図説 河川災害と復興 ―自然環境の再生と持続社会―

島谷 幸宏谷田 一三一柳 英隆萱場 祐一(編)

島谷 幸宏谷田 一三一柳 英隆萱場 祐一(編)

定価 4,620 円(本体 4,200 円+税)

B5判/168ページ
刊行日:2024年09月01日
ISBN:978-4-254-26179-0 C3051

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内容紹介

流域治水の観点から,多発する日本の河川災害とその再生・復興の実態をオールカラーで解説。〔内容〕解説編:過去の河川災害/土砂災害/災害ごみ/洪水と避難/災害ボランティア/日本の伝統工法/遊水地の機能/グリーンインフラ/Eco-DRR/事例編:札内川/雪谷川/久慈川/常願寺川/庄内川/紀伊半島水害/小田川/白川/等

編集部から

・流域治水の観点から,多発する日本の河川災害と再生・復興をオールカラーで解説.
・第1部(総論)はテーマごと,第2部(事例編)は河川・地域ごとに見開き形式で構成.
・河川災害の事例を多く盛り込み,復興の事情と手法を解説して今後の災害対策や復興の指針となる定本をめざす.

目次

解説編
 01 過去の日本の河川災害:総論[中村晋一郎]
 02 近年の気候変動と洪水量の増加[萱場祐一]
 03 都市化と水害[島谷幸宏]
 04 土砂災害[髙橋剛一郎]
 05 流木災害[蔵治光一郎]
 06 災害ごみ[中貝宗治]
 07 洪水と避難[佐藤辰郎]
 08 ハザードマップ[瀧 健太郎]
 09 災害復旧の仕組み[塚原浩一]
 10 集落会議[寺村 淳]
 11 災害ボランティア[中谷岳史]
 12 洪水による生物群集への影響(1):生物群集総論[一柳英隆]
 13 洪水による生物群集への影響(2):淡水魚類[鬼倉徳雄]
 14 洪水による生物群集への影響(3):水生昆虫[谷田一三]
 15 災害復旧時の環境への配慮[島谷幸宏]
 16 河川整備基本方針と河川整備計画[塚原浩一]
 17 流域治水への転換[島谷幸宏]
 18 環境の保全と再生への視座[谷田一三]
 19 日本の伝統工法(1):総論[島谷幸宏]
 20 日本の伝統工法(2):霞堤[杉尾 哲]
 21 日本の伝統工法(3):牛枠(聖牛)[竹門康弘]
 22 輪中堤,横堤,二線堤[瀧 健太郎]
 23 遊水地の機能[皆川朋子]
 24 遊水地の管理・活用[西廣 淳]
 25 グリーンインフラ[島谷幸宏]
 26 バイパス水路(2way方式)[萱場祐一]
 27 合流部[原田守啓]
 28 放水路[知花武佳]
 29 Eco─DRR[島谷幸宏]
 30 流水型ダム[角 哲也]
 31 災害とくらし[北村美香]
 32 田んぼダム[皆川朋子]
 33 水害防備林[寺村 淳]
事例編
 北海道・東北
  01 常呂川(平成28年8月洪水)[渡邊康玄]
   砂州の樹林化と今後の気候変動を加味した河川整備
  02 札内川(平成28年8月豪雨)[根岸淳二郎]
   礫河原の利用と維持
  03 元町川(平成18年10月豪雨)[萱場祐一]
   河道断面形の工夫
  04 雪谷川(平成11年10月豪雨)[島谷幸宏]
   復緊事業における河道整備
  05 安家川(平成28年台風第10号)[萱場祐一]
   岩の掘削と瀬と淵の保全
  06 雄物川(平成29年7月洪水)[萱場祐一]
   輪中堤と内水河川の処理
  07 北上川(平成25年8・9月洪水)[浅見和弘・萱場祐一]
   平安時代より続く河川整備
  08 阿武隈川(令和元年東日本台風)[沖津二朗]
   令和元年の大規模洪水とその後の状況
 関東
  09 久慈川(令和元年東日本台風)[大槻順朗]
   霞堤と水害防備林
  10 鬼怒川(平成27年9月関東・東北豪雨)[大槻順朗]
   河岸砂丘の影響
  11 多摩川(令和元年10月出水)[倉本 宣]
   カワラノギクの保全活動と環境管理
 中部
  12 刈谷田川(平成16年7月新潟・福島豪雨)[吉川夏樹]
   田んぼダムによる内水氾濫対策
  13 千曲川(令和元年東日本台風)[平林公男]
   信濃川水系緊急治水対策プロジェクト
  14 常願寺川(安政5年4月巨大崩壊)[髙橋剛一郎]
   立山カルデラの砂防事業
 東海
  15 天竜川(令和2年7月豪雨)[角 哲也]
   小渋川の土砂バイパス
  16 伊賀川(平成20年8月末豪雨)[吉村伸一]
   床上浸水対策特別緊急事業
  17 庄内川(平成12年東海豪雨)[辻本哲郎]
   都市河川の水害
  18 宮川(平成16年台風第21号)[鹿野雄一]
   ネコギギおよび国内外来種ギギの個体群動態
 近畿
  19 熊野川(新宮川)1(平成23年台風第12号による紀伊半島水害)[谷田一三]
   土砂ダム,底生動物群集の破壊と回復
  20 熊野川(新宮川)2(平成23年台風第12号による紀伊半島水害)[木下篤彦]
   深層崩壊による河道閉塞
  21 桂川(平成25年台風第18号)[深町加津枝]
   嵐山の河川整備計画
  22 由良川(平成16年台風第23号)[深町加津枝]
   自然や歴史・文化に配慮した河川整備
  23 円山川(平成16年台風第23号)[佐川志朗]
   コウノトリをシンボルにした自然再生
 中国
  24 小田川(平成30年7月豪雨)[萱場祐一]
   真備町災害
  25 広島土砂災害(平成26年8月豪雨)[河原能久]
   都市計画の課題
  26 名賀川(平成25年7月豪雨)[林 博徳]
   SL撮影スポットとしての環境整備と樹木の保存
 九州
  27 平成29年7月九州北部豪雨[皆川朋子]
   森林管理と河川改修の課題
  28 野鳥川(平成29年7月九州北部豪雨)[林 博徳]
   歴史的河川構造物の治水機能
  29 樋井川(平成21年7月中国・九州北部豪雨)[島谷幸宏]
   流域治水市民会議
  30 白川(平成24年7月九州北部豪雨)[島谷幸宏]
   蛇行のショートカット
  31 黒川(平成24年7月九州北部豪雨)[皆川朋子]
   白川水系の遊水地群
  32 北川(平成9年台風第19号)[杉尾 哲]
   河川法改正後最初の激特事業
  33 山附川(平成17年台風第14号)[佐藤辰郎]
   急流河川の多自然川づくり
  34 五ヶ瀬川(平成17年台風第14号)[杉尾 哲]
   隔流堤の設置と高水敷の掘削
  35 球磨川(令和2年7月豪雨)[一柳英隆]
   緑の流域治水へ
  36 川内川(平成18年7月豪雨)[島谷幸宏]
   分水路の設置と環境への配慮
  37 奄美大島の河川(2010年の前線による大雨)[西田 睦]
   世界自然遺産を支える河川
文献
索引

執筆者紹介

■編集委員
島谷幸宏  熊本県立大学 特別教授
谷田一三  大阪府立大学 名誉教授
一柳英隆  熊本県立大学 学術研究員
萱場祐一  名古屋工業大学大学院工学研究科 教授

■執筆者(五十音順)
浅見和弘  応用地質(株)
一柳英隆  熊本県立大学
大槻順朗  山梨大学大学院総合研究部
沖津二朗  応用地質(株)
鬼倉徳雄  九州大学大学院農学研究院
鹿野雄一  (一社)九州オープンユニバーシティ
萱場祐一  名古屋工業大学大学院工学研究科
河原能久  広島大学大学院先進理工系科学研究科
北村美香  大阪市立自然史博物館/合同会社 結creation
木下篤彦  国土交通省関東地方整備局
蔵治光一郎 東京大学大学院農学生命科学研究科
倉本宣   明治大学農学部
佐川志朗  兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科
佐藤辰郎  九州大学大学院工学研究院
島谷幸宏  熊本県立大学
杉尾哲   九州河川研究所/宮崎大学名誉教授
角哲也   京都大学防災研究所
髙橋剛一郎 富山県立大学名誉教授
瀧健太郎  滋賀県立大学環境科学部
竹門康弘  大阪公立大学国際基幹教育機構
谷田一三  大阪府立大学名誉教授
知花武佳  政策研究大学院大学
塚原浩一  (公財)リバーフロント研究所
辻本哲郎  名古屋大学名誉教授
寺村淳   大正大学
中貝宗治  前豊岡市長
中村晋一郎 名古屋大学大学院工学研究科
中谷岳史  信州大学工学部
西田睦   琉球大学
西廣淳   国立環境研究所気候変動適応センター
根岸淳二郎 北海道大学地球環境科学研究院
原田守啓  岐阜大学環境社会共生体研究センター
林博徳   九州大学大学院工学研究院
平林公男  信州大学学術研究院理工学域繊維学系
深町加津枝 京都大学大学院地球環境学堂
皆川朋子  熊本大学大学院先端科学研究部
吉川夏樹  新潟大学農学部
吉村伸一  (株)吉村伸一流域計画室
渡邊康玄  北見工業大学工学部

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