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内容紹介
日本列島における現在までの植生史研究の集大成。第1部で植生史研究の基礎と概説を行ったのち,第2部で日本各地の植生史を地域別に詳述,第3部では樹種別の植生の変遷を述べた。巻末には植生史の関連文献を集大成し今後の便を図った。
編集部から
目次
1. 植生史研究の基礎
1.1 日本列島の植生史研究
1.1.1 花粉分析の誕生
1.1.2 花粉分析の伝来(1928~1931)
1.1.3 昭和前期(1932~1945)
1.1.4 昭和後期(1946~1988)
1.1.5 平成期(1989~)
1.1.6 刊行物
1.2 日本列島の誕生と植生の形成
1.2.1 列島形成以前の植生
1.2.2 列島形成期の植生
1.2.3 氷河時代の植生
1.3 日本列島の火山灰層序とその年代
1.3.1 火山灰層序とその役割
1.3.2 火山灰による年代決定のための条件
1.3.3 炭素14年代測定法の現状
1.3.4 炭素14年代と暦年代
1.3.5 広域対比と年代(植生史のための後期更新世以降の日本各地の年代スケール)
2. 日本列島各地の植生史
2.1 北海道の植生史(1)――北北海道
2.1.1 北北海道の自然
2.1.2 ナウマンゾウがいた時代(約12万年前)
2.1.3 グイマツの出現(約12万~10万年前)
2.1.4 亜寒帯性針葉樹林と森林ツンドラの分布(約3.5万~1万年前)
2.1.5 完新世の植生
2.1 北海道の植生史(2)――南北海道
2.1.6 南北海道の自然
2.1.7 南北海道の植生変遷
2.1.8 ブナとトウヒ属
2.2 東北地方の植生史
2.2.1 東北地方の現植生
2.2.2 最終間氷期以降の森林植生の変遷
2.2.3 宮城県内における後氷期の森林植生の変遷
2.3 関東地方の植生史
2.3.1 過去15万年間の植生史
2.3.2 植生史に認められる背景
2.4 中部・東海地方の植生史
2.4.1 中部・東海地方の自然環境
2.4.2 中部・東海地方の植生変遷
2.4.3 中部・東海地方における洛陽広葉樹林の成立と変遷
2.5 北陸地方の植生史――三方低地を中心として
2.5.1 今までの研究の概要
2.5.2 最終間氷期以降の花粉帯の確立
2.5.3 高精度分解能の古気候と植生史の復元
2.5.4 人類史と植生史の対応
2.6 近畿地方の植生史
2.6.1 近畿地方の自然環境
2.6.2 花粉分析資料の比較方法
2.6.3 最終氷期以降の植生変遷
2.6.4 まとめ
2.7 中国・四国地方の植生史
2.7.1 中国・四国地方の自然環境
2.7.2 初期の研究史
2.7.3 日本海側
2.7.4 中国山地
2.7.5 瀬戸内海側
2.7.6 四国山地
2.7.7 太平洋側
2.8 九州地方の植生史
2.8.1 更新世(最終間氷期~晩氷期)の植生変遷
2.8.2 完新世(後氷期)の植生変遷
2.9 南西諸島の植生史
2.9.1 南西諸島の成り立ち
2.9.2 古植生からみた鮮新世末期~更新世前期の環境変動
2.9.3 照葉樹林の起源
2.9.4 更新世中期~末期(間氷期)の植生
2.9.5 更新世末期(最終氷期)の植生
2.9.6 完新世の植生
3. 日本列島植生史
3.1 亜高山帯針葉樹林の変遷
3.1.1 日本の亜高山帯植生
3.1.2 山岳地の花粉分析の問題点
3.1.3 亜高山帯の植生変遷史
3.1.4 偽高山帯の成因
3.2 ブナ林の変遷
3.2.1 花粉分析法にみるその概要
3.2.2 ブナ林の変遷
3.3 スギ林の変遷
3.3.1 最終氷期以降におけるスギの変遷
3.3.2 各地のスギ林の変遷
3.4 最終氷期最盛期以降の照葉樹林の変遷――東シナ海東部から日本海沿岸を中心として
3.4.1 現在の照葉樹林の成立環境
3.4.2 花粉分析学的手法で確認できる照葉樹林
3.4.3 日本列島の東シナ海沿岸から日本海沿岸における照葉樹林の発達過程
3.4.4 東シナ海東部から日本海西部沿岸における最終氷期最盛期以降の照葉樹林の発達過程
3.4.5 太平洋側と東シナ海から日本海側の照葉樹林の発達過程の相違
4. 付録 文献目録
5. 索引
執筆者紹介
【編集者】三好教夫,安田喜憲
【執筆者】岩内明子,内山 隆,北川浩之,黒田登美雄,高原 光,竹内貞子,竹村恵二,崔 基龍,野井英明,畑中健一,日比野紘一郎,星野フサ,松岡數充,三好教夫,守田益宗,安田喜憲,山田悟郎,山野井 徹