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内容紹介
ミクロの世界を支配する量子論は,科学から工学へと急発展している。本書は具体的な工学応用へ結び付く知識と情報を盛り込んだ,研究者・開発担当者必携のハンドブック。〔内容〕〈基礎〉量子現象/光と電磁波/光の場と物質/非線形光学/超伝導他〈材料〉半導体/超伝導/磁性/有機/表面〈デバイス・システム〉量子電子/半導体レーザ/非線形光/ソリトン/磁性/超伝導他〈計測・評価技術〉単一電子現象/SQUID/ホール効果/アトムオプティクス/他〈量子工学の将来〉
編集部から
目次
1. 量子工学の基礎
1.1 量子現象の基礎
はじめに/波動と粒子の二重性/電子の波動性と波動力学/計算手法・近似法/多粒子系の量子力学/正準形式の場の量子化/電磁場の量子論/その他の量子現象/展望
1.2 光と電磁波
はじめに/幾何光学/走査型近接場顕微鏡の光プローブへの幾何光学への適用/ベクトル波動関数/ベクトル波動関数による光プローブの解析
1.3 固体中の電子
はじめに/量子的な電子状態/金属中の電子の運動/電子の散乱/微視的な電気伝導度の理解
1.4 光と物質の相互作用
はじめに/誘電媒質中の電磁波としての光/古典振動子モデル/ポラリトン/金属の光学的性質/半導体・絶縁体の光学的性質/励起子/量子井戸構造の示す光学応答/縮退電子正孔系の光学応答
1.5 非線形光学効果
はじめに/1/2問題と単位系について/非線形光学応答/非線形感受率の対称性/非調和振動子モデルによる非線形感受率/非線形感受率の量子論/非線形媒質中の光波伝搬と位相整合/2次非線形光学効果による波長変換/非線形屈折率とその応用
1.6 共振器QEDとゆらぎ
はじめに/輻射場の量子化/光のゆらぎとスクイージング/共振器QED
1.7 磁性の基礎
はじめに/磁性の量子的起源―(1)常磁性と反磁性/磁性の量子的起源―(2)秩序磁性と交換相互作用/強磁性体の電気輸送現象/磁気光学効果の基礎/展望
1.8 超伝導
はじめに/超伝導のミクロな理論(BCS理論)/超伝導のマクロな理論/ジョセフソン効果
2. 量子工学材料
2.1 半導体材料
はじめに/半導体のエネルギーバンド構造/低次元系の作製技術の概観/薄膜成長技術+リソグラフィー技術/自然形成技術/超格子断面利用法/展望
2.2 超伝導材料
はじめに/YBa2Cu3O7-δの結晶構造と電子状態/銅系酸化物超伝導体の物性と物理/バルク材料と化学/単結晶技術/薄膜技術/おわりに
2.3 磁性材料―量子工学の観点から―
はじめに/巨大磁気抵抗効果(GMR)/スピン依存トンネル磁気抵抗効果/光磁気記録材料/磁気光学における量子サイズ効果/光アイソレーター・磁界センサー材料/非線形磁気光学効果/展望
2.4 有機材料
はじめに/導電性材料/非線形光学/分子デバイスと超構造分子
2.5 量子工学材料としての表面
はじめに/表面電子状態理論/表面再構成/Si表面構造/GaAs表面/吸着表面/表面拡散/表面反応/薄膜成長
3. 量子工学デバイスとシステム展開
3.1 量子電子デバイス
超薄膜へテロ構造、量子ナノ構造中の電子物性/変調ドーピングと高電子移動度トランジスター/共鳴トンネル効果とその応用/超格子中のミニバンドとブロッホ振動/サブバンド間遷移を利用したデバイス/単一電子デバイス
3.2 半導体レーザー
半導体レーザーの構造と基本的動作特性/半導体レーザー材料/量子井戸構造レーザー/単一波長半導体レーザー/面発光半導体レーザー
3.3 非線形光デバイス
2次非線形光デバイス/3次非線形光デバイス/
3.4 光ソリトン発生デバイスとその伝送
はじめに/光ソリトンバルスの発生/光ソリトン伝送の特徴/光ソリトンの伝送/
分散マネージソリトン伝送技術/展望
3.5 自然放出制御光デバイス
はじめに/自然放出制御と微小共振器/半導体超微小光共振器の試み/展望
3.6 非古典的光子生成デバイス
はじめに/非古典光とスクイズド状態/サブポアソン光生成デバイス/直交位相振幅スクイズド光の発生/量子非破壊測定/展望
3.7 磁性デバイス
はじめに/GMR効果/GMRヘッド/磁気抵抗効果型メモリー(MRAM)/スピントランジスター/展望
3.8 超伝導デバイス
超伝導ディジタルデバイス
はじめに/論理回路/記憶回路/単一磁束量子素子/まとめ
超伝導トランジスター
はじめに/電流注入素子/電界効果素子/超伝導ベーストランジスター/超伝導フラックスフロートランジスター(SFFT)
高温超伝導デバイスと線材技術
ジョセフソン接合技術/デバイス特性と接合の物理/プロセス技術/新奇な接合と新しい応用の可能性/マイクロ波応用受動素子/酸化物線材技術/おわりに
3.9 アトムテクノロジーとデバイス応用
はじめに:原子サイズの情報処理デバイスの可能性/情報処理デバイスの歴史と限界/情報処理デバイスとしての原子,分子サイズ構造/原子,分子レベルの観察,操作技術/計算機シミュレーションによる原子,分子レベル材料,デバイスの特性予測/原子プロキシミティ場における極限物理現象の解明/まとめと展望
4. 量子工学における計測・評価技術
4.1 単一電子現象とその量子標準への応用
はじめに/単一電子トンネリングの基礎/単一電子トランジスターのAC特性/単一電子現象の応用と展望
4.2 SQUIDとその応用
超伝導センサー/ジョセフソン電圧標準
4.3 量子ホール効果とその量子標準への応用
はじめに/整数量子ホール効果の原理/整数量子ホール効果の理論/分数量子ホール効果/整数量子ホール効果を用いた抵抗の量子標準
4.4 アトムオプティクス
はじめに/電磁波と物質波/中性原子のレーザー冷却/原子光学のコンポーネント/原子波干渉計/原子波干渉実験の例/ボース―アインシュタイン凝縮/展望
4.5 電子線ホログラフィー干渉顕微鏡
はじめに/干渉性のよい電子線(電界放出電子線)/電子線ホログラフイー/干渉顕微鏡法/干渉顕微鏡像から得られる情報/干渉顕微鏡法の応用/展望
4.6 走査プローブ顕微鏡
はじめに/走査型トンネル顕微鏡の発明/STMの動作原理/STMの空間分解能/STMの時間分解能/STMの特徴/SPMファミリー/AFMとFFM/スピン方向の測定/SPMの要素技術/展望
4.7 近接場光計測
はじめに/近接場光学顕微鏡の原理/近接場光学顕微鏡の装置/測定例/加工と制御への応用/展望
4.8 フェムト秒域の光波技術
はじめに/フェムト秒(fs)パルスレーザー/フェムト秒光波制御/フェムト秒域の光波計測と分光/展望
4.9 微弱光検出技術
はじめに/光検出とその限界/光子検出の基本/時間相関光子計数法/光子計数画像化法/超高速時間分解光子計測/2次元光子積算計測/2次元光子計測の応用例/展望
4.10 テラヘルツ電磁波の発生と検出
はじめに/THz帯での光源(発振器)および検出器の現状/光伝導スイッチ素子を用いたTHz電磁波パルスの発生と検出/超短パルスレーザーによるその他の電磁波発生法/テラヘルツ電磁波パルスの分光応用/展望
5. 付録 座談会:量子工学の将来
6. 日本語索引
7. 外国語索引
執筆者紹介
【編集者】荒川泰彦,大津元一,五神 真,橋詰富博,平川一彦
【執筆者】荒井滋久,荒川泰彦,井元信之,猪俣浩一郎,宇佐川利幸,小形正男,小川哲生,大津元一,大野隆央,北野正雄,近藤高志,五神 真,小芦雅斗,佐藤勝昭,阪井清美,雀部博之,高橋信行,谷内哲夫,谷 正彦,樽谷良信,田原修一,土屋 裕,外村 彰,永宗 靖,中沢正隆,中西正和,納富雅也,橋詰富博,馬場俊彦,平川一彦,平野琢也,藤巻則夫,円福敬二,水谷 亘,山下幹雄,和田敏美,和田恭雄