植物の分布と環境適応 ―熱帯から極地・砂漠へ―

酒井 昭(著)

酒井 昭(著)

定価 6,050 円(本体 5,500 円+税)

B5判/160ページ
刊行日:1995年10月25日
ISBN:978-4-254-17094-8 C3045

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内容紹介

熱帯・極地・高地・乾燥地など異なる環境下の植物がいかにしてその環境に適応しているのか,その戦略を植物生態・生理学的に述べ,植物の多様性と生きざまを探る。〔内容〕総論/低資源高ストレス環境下の植物/木本植物/氷点下温度の植物

編集部から

目次

1. 総 論
 1.1 地質時代の気候の変遷と植物の適応進化
  1.1.1 乾燥気候に適応して成立した種子植物
  1.1.2 第三紀における気候の変動と植物群の分布域の変遷
  1.1.3 日長による休眠の誘導と耐寒性の増大
  1.1.4 氷期における温度変動と植生の変遷
  1.1.5 最終氷期寒冷期の日本の気候と植生
  1.1.6 後氷期における日本の気候の変動と植生変化
 1.2 地質時代における植物の移動通路
 1.3 熱帯から極地や砂漠への植物の分布拡大
  1.3.1 熱帯多雨林の特性
  1.3.2 熱帯から極地や砂漠へ向かっての自然環境と森林の推移
  1.3.3 草本植物の熱帯から極地や砂漠への分布拡大
  1.3.4 熱帯植物の冷温傷害
  1.3.5 異なる環境に生育する植物の光合成の適温
  1.3.6 地球上の温度地帯区分
  1.3.7 植物体の温度
2. 低資源高ストレス環境下の植物の生存適応
 2.1 北極圏の植物の分布と適応
  2.1.1 北極圏のツンドラ地帯
  2.1.2 ツンドラ植物とその分布域
  2.1.3 北極圏の生育環境と植物の生活
  2.1.4 高緯度北極圏における極限状態の生活
  2.1.5 極地植物の季節性の適応
  2.1.6 周極植物群の起源
 2.2 南極の植物
  2.2.1 南極の自然環境
  2.2.2 南極の植生の変化
  2.2.3 南極における藻類のハビタート
  2.2.4 南極の蘚苔類
  2.2.5 南極の地衣
 2.3 高山植物の環境適応
  2.3.1 森林限界から高山地帯への移行
  2.3.2 大雪山高地の気象条件
  2.3.3 ハイマツの分布と特性
  2.3.4 大雪山の高山植物の特徴
  2.3.5 高山植物や極地植物の環境適応と特性
 2.4 熱帯の高山帯の植物の環境適応
  2.4.1 熱帯高山帯の気候的特徴
  2.4.2 ジャイアントロゼット植物の環境適応
  2.4.3 熱帯高地の地表植物の耐寒戦略
 2.5 砂漠に生きる植物
  2.5.1 乾燥地帯と乾燥植生
  2.5.2 水分可変型と水分恒常型植物
  2.5.3 乾燥地に生きる高等植物の適応戦略
  2.5.4 一年生砂漠植物の種子発芽特性
  2.5.5 乾生植物の生存適応戦略
  2.5.6 地中海性気候地域の植生と作物の特徴
3. 木本植物の分布と環境適応
 3.1 北半球の広葉樹の特性と分布
  3.1.1 森林限界およびその生育形は何できまるか
  3.1.2 森林帯と年間の温度較差
  3.1.3 暖帯常緑広葉樹
  3.1.4 暖帯常緑広葉樹と温帯落葉広葉樹の対比
  3.1.5 落葉広葉樹の特性と分布
 3.2 南半球の木本植物とその環境適応
  3.2.1 南半球の植生と気候環境の特徴
  3.2.2 オーストラリアの植生の特徴
  3.2.3 南半球の植物の寒冷適応
 3.3 針葉樹の分布と寒冷適応
  3.3.1 針葉樹類の分布
  3.3.2 亜寒帯針葉樹の特性と生産量
  3.3.3 マツ科針葉樹の寒冷気候に対する適応
  3.3.4 マツ属の熱帯分布と分布制限
  3.3.5 南半球温帯地域へのマツの大量移植
 3.4 アラスカ・カナダの永久凍土地帯の森林
  3.4.1 アラスカの自然環境と森林
  3.4.2 カナダのタイガ
 3.5 東シベリアの氷久凍土地帯の森林
  3.5.1 東シベリアの気候的特徴
  3.5.2 東シベリアの森林
  3.5.3 東シベリアにおける氷期の植生とダフリカカラマツの進出
  3.5.4 永久凍土地帯における熱による地盤沈下
 3.6 木本植物の低温馴化と季節適応
  3.6.1 温帯落葉広葉樹の低温馴化
  3.6.2 高緯度植物の季節適応と特殊化
  3.6.3 常緑広葉樹の休眠特性と分布域
  3.6.4 温帯植物の自然分布南限を支配する要因
4. 植物の氷点下の温度に対する生存適応戦略
 4.1 水溶液の凍結とガラス状態
  4.1.1 水溶液の凍結
  4.1.2 ガラス状態
  4.1.3 生体中に含まれる水の性状
  4.1.4 乾燥耐性とガラス
 4.2 低温馴化に伴う物質の変動
  4.2.1 成長期と休止期における代謝系の転換
  4.2.2 細胞の微細構造の変化
  4.2.3 物質の変動
  4.2.4 低温馴化に関する最近の分子生物学的研究
 4.3 細胞の凍結傷害
  4.3.1 浸透脱水―吸水に伴う傷害と耐性
  4.3.2 凍結および浸透脱水による細胞膜の微細構造変化
  4.3.3 凍害回避の機構
 4.4 細胞,組織,器官レベルでの生存戦略
  4.4.1 植物の凍結耐性(耐凍性)
  4.4.2 植物の過冷却
  4.4.3 器官外凍結
  4.4.4 極度に耐凍性が高い細胞・組織のガラス化
  4.4.5 細胞,組織,器官の低温生存戦略の比較
 4.5 個体・種レベルの越冬戦略
  4.5.1 低温緩和・排除・回避の戦略
  4.5.2 越冬性の種内変異
  4.5.3 年間温度較差と耐凍性
  4.5.4 耐凍性の残存保持
  4.5.5 耐寒性の進化
 4.6 北海道における作物の越冬と高越冬性コムギの育種事業
  4.6.1 十勝地方における作物の越冬
  4.6.2 北見地方における越冬性の高いコムギの育種
  4.6.3 コムギの耐凍性の遺伝
5. 追記:ヤナギ属植物の汎地球的広域分布と特性
6. 引用文献
7. 事項索引
8. 植物名索引

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