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計算力学ハンドブック
定価 33,000 円(本体 30,000 円+税)
B5判/680ページ
刊行日:2007年05月25日
ISBN:978-4-254-23112-0 C3053
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内容紹介
計算力学は,いまや実験,理論に続く第3の科学技術のための手段となった。本書は最新のトピックを扱った基礎編,関心の高いテーマを中心に網羅した応用編の構成をとり,その全貌を明らかにする。〔内容〕基礎編:有限要素法/CIP法/境界要素法/メッシュレス法/電子・原子シミュレーション/創発的手法/他/応用編:材料強度・構造解析/破壊力学解析/熱・流体解析/電磁場解析/波動・振動・衝撃解析/ナノ構造体・電子デバイス解析/連成問題/生体力学/逆問題/他。
編集部から
本書は,理論,実験に続く第3の科学技術領域となった計算力学の全貌を明らかにした本邦初のエンサイクロペディアです。その名も,計算工学,計算科学,計算物理など領域によっていろいろです。日本機械学会の計算力学部門は5000人の会員数を抱え最も活発な研究が進められています。
コンピュータの高速化と高性能化が生み出した産物ですが,資源の省力化を果たす上でも重要な学問と認知されるに至っています。車の衝突解析,地震・津波の衝撃,野球のバットとボールの打撃,など,構造物,熱・流体,衝撃そして電磁界解析ならびに生体力学までありとあらゆる領域に及んでいるのです。ワークステーションで手近で適えられるものから,スーパーコン・超並列マシンで初めて可能となった計算など,遍く奥深く進展してゆくことは必至です。
ただ,理論上の計算ですから,データの取り方によっては実際とかけ離れた答えも出てしまう訳で,自動車衝突などでは,やはりそのシミュレーション結果を基に実験することは必然でしょう,人命が関わるだけに。また,大地震などは,思いもよらぬ動きで襲うこともあり,パラメータの置き方次第であり得ない被害も想定されます。津波なども起こった惨状を検証して,その結果を計算し,納得のゆく理由づけを行うというのも事実です。と,全能・万能の学問とは言えないことも確かですが,ある程度の予測がつくものに関しては非常に効率的な価格対性能比で実現可能となったものも少なくありません。ただし勿論設計どおり施工・製作をする限りにおいては,です。
矢川先生には東大退官最終講義の後の懇親会で本書の企画の芽を育み,宮崎先生を交えほんの数回のミーティングで構成・執筆者を決定するなど,ほとんど手間が掛からなかった希有なハンドブックでした。有限要素法などの基礎的な理論は最新の研究成果を,45に及ぶ応用例は現実に即したものを収載してありますが,いずれもその道の専門家が解説したものです。(田村)
目次
第1 編 基礎編
1 有限要素法
1.1 X-FEM(拡張有限要素法)
1.2 重合メッシュ法
1.3 ボクセル解析法
1.4 アダプティブ有限要素法
2 CIP 法
2.1 CIP 法の基本形
2.2 多次元への拡張
2.3 有限関数CIP 法
2.4 保存形CIP 法
2.5 界面追跡のための識別関数法
2.6 CCUP 法
2.7 局所補間微分オペレータ法
2.8 IDO 法による拡散方程式の解法
2.9 IDO 法によるPoisson 方程式の解法
2.10 IDO 法による非圧縮性流体の計算
2.11 速度と圧力の安定化カップリング
2.12 保存形IDO 法
3 境界要素法
3.1 二重相反法の応用
3.2 局所境界積分方程式に基づくメッシュレス法
3.3 高速多重極展開境界要素法
4 メッシュレス法/ 粒子法
4.1 エレメントフリーGalerkin 法(EFGM)
4.2 フリーメッシュ法――節点処理型有限要素法
4.3 SPH 法
4.4 MPS 法
5 電子・原子・転位シミュレーション
5.1 第一原理計算
5.2 分子動力学法
5.3 転位動力学法
6 創発的手法
6.1 遺伝的アルゴリズム
6.2 ニューラルネットワーク
6.3 セルオートマトン法
6.4 格子Boltzmann 法
6.5 マルチエージェント法
7 大規模並列計算手法
7.1 並列効率
7.2 並列計算機
7.3 並列プログラミング
7.4 並列数値解析手法
7.5 バランシング領域分割法
7.6 数値解析例
8 CAD・プレプロセッシング
8.1 CAD
8.2 プレプロセッシング
9 CG・可視化
9.1 固体系におけるCG,可視化
9.2 流体系におけるCG,可視化
第2 編 応用編
10 材料強度・構造解析
10.1 高分子材料の応答評価
10.2 単結晶材料の強度
10.3 座 屈
10.4 塑性加工
11 破壊力学解析
11.1 破壊力学パラメータの解析法
11.2 界面破壊力学
11.3 動的破壊力学
11.4 確率論的破壊力学
12 熱・流体解析
12.1 マルチスケールLES 解析
12.2 反応燃焼流体解析
12.3 環境流体解析
12.4 熱工学における分子シミュレーション
13 電磁界解析
13.1 有限要素法による定式化
13.2 電流項の取扱法
13.3 磁性材料の非線形磁気特性の考慮法
13.4 ICCG 法による連立1 次方程式の解法
14 相変化・相変態解析
14.1 フェーズフィールド法による相変化解析
14.2 形状記憶合金の相変態に伴う変形解析
14.3 相変態・熱・力学連成解析
15 波動・振動・衝撃解析
15.1 地震解析
15.2 津波解析
15.3 スポーツ用具における衝撃解析
15.4 自動車衝突解析
15.5 高速衝撃解析
16 ナノ構造体・電子デバイス・マルチスケール解析
16.1 ナノ構造体
16.2 電子デバイス
16.3 マルチスケール解析
17 連成問題
17.1 流体・構造連成
17.2 電磁・構造連成
17.3 電磁熱流体連成
17.4 熱流体連成
18 生体力学
18.1 固体力学関連
18.2 流体力学関連
19 接触・界面
19.1 タイヤの接地解析
19.2 異材接合界面端部の応力特異場
19.3 接合・破壊における界面のモデル化
19.4 接着継手の界面強度
19.5 複合材料の界面強度
20 逆問題
20.1 き裂および欠陥の検知
20.2 腐食防食問題の逆解析
21 最適化
21.1 パラメトリック最適化問題
21.2 形状最適化
21.3 位相最適化
22 生産現場へのCAE
22.1 CAE の生産現場への展開の歴史
22.2 CAE への期待
22.3 日本におけるCAE の普及
22.4 現代のCAE の傾向
22.5 現場のCAE
22.6 CAE を行う方法
索 引
執筆者紹介
【編集者】
矢川元基,宮崎則幸
【執筆者】
青木尊之,畔上秀幸,安達泰治,天谷賢治,池田徹,井上達雄,今村文彦,宇治橋貞幸,江口譲,尾方成信,岡田裕,柿本浩一,片山雅英,久保司郎,古口日出男,越塚誠一,越村俊一,酒井譲,塩谷隆二,柴田勝之,澁谷忠弘,澁谷陽二,白崎実,白山晋,鈴木克幸,高木敏行,高木知弘,高橋昭如,只野裕一,田中拓,店橋護,手塚明,寺田賢二郎,冨田佳宏,長嶋利夫,中島幸雄,中谷彰宏,西浦光一,西岡俊久,萩原一郎,萩原世也,花崎秀史,久田俊明,姫野龍太郎,平方寛之,藤原耕二,古川知成,堀宗朗,堀江知義,松隈洋介,松原仁,松本敏郎,丸山茂夫,三木光範,宮崎則幸,村川英一,森下信,山田聖志,山田知典,吉村忍,羅雲,陸偉
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