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内容紹介
自然災害の頻発化・激甚化が予測される時代を迎え,本書は,自然科学および社会科学の最新の研究をベースにし,「災害や環境変化に強い地域社会」の構築に向けた基本的な知見・知識を提供する。いわば災害に強い社会をつくるための入門書。
編集部から
目次
序章 災害に強い地域づくりとは何だろう?
第1部 知る|想像を超える自然災害のすがた
第1章 なぜ災害が激甚化しているのだろう?
1.1 近年の気象災害の特徴
1.2 豪雨をもたらす線状降水帯
1.3 温暖化で豪雪が増える?
1.4 気候変動(温暖化)で変わる?気象災害
1.5 まとめ
第2章 人は水害を克服できるか?
2.1 多雨かつ急峻な地形における我が国の河川とは?
2.2 洪水になるとどこでどんなことが起きるのか?
2.3 これまでどのように河川を治めようとしてきたか
2.4 人は水害を克服できるか?
2.5 誰がどのようにこれからの治水を担うべき?
第2部 備える|自然災害が起こる前に
第3章 心地よい河川空間を実現する市民参加の川づくりとは?
3.1 川とはどのようなものか?
3.2 災害に強い川を目指しすぎた川のすがたは?
3.3 治水と河川環境整備・保全の両立を目指す多自然川づくり
3.4 市民参加の川づくりとは?
3.5 人口減少社会における地方小河川の河川管理の実態
3.6 上下流交流を通じた流域治水の合意形成
第4章 地域力を高めるブランディングとは?
4.1 地域力を考える
4.2 地域空間をブランディングする
4.3 センス・オブ・プレイスのインパクト
4.4 センス・オブ・プレイスの探索
4.5 センス・オブ・プレイスと自然災害
4.6 センス・オブ・プレイスの共有
4.7 プレイス・ブランディングと災害に強い地域づくりの橋渡し
第5章 地域伝承がなぜ防災につながるのだろう?
5.1 岡山県倉敷市真備町における「みつち」の伝承
5.2 大蛇伝説に見る水管理
5.3 何かを語ることによるリスクマネジメント
5.4 地域の物語を紡ぐ防災活動
5.5 「地域空間の物語性」を踏まえた地域防災活動に向けて
第6章 災害に強いコミュニティを育てるためには?
6.1 備えることをためらうとき
6.2 まち歩きから始まった地域の読み解きと備えるための取組み
6.3 多角的に展開する安全安心まちづくり
6.4 備えるために何が必要か
6.5 想定外に備える気候変動時代の到来
第3部 乗り越える|被災してしまったら
第7章 災害を乗り越えるための地域デザインとは?
7.1 みんなが関われるデザインとは
7.2 地域と住民をつなぐデザインの考え方
7.3 健康社会に向けたコンテクストの共有
7.4 GNHから捉える健康社会デザイン
7.5 持続可能な社会づくりとラポールの形成
7.6 災害時における許容とエンゲージメント
第8章 被災後の生活再建を助ける法律とは?
8.1 生活再建フェーズの新しい防災教育
8.2 被災地のリーガル・ニーズを把握する
8.3 災害後に私たちを助けてくれる法律
8.4 被災者支援の切り札「災害ケースマネジメント」
8.5 人間の復興が組織や地域の強靱化につながる
8.6 知識の備えがソーシャル・ウェルビーイングを助ける
8.7 被災したあなたを助けるお金とくらしの話の防災教育プログラム
8.8 災害復興法学のすすめ
終章 経験がない災害に立ち向かうには?
1 感覚を開く
2 防災と地域づくりのESG
3 被災後のウェルビーイング
あとがき
索引
執筆者紹介
本田明治 新潟大学自然科学系地球・生物科学系列
長尾雅信 新潟大学人文社会科学系
安田浩保 新潟大学災害復興科学研究所
坂本貴啓 金沢大学人間社会研究域
髙田知紀 兵庫県立大学自然・環境科学研究所
豊田光世 新潟大学佐渡自然共生科学センター
村山敏夫 新潟大学人文社会科学系
岡本 正 銀座パートナーズ法律事務所