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内容紹介
野生鳥類の調査・研究に必要な知識をコンパクトに網羅。学生・研究者・愛好家のみならず、鳥類の調査に関わる環境評価の実務家にも必須の一冊。〔内容〕個体群調査法/繁殖生態調査法/群集・生態系調査法/形態調査法/絶滅危惧種保全および個体群管理手法/環境影響評価調査法
編集部から
目次
第1章 個体群調査法〔植田睦之・森本 元〕
1.1 個体群調査の目的
1.2 個体数調査
1.2.1 ラインセンサス
1.2.2 スポットセンサス
1.2.3 定点センサス
1.2.4 ドローン等を使った上空からの調査
1.3 営巣数調査
1.3.1 テリトリーマッピング
1.3.2 コロニーセンサス
1.4 インデックス調査
1.4.1 分布調査
1.4.2 レーダー調査
1.4.3 鳴き声の定点録音
1.5 捕獲調査
1.5.1 捕獲方法
1.5.2 保定と組織採取
1.6 標識方法・ラジオタグの装着とその影響
1.6.1 標識
1.6.2 バイオロギング機器
1.7 捕獲許可
1.7.1 捕獲用具
1.7.2 申請者と捕獲者・作業従事者
1.7.3 種や場所に関する法律
1.7.4 機器に関する法律
1.7.5 動物倫理
第2章 繁殖生態調査法〔髙木昌興・澤田 明・富田直樹〕
2.1 調査開始準備
2.1.1 情報収集と予備考察
2.1.2 繁殖調査上の実際
2.1.3 繁殖調査の一般的注意事項
2.1.4 一次データの保存の重要性
2.2 繁殖成績
2.2.1 卵の計測・雛の計測
2.2.2 繁殖の失敗
2.3 性・年齢、ボディコンディション
2.3.1 繁殖行動や繁殖成績に影響する主要因
2.3.2 性判定法
2.3.3 齢判定法
2.3.4 ボディコンディション判定法
2.4 成鳥生存率の計算方法
2.4.1 生存率とは
2.4.2 生存率の統計的定式化
2.4.3 生存時間分析
2.4.4 標識再捕獲法
2.4.5 解析ツール
2.5 巣箱
2.5.1 巣箱利用
2.5.2 巣箱のタイプ
2.5.3 利用上の注意点
2.6 行動調査法
2.6.1 行動観察の準備と観察方法
2.6.2 繁殖期の行動
2.6.3 行動の記録方法と解析方法
2.7 音声の録音と解析
2.7.1 具体的な録音手法
2.7.2 解析方法
2.7.3 鳴き声による個体群動体の推定
コラム2.1 Scaled mass index〔澤田 明〕
第3章 群集・生態系調査法〔先崎理之・安藤温子・松井 晋〕
3.1 群集・生態系レベルでの調査の必要性
3.1.1 群集研究の目的と社会的意義
3.1.2 鳥類群集を扱う利点
3.1.3 本章の内容
3.2 鳥類群集調査法
3.2.1 時空間スケール
3.2.2 群集の捉え方
3.3 ハビタットの記載と質の評価
3.3.1 ハビタットの記載方法
3.3.2 実測による記載
3.3.3 リモートセンシング・GISによる記載
3.3.4 ハビタットの質の指標
3.3.5 ハビタットの利用評価
3.4 食性調査法・採食量調査法
3.4.1 食性調査の概要
3.4.2 胃内容物による食性調査方法
3.4.3 糞による食性調査方法
3.4.4 直接観察、カメラを用いた食性調査方法
3.4.5 巣の上の食物残滓を用いた食性調査法
3.5 寄生虫調査法
3.5.1 寄生虫調査の概要
3.5.2 外部寄生虫のタイプと採取・保存方法
3.5.3 内部寄生虫のタイプと検査方法
3.5.4 寄生者に対する防御コストの測定
第4章 形態調査法〔小田谷嘉弥・岩見恭子・青木大輔・森本 元〕
4.1 形態研究の目的
4.2 形態調査の意義
4.2.1 分類と同定
4.2.2 形態と進化
4.2.3 形態研究と種の保全
4.3 鳥類の形態と測定
4.3.1 鳥類の形態と部位の名称
4.3.2 生体の形態調査と測定法
4.3.3 標本の形態調査と測定法
4.3.4 鳥類の色彩の記録と定量化
4.3.5 統計解析における形態測定値
4.4 換羽とその記録
4.4.1 換羽とは
4.4.2 鳥類の換羽様式
4.4.3 換羽の記録方法
4.4.4 羽毛からわかること
4.5 形態からの種、性および年齢の同定
4.5.1 種・亜種の同定
コラム4.1 換羽の用語—2つのシステム—
4.5.2 性別の判定
4.5.3 年齢の判定
4.6 解剖と標本製作
4.6.1 鳥類の内部構造(骨格・筋肉・内臓)とその解剖手法
4.6.2 仮剥製作成法
4.7 死体の活用法
4.7.1 死体を拾ったらどうするか?
4.7.2 博物館への収蔵・標本の利用法
第5章 絶滅危惧種保全および個体群管理手法〔早矢仕有子・山口恭弘・須藤明子〕
5.1 保護・防除・管理はなぜ必要なのか
5.2 保全対象種選定基準
5.2.1 レッドリスト
5.2.2 種の保存法
5.2.3 天然記念物
5.2.4 保護増殖事業
5.3 絶滅危惧種保全の進め方
5.3.1 生息地保全
5.3.2 保全阻害要因と対策
5.4 積極的個体操作
5.4.1 移殖
5.4.2 再導入
5.5 鳥害防除・対策評価手法
5.5.1 鳥による人間生活への被害
5.5.2 防除・対策の必要性
5.5.3 科学的根拠の重要性
5.5.4 防除・対策の考え方と評価法
5.6 個体数管理の論理と実践
5.6.1 個体数管理の考え方
5.6.2 個体数管理に関連する法律
5.6.3 個体数管理の実際
第6章 環境影響評価調査法〔河口洋一・風間健太郎〕
6.1 環境影響評価の概要
6.1.1 環境影響評価の歴史と対象
6.1.2 アセスにおける指標種、重要種、保全上重要な区域
6.2 環境影響評価のための分布と行動調査手法
6.2.1 観察区、時間、手法、機器による追跡
6.2.2 分布・行動調査の課題
6.3 環境影響評価におけるリスク評価手法
6.3.1 リスクとは何か?
6.3.2 様々なリスク評価手法
6.3.3 リスク評価の課題
6.4 戦略的環境アセスメントと感受性マップ
6.4.1 戦略的環境アセスメントとは
6.4.2 感受性マップ
6.4.3 感受性マップの活用と課題
コラム6.1 海ワシの風力発電感受性マップ作成事例〔藪原佑樹〕
コラム6.2 海ワシを対象とした風力発電の累積的影響評価とPVA研究事例〔藪原佑樹〕
事項索引
学名索引
執筆者紹介
■編集者
綿貫 豊 北海道大学大学院水産科学研究院
髙木昌興 北海道大学大学院理学研究院
■執筆者
植田睦之* NPO 法人バードリサーチ
森本 元 公益財団法人山階鳥類研究所
髙木昌興* 北海道大学大学院理学研究院
澤田 明 国立環境研究所
富田直樹 公益財団法人山階鳥類研究所
先崎理之* 北海道大学大学院地球環境科学研究院
安藤温子 国立環境研究所
松井 晋 東海大学生物学部
小田谷嘉弥* 千葉県立中央博物館
岩見恭子 公益財団法人山階鳥類研究所
青木大輔 森林総合研究所
早矢仕有子* 北海学園大学工学部
山口恭弘 農業・食品産業技術総合研究機構
須藤明子 株式会社イーグレット・オフィス
河口洋一* 徳島大学大学院社会産業理工学研究部
風間健太郎 早稲田大学人間科学学術院
藪原佑樹 前 徳島大学社会産業理工学研究部
(執筆順,*は各章の筆頭執筆者)