1 地表面のエネルギー収支の重要性
5.2 地表面のエネルギー収支の考え方
5.3 地表面エネルギー収支各項とそれに関連する気象変数
5.4 陸と海の地表面のエネルギー収支の季節変化
5.5 気候に及ぼす海陸分布と山岳の効果
5.6 モンスーン
6. 日本の天気(増田耕一)
6.1 対象地域についてのおことわり
6.2 春と秋の天気
6.3 冬の天気
6.4 夏の天気
6.5 梅雨 (および秋雨)
6.6 台風
7. 流域水収支の事例(松山 洋)
7.1 流域水収支と大気-流域結合系の水収支式
7.2 流域貯留量の季節変化
7.3 アマゾン川の流域水収支
8. 植生の分布を制約する気候条件(増田耕一)
8.1 植生型や純一次生産量を制約する気候要因を考える
8.2 蒸発量とそのエネルギー要因・水分要因
8.3 植物の生育可能な期間の温度
8.4 冬の寒さ
8.5 光や二酸化炭素の役割
9. 大気や水の循環に果たす植生の役割(長谷川宏一)
9.1 植生が大気と交換している物質
9.2 植生-大気間における物質の交換量を広域に推定するために
9.3 気候変動と植生
10. 人工衛星による地球環境と降水量の把握(瓜田真司)
10.1 人工衛星による地球環境観測
10.2 人工衛星搭載センサによる降水量把握
10.3 人工衛星搭載降水観測レーダによる地球の降水分布の様子
11. 気象の数値シミュレーション渡邊貴典)
11.1 気象シミュレーションとは?
11.2 気象モデルの仕組み
11.3 気象シミュレーションを用いた解析
12. 気象のデータ同化と再解析(宮岡健吾)
12.1 データ同化とは?
12.2 最小分散推定と最尤推定について
12.3 再解析データとは―JRA-55について―
13. 豪雨に伴う土砂災害(齋藤 仁)
13.1 斜面崩壊の発生と土砂災害
13.2 雨量指標を用いた斜面崩壊の発生予測
13.3 日本における斜面崩壊と平均雨量強度―降雨継続時間との関係
13.4 降雨と斜面崩壊の頻度と規模との関係
14. 洪水氾濫の解析とモデリング (根元裕樹)
14.1 洪水氾濫の解析とモデリングの方法
14.2 備中高松城水攻めを題材とした洪水氾濫の解析の事例
14.3 流出解析
14.4 氾濫解析