図説 歯からみた生物の進化

後藤 仁敏(著)

後藤 仁敏(著)

定価 6,380 円(本体 5,800 円+税)

B5判/244ページ
刊行日:2024年10月01日
ISBN:978-4-254-17190-7 C3045

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内容紹介

進化の研究において重要な試料である歯を切り口に,生物の進化の歴史をオールカラーでビジュアルに解説.〔内容〕1.歯の起源/2.サメ類の歯/3.サカナの歯/4.両生類から爬虫類へ/5.爬虫類から哺乳類へ/6.食虫類の歯から霊長類の歯へ/7.人類の歯の進化と退化/8.人類の歯の未来

編集部から

目次

1 歯の起源――歯はサメのウロコから由来した
 1.1 歯とは何か?
  1.1.1 歯の字の由来
  1.1.2 歯に似た器官
  1.1.3 歯の定義
 1.2 歯の進化の研究方法
 1.3 歯の起源
  1.3.1 発生学的アプローチ
  1.3.2 比較解剖学的・比較発生学的アプローチ
  1.3.3 古生物学的アプローチ
 1.4 歯の進化:サメの歯からヒトの歯まで
  コラム1 生命形態学を探求した三木成夫氏
  コラム2 脊椎動物の起源
  コラム3 歯はなぜ硬いか?
2 サメ類の歯――“ジョーズ” の歯の原始性と特殊性
 2.1 魚類の進化と分類
  2.1.1 魚類の初期進化と板皮類と棘魚類
  2.1.2 軟骨魚類の進化と分類
 2.2 サメ類の歯の形態・発生・構造
  2.2.1 板鰓類の歯の特徴
 2.3 クラドドゥス段階の歯
 2.4 ヒボドゥス段階の歯
 2.5 現代型段階の歯
 2.6 正軟骨頭類と全頭類の歯
  2.6.1 正軟骨頭類の歯
  2.6.2 全頭類の歯
  コラム1 歯はなぜ生え変わるか?
  コラム2 歯の反逆児:サメの歯の中間歯とヒトの歯の上顎第一小臼歯
  コラム3 オオハザメの顎と歯の復元
  コラム4 「サメの歯化石研究会」と「サメは歯だ」の歌
3 サカナ(硬骨魚類)の歯――歯の多様性の実験台
 3.1 魚類の時代:デボン紀
 3.2 軟骨魚類から硬骨魚類へ:線維結合から骨結合へ
 3.3 多様な硬骨魚類の歯
  3.3.1 硬骨魚類の歯の種類と形態
  3.3.2 硬骨魚類の歯の構造と交換様式
 3.4 条鰭類の進化:顎の前突と骨化の進行
  3.4.1 条鰭類と肉鰭類
  3.4.2 古生代の軟質類
  3.4.3 中生代の全骨類
  3.4.4 白亜紀以降の真骨類
 3.5 肉鰭類の進化:エナメロイドからエナメル質へ
  3.5.1 総鰭類と肺魚類
  3.5.2 総鰭類の扇鰭類:陸を目指したサカナ
  3.5.3 総鰭類の管椎類:海に返ったサカナ
  3.5.4 肺魚類:肺呼吸への適応
  3.5.5 エナメロイドとエナメル質の違い
  コラム1 軟骨が先か,骨が先か?
  コラム2 脊椎動物の分岐的進化:海から陸へ,陸から海へ
4 両生類の歯から爬虫類の歯へ――歯の上陸史
 4.1 両生類から爬虫類へ:水中卵から陸上卵へ
  4.1.1 最古の両生類:迷歯類
  4.1.2 両生類の進化:迷歯類,空椎類,平滑両生類
  4.1.3 両生類から爬虫類への進化:卵の進化
  4.1.4 初期の爬虫類:杯竜類
 4.2 両生類と爬虫類の歯
  4.2.1 両生類の歯
  4.2.2 爬虫類の歯
 4.3 爬虫類の適応放散:虫食から肉食,草食へ
  4.3.1 爬虫類の分類と進化
  4.3.2 無弓類:カメ類
  4.3.3 双弓類の鱗竜類:トカゲ類とヘビ類
  4.3.4 双弓類の主竜類:ワニ類,翼竜類,恐竜類
  4.3.5 広弓類:偽竜類,長頸竜類,板歯類,魚竜類
  4.3.6 単弓類:盤竜類と獣弓類
 4.4 恐竜から鳥類へ:歯の喪失
  コラム1 NHK 番組への取材協力
  コラム2 「もう一つのジュラシックパ―ク」と「トライアシックパ―ク」
5 爬虫類の歯から哺乳類の歯へ――捕食から咀嚼へ
 5.1 爬虫類から哺乳類へ:変温から恒温へ,卵生から胎生へ
 5.2 爬虫類の歯から哺乳類の歯へ:イッキ食いからモグモグ食いへ
 5.3 哺乳類の進化と適応放散:虫食から肉食・草食へ
  5.3.1 原獣類:もっとも原始的な哺乳類
  5.3.2 汎獣類:後獣類(有袋類)と真獣類(有胎盤類)の先祖
  5.3.3 後獣類(有袋類)の歯
  5.3.4 真獣類(有胎盤類)のさまざまな歯
  コラム1 恩師・野村松光氏の思い出
  コラム2 歯の研究に大きな業績を残した井尻正二氏
  コラム3 ゾウ類の臼歯の鑑別法
6 食虫類の歯から霊長類の歯へ――虫食から果実食へ
 6.1 食虫類から霊長類へ:樹上生活への適応
 6.2 霊長類とは:手と眼と脳の発達
 6.3 原猿類の歯:歯数の退化と鈍頭歯型の臼歯
 6.4 真猿類の歯:広鼻猿類と狭鼻猿類
  6.4.1 真猿類とは?
  6.4.2 広鼻猿類の歯
  6.4.3 狭鼻猿類・オナガザル類の歯
 6.5 類人猿の歯:下顎大臼歯が二稜歯型からY5 型へ
  コラム1 ヒトの歯の数は何本か?
7 人類の歯の進化と退化――猿人から新人まで
 7.1 人類への進化と人類の特徴
 7.2 人類の進化:猿人・原人・旧人・新人
 7.3 最古の人類:猿人はサルかヒトか?
  7.3.1 最古の猿人:サヘラントロプス
  7.3.2 前期猿人:オロリンとアルディピテクス
  7.3.3 中期猿人:アウストラロピテクスとケニアントロプス
  7.3.4 頑丈型猿人:パラントロプス
  7.3.5 後期猿人:ホモ属かアウストラロピテクス属か
 7.4 原人:人間性の起源―直立,恋から愛へ,道具の発達
  7.4.1 原人とは?:多様なホモ属
  7.4.2 前期原人:ホモ・エルガステルとホモ・ゲオルギクス
  7.4.3 後期原人:ホモ・アンテセッソル
  7.4.4 後期原人:ホモ・エレクトゥス
  7.4.5 後期原人:ホモ・ハイデルベルゲンシスなど
  7.4.6 人類はなぜ直立二足歩行するようになったのか?
 7.5 旧人:脳の進化,傍系でも新人と混血
 7.6 新人:自己家畜化による顎と歯の退化
 7.7 日本人の起源:旧石器時代人,縄文人,弥生人,現代人
  7.7.1 日本の旧石器時代人:浜北人と港川人
  7.7.2 日本の新石器時代人:縄文人
  7.7.3 日本の新石器時代人:弥生人
  7.7.4 日本の歴史時代人:古墳時代以降の日本人
  コラム1 石器の歴史
  コラム2 「ピルトダウン人」のなぞ
8 人類の歯の未来――現代人から未来人へ
 8.1 脊椎動物の歯と顎の進化と退化
  8.1.1 脊椎動物における歯の進化と退化
  8.1.2 脊椎動物の頭骨の進化と退化
 8.2 絶滅哺乳類にみられた歯の個体変異
 8.3 現代人の歯の個体変異と退化傾向
 8.4 人類の歯の未来:現代人から未来人へ
 8.5 歯の健康を大切に:人類の課題
  コラム1 ヒトの歯はなぜ虫歯や歯周病になるのか?
  コラム2 未完の進化論の体系
参考文献
索  引

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