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細胞核の分子生物学 ―クロマチン・染色体・核構造―
水野 重樹(編)
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内容紹介
現在世界的に急速に進展しているクロマチン,染色体,核構造をめぐる研究の成果をわかりやすく解説。〔内容〕クロマチンの構造とヒストンの修飾/クロマチンレベルの転写制御機構/DNA複製の機構/核と細胞質間の分子流通機構/他
編集部から
近年の実験技術の発展により,生きた細胞内での分子動態の1分子解析や分子間結合の可視化も可能となってきました.こうした状況を受けて,細胞核の研究はますます盛んになってきています.
本書は,編者の水野重樹先生が,主にこれから研究を始めようとする,また始めたばかりの学生を対象として企画されたものであり,この分野に挑戦する若い研究者が増えることを念願し,国際的に活躍する第一線の研究者の先生方にご執筆をお願いして実現したものです.
この分野の現状,これからの発展などについては,本書の一部の執筆者の先生方もご参加されている,『特定領域研究「細胞核ダイナミクス」』のホームページに詳しく説明がされています(ホームページ内で,本書をご紹介いただいています).
http://www.nuclear-dynamics.jp/
目次
1. クロマチンの構造とヒストンの修飾
1.1 クロマチンの基本単位,ヌクレオソームの構造と形成
1.2 クロマチンファイバーの多様性
1.3 ヒストンの修飾とクロマチンの動態制御
2. クロマチンレベルの転写制御機構
2.1 核内に形成されるクロマチン機能構造
2.2 クロマチン構造変換に関与する酵素群
2.3 複合体サブユニットによるクロマチン構造変換の制御
2.4 クロマチン酵素複合体間のクロストーク
2.5 酵素活性をもたない核タンパク質によるクロマチン機能構造の構築
2.6 クロマチン構造変換と細胞・個体の機能
3. DNA複製の機構
3.1 DNA複製の開始とクロマチン構造
3・2 複製フォークの機能とクロマチンとの関係
3.3 複製に依存したクロマチン形成
3.4 核構造とDNA複製
4. 染色体の構築と分配
4.1 クロマチンから染色体へ
4.2 キネトコアの構造と機能
4.3 染色体分配の制御機構
4.4 体細胞分裂と滅数分裂
5. 核内構造と動態
5.1 染色体テリトリーと遺伝子の核内配置
5.2 核骨格
5.3 核内構造体(核ドメイン)
5.4 細胞核の動態
6. 核と細胞質間の分子流通メカニズム
6.1 核膜孔複合体
6.2 核―細胞間輸送を担う因子と輸送経路
6.3 細胞分裂期における核―細胞質間輸送因子の役割
6.4 細胞機能制御と核―細胞間輸送装置
7. ゲノム研究の成果を基盤とした核研究の進展
7.1 ゲノム解析の成果
7.2 遺伝子機能の探究
7.3 クロマチンタンパク質結合領城のゲノムワイドなマッピング
7.4 DNAメチル化特異的マイクロアレイ
7.5 DNA複製を迫う
7.6 クロマチンダイナミクス
索 引
執筆者紹介
【編集者】水野重樹
【執筆者(執筆順)】須賀則之,原田昌彦,利賀 祥,堀 哲也,斉藤典子,青戸隆博,中尾光善,今本尚子,島田健士