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食で読み解くヨーロッパ ―地理研究の現場から―
加賀美 雅弘(著)
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内容紹介
ヨーロッパの食文化から,地域性・自然環境・農業・都市・観光・工業・エスニック集団・グローバル化など諸現象を掘り下げ,その地誌を紐解く。写真・地図を多用。〔内容〕ムギと油脂/ジャガイモ/砂糖/ビール/トウモロコシ/コーヒー/他
編集部から
美味しくて地理がわかる!
グルメ大国ニッポンでは当たり前のように目にし味わうことのできるヨーロッパの御馳走の数々.しかし,ただ味わうだけではもったいない.そこには確かなヨーロッパの地理・地誌が刻み込まれている.たとえばヨーロッパの食は油脂によって3分類できるが,何かおわかりだろうか.オリーブオイル・バター・ラードの3つである.この違いは一体何から生まれてくるのか――.本場の食を楽しむとき,ぜひ本書の内容を思い出してほしい.味わいがぐっと深くなること請け合いである.著者・加賀美氏の軽快で絶妙な解説のもと,ヨーロッパの食をめぐる旅に出かけよう.
【推薦の言葉】
石原良純氏(俳優・気象予報士,NHK高校講座「地理」出演)よりご推薦いただきました.
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名物料理を食べれば,その国の今も昔も,未来の姿まで見えてくる.
初めて旅したヨーロッパ.イギリスは紅茶の国と僕は子供ながらに納得した.三食付きのツアー旅行はイタリアではスパゲティ,フランスではジャガイモ,ドイツではソーセージばかり食べた記憶がある.なるほど,その料理がその土地で主役になるのには,それだけの背景があったのだ.ヨーロッパの食に通じれば,ヨーロッパの歴史や地理を知れる.でも,本書は料理本ではありません.
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【本書カバー袖より】
多くのご馳走があり,おいしい料理を求める人でにぎわうヨーロッパ
ヨーロッパとはどのような特徴をもった地域なのか
一方で食は伝統を維持しながらも,時代とともに変化し発展してきた
世界と多彩なつながりを経てきたという特有の背景を踏まえ
ヨーロッパを彩るさまざまな食を思い浮かべながら
個々の食からヨーロッパという地域を見てまわろう
【エピローグより】
ヨーロッパは食にまつわる話題の宝庫である.
食を味わいながらヨーロッパ各地に思いを巡らせるという,
この尽きることのない楽しみを,
皆さんにもぜひ体験していただきたい.
目次
プロローグ
第1章 ヨーロッパの地域性を食卓で読み解く
1.1 文化的な現象としての食
1.2 社会的な現象としての食
1.3 地域的に個性あるヨーロッパの食
1.4 ヨーロッパ特有の食の展開
第2章 自然と農業をムギと油脂で読み解く
2.1 ヨーロッパの自然・農業・食
2.2 地中海地方のムギと油脂
2.3 ヨーロッパ北半部のムギと油脂
2.4 北西ヨーロッパで人気を得たバター
第3章 農村の変化をジャガイモで読み解く
3.1 不均等な農村
3.2 ジャガイモで強くなったプロセイン
3.3 ジャガイモ飢饉が示す不平等
3.4 格差が進むヨーロッパの農村
第4章 都市の景観を砂糖で読み解く
4.1 美しいヨーロッパの大都市
4.2 富裕市民層がつくった市街地
4.3 ステータス感を満足させる砂糖
4.4 スイーツが醸し出す都市の風情
第5章 観光地の発展をミネラルウォーターで読み解く
5.1 保養地に起源をもつ観光地
5.2 豊かな暮らしのための飲料水
5.3 健康のための飲料水
5.4 ヘルスツーリズムと観光地
第6章 工業化をビールで読み解く
6.1 工業化のなかの食品
6.2 農産加工品としてのビール
6.3 工業製品としてのビール
6.4 世界に広まるビール製造
第7章 多文化社会をエスニック料理で読み解く
7.1 急増する外国人
7.2 多様なエスニック料理店
7.3 ふくらむエスニック市場
7.4 二極化が進むエスニック社会
第8章 地域の個性化をトウモロコシで読み解く
8.1 地域の個性が目立つヨーロッパ
8.2 トウモロコシとポレンタ
8.3 人々に共有される料理
8.4 維持・強調される地域性
第9章 グローバル化をコーヒーで読み解く
9.1 生活文化の均一化が進むヨーロッパ
9.2 コーヒー消費の普及とヨーロッパ社会
9.3 カフェの発達と市民社会
9.4 ファストフードにみるグローバル化
第10章 ヨーロッパを食で読み解く
10.1 ヨーロッパ統合の背景
10.2 ヨーロッパ共通の食習慣
10.3 体験するヨーロッパの共通性
10.4 ヨーロッパをとらえる
エピローグ
文献
索引