生物地球化学事典

ウィリアム H シュレシンジャーエミリー S バーンハート(著)/智和 正明(訳)

ウィリアム H シュレシンジャーエミリー S バーンハート(著)/智和 正明(訳)

定価 17,600 円(本体 16,000 円+税)

B5判/488ページ
刊行日:2023年11月01日
ISBN:978-4-254-18063-3 C3540

ネット書店で購入する amazon e-hon 紀伊國屋書店 honto Honya Club Rakutenブックス くまざわ書店

書店の店頭在庫を確認する 紀伊國屋書店

内容紹介

地球全体の化学的・生物学的な物質循環と環境変動を,最新の知見に基づいて包括的に解説する。〔内容〕プロセスと反応/誕生/大気/岩石圏/陸域生態系の炭素循環/陸上の生物地球化学的循環/湿地生態系/陸水/海洋/地球の水循環/地球の炭素・酸素循環/地球の窒素・リン・カリウム循環/地球の硫黄・水銀循環/他

編集部から

"Biogeochemistry: An Analysis of Global Change, Fourth Edition" by William H. Schlesinger and Emily S. Bernhardt (Academic Press, 2020)の全訳。
本書では,大気から土壌,海水に至るまで,地球の基本的な化学的状態が生命の存在によってどのように影響を受けてきたか,また現在どのように影響を受けているかを考察する.特に,資源の急速な消費から熱帯雨林の破壊,スモッグにおおわれた都市の拡大まで,人間の活動は地球の基本的な化学的性質に急速な変化をもたらしている.雪氷圏,地球規模の水循環,バイオミネラリゼーション,生物や地球規模の貿易による景観や大陸を横断する元素の移動など,幅広いトピックスを網羅している.
本書では,学生や研究者が小規模な例を地球レベルで考えるために有用な情報が呈示される.本文と図・写真・表の相互参照,およびトピックスの学際的なカバーにより,地球変動と環境化学を調べるための優れたフレームワークが提供される.


[特色]
◆生物地球化学に関する文献の広範なレビューと最新の解説を収録している.
◆炭素,窒素,リン,および硫黄の地球規模のサイクルを理解できる.アンモニア,一酸化二窒素,硫化ジメチル,硫化カルボニルなどの大気ガスの現在の最適な許容量を提案している.産業排出,開墾,農業,人口増加が地球の化学物質に及ぼす影響を定量的に比較できる.
◆最新の文献を掲載し,雪氷圏,地球規模の水循環,バイオミネラリゼーション,そして地域を超えて様々な手段で移動する元素などのトピックスをカバーしている.

目次

第Ⅰ部 プロセスと反応

第1章 序 章
1.1 生物地球化学とは何か
1.2 地球を化学システムとして理解する
1.3 取り組むスケール
1.4 ラブロックのガイア

第2章 誕 生
2.1 イントロダクション
2.2 元素の誕生
2.3 太陽系と固体地球の誕生
2.4 大気・海洋の誕生
2.5 生命の誕生
2.6 代謝経路の進化
2.7 比較惑星史:地球・火星・金星
2.8 サマリー

第3章 大 気
3.1 イントロダクション
3.2 構造と循環
3.3 大気組成
3.4 対流圏における生物地球化学的反応
3.5 大気沈着
3.6 成層圏における生物地球化学的反応
3.7 大気と全球気候モデル
3.8 サマリー

第4章 岩石圏
4.1 イントロダクション
4.2 岩石風化
4.3 土壌化学反応
4.4 土壌の生成
4.5 風化速度
4.6 サマリー

第5章 陸域生態系の炭素循環
5.1 イントロダクション
5.2 光合成
5.3 呼 吸
5.4 純一次生産
5.5 純生態系生産量と渦相関研究
5.6 一次生産量とバイオマスのリモートセンシング
5.7 世界の純一次生産量とバイオマス量の推定
5.8 純一次生産の行方
5.9 純一次生産と地球変動
5.10 デトリタス
5.11 土壌有機物と地球変動
5.12 サマリー

第6章 陸上の生物地球化学的循環
6.1 イントロダクション
6.2 陸上植物の生物地球化学的循環
6.3 陸上植生の栄養分の配分と循環
6.4 土壌の生物地球化学的循環
6.5 景観の物質収支計算
6.6 生態系モデルとリモートセンシング
6.7 人間活動が陸域の生物地球化学に与える影響
6.8 サマリー

第7章 湿地生態系
7.1 イントロダクション
7.2 湿地の種類
7.3 湿地生態系における生産
7.4 湿地における有機物貯留
7.5 飽和堆積物における微生物代謝
7.6 嫌気性代謝経路
7.7 酸化還元ラダー
7.8 湿地と水質
7.9 湿地と地球変動
7.10 サマリー

第8章 陸 水
8.1 イントロダクション
8.2 水圏生態系の構造
8.3 水の特性
8.4 陸水と流域
8.5 湖
8.6 渓流・河川
8.7 河口:泥炭と波が融合するところ
8.8 人間活動が陸水に与える影響
8.9 サマリー

第9章 海 洋
9.1 イントロダクション
9.2 海洋循環
9.3 海水組成
9.4 表層海洋の生物地球化学
9.5 深層海洋の生物地球化学
9.6 海洋堆積物の生物地球化学
9.7 海洋の元素循環
9.8 海洋と地球変動
9.9 サマリー

第Ⅱ部 全球循環

第10章 地球の水循環
10.1 イントロダクション
10.2 地球の水循環
10.3 水循環モデル
10.4 水循環の歴史
10.5 水循環と気候変動
10.6 サマリー

第11章 地球の炭素・酸素循環
11.1 イントロダクション
11.2 何が純一次生産量を刺激するのか
11.3 炭素循環の時間的な見方
11.4 大気メタン
11.5 一酸化炭素
11.6 統合:炭素循環と酸素循環の関連性
11.7 サマリー

第12章 地球の窒素・リン・カリウム循環
12.1 イントロダクション
12.2 地球の窒素循環
12.3 地球の窒素循環の時間的変動
12.4 亜酸化窒素
12.5 地球のリン循環
12.6 カリウム:見落とされてきた制限元素か
12.7 地球規模の生物地球化学的循環との関連性
12.8 サマリー

第13章 地球の硫黄・水銀循環
13.1 イントロダクション
13.2 地球の硫黄循環
13.3 硫黄循環と酸素循環の相互作用
13.4 地球の硫黄循環に対する時間的な見方
13.5 地球の水銀循環
13.6 サマリー

第14章 最終章

文 献

索 引

執筆者紹介

[著者]
ウィリアム・H・シュレシンジャー(William H. Schlesinger)
1950生
デューク大学前教授/ケアリー生態系研究所前所長
Ph. D.
エミリー・S・バーンハート(Emily S. Bernhardt)
デューク大学教授
Ph. D.

[訳者]
智和正明(ちわ・まさあき)
1973年 京都府に生まれる
2002年 広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程修了
現 在 九州大学大学院農学研究院環境農学部門・准教授
博士(学術)

ジャンル一覧

ジャンル一覧

  • Facebook
  • Twitter
  • 「愛読者の声」 ご投稿はこちら 「愛読者の声」 ご投稿はこちら
  • EBSCO eBooks
  • eBook Library