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危険物ハザードデータブック
田村 昌三(編)
内容紹介
実験室や化学工場で広く用いられている化学物質のうち,消防法,毒・劇物取締法,労働安全衛生法,高圧ガス保安法等に記載されている危険物2400余を網羅。物理的特性,燃焼危険性,有害危険性,火災時の措置等のデータを一覧表形式で掲載。研究開発から現場での安全管理まで広く役立つ実用的な内容。化学・環境関連の研究者・技術者必備の一冊。〔内容〕CAS No./危険物分類/外観/比重/沸点/融点/溶解度/引火点/発火点/爆発範囲/LC50/火災時の措置/他。
編集部から
本書は消防法をはじめとする関係法令で「危険物」として分類されている物質から2400余を選び,そのハザードデータを見開き一覧表形式にまとめたデータブックである。各物質につき,次のデータが参照できる。
〔基本データ〕物質名・別名・英名・分子式・分子量・CAS No.・国連番号・化審法No.・法令による分類(消防法・安衛法・国連危険物分類など11の法令)
〔物理的特性〕外観/性質・比重・蒸気比重・沸点・融点・水溶性
〔燃焼危険性〕引火点・発火点・爆発範囲
〔有害危険性〕許容濃度・吸入LC50・経口LD50
〔火災時の措置〕初期消火のための消火法・禁止事項 データソースは国内外の公的機関などが公表している複数のデータベースである。田村先生にはデータベースの信頼性評価,収録物質の選択,記載データの選定のほか,火災時の措置の立案・分類を行っていただいた。関根先生には各データソースの数値を適切に判断してパソコンに入力し,独自のデータベースを構築するという気の遠くなるような作業を引き受けていただいた。
データの一部は企画者が入力した。私も『危険物の事典』以来のご縁で田村先生と仕事をさせていただいているが,英書を数冊渡され,「ここからデータを拾えばいいからね。ねっ(ニッコリ)」と言われたときには温厚な人格者である田村先生のお顔が知らない方の顔に見えたものだった。
和書では比類ない規模のデータブックであり,規模の小さい類書も年を経て陳腐化している。化学系の企業・研究所や消防関係機関を中心に,広範な需要が見込まれる。宣伝・販売に各位のご協力を仰ぎたい。(川口)