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基本からマスターできる 建築構造力学
定価 3,520 円(本体 3,200 円+税)
A4判/120ページ
刊行日:2018年02月20日
ISBN:978-4-254-26647-4 C3052
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内容紹介
必修基礎科目である建築構造力学の基礎テキスト。数学が苦手な学生にも構造計算が理解できるよう丁寧に解説。
〔序文〕
建築構造力学の本の執筆依頼をいただいた際,最初に考えたことは,良く読めば,計算に用いる式の理論的背景・誘導過程がしっかりと読者に伝わる本にしたいということである.私たちも,学生の頃から,種々の構造力学・材料力学の本を活用し,勉強してきたが,ほとんどの本では,式の最終形は記載されているが,その式が,どのような理論的背景からどのように導かれてきたのかを明確に記載されているものはほとんどなく,自分で式の誘導に時間を費やした.これはこれで大いに勉強になったが,このような本を読む方は,建築構造の技術者を目指す方ばかりではなく,建築士等の資格取得を考えて読まれる方もいることと思うので,そのような方達にも短い時間で力学がしっかりと身に着くことを期待した.また,建築構造技術者の方も,使用する式の理論的背景・誘導過程を理解しておかないと,その式の使い方を誤る可能性が高い.このような考えに基づき,この本を執筆した.読者には,しっかりと読んでいただき,もし,理解できない部分があれば,是非,ご指摘いただきたい.
弾性の建築構造力学は,建築の構造にとって基本となるものである.建築構造技術者を目指している方には,この基本を身に着けた上で,材料塑性や幾何学的非線形を学び,鉄筋コンクリート造,鉄骨造などの建物の設計法を勉強してほしい.現在,建築構造の職に携わっている方には,この本によって,己の技術をより確かなものにしてほしいと思っている.建築構造以外の道を考えている方にとっても,基本となる建築構造力学は必ずや役に立つことと思う.例えば,意匠設計者にとっては,基本的な部材の大きさの推定や部材に作用する外力からその部材や建物の変形特性を考えた設計を行う際,設備設計者にとっては,各種設備機器の固定方法などを考える際,施工者にとっては,仮設計画時の種々の計算を行う際,など建築構造力学は多種多方面で活躍することと思い,この本が,それらの方々の一助となることを切に願う.。
編集部から
目次
第1章 建築物の構造
1.1 建築物に作用する外力
1.2 建築物の構造と構造設計
1.3 建築物の損傷
1.4 建築物の構造設計概要
第2章 力
2.1 力とは
2.1.1 力の3要素/2.1.2 力の分解と合成
2.2 モーメント
2.3 力の釣り合い
2.3.1 力の釣り合い/2.3.2 連力図と示力図
第3章 支点と反力
3.1 支点と節点
3.2 荷重と反力
第4章 応力
4.1 応力とは
4.2 静定・不静定,安定・不安定
4.3 荷重の種類
4.4 静定梁の応力
4.4.1 単純梁の場合/4.4.2 荷重・せん断力・モーメントの関係/4.4.3 モーメント荷重が作用する梁の応力
4.5 静定トラスの応力
4.5.1 節点法/4.5.2 クレモナ図解法/切断法
4.6 静定骨組の応力
4.6.1 静定ラーメン/4.6.2 3ピンラーメン/4.6.3 3ピンラーメンにおける対称性の利用/4.6.4 合成骨組/4.6.5 静定骨組の組み合わせ
第5章 応力度とひずみ度
5.1 応力度とは
5.2 ひずみ度とは
5.3 フックの法則
第6章 応力度の算定
6.1 軸方向応力度と曲げ応力度
6.1.1 軸方向応力度と曲げ応力度/6.1.2 断面1次モーメント/6.1.3 断面2次モーメント
6.2 せん断応力度
6.3 2方向力による応力度
6.3.1 モールの応力円の理論/6.3.2 モールの応力円の描き方
第7章 ひずみ度と変形
7.1 軸方向ひずみ度と軸方向変形
7.1.1 軸方向ひずみ度と軸方向変形/7.1.2 ポアソン比
7.2 曲げひずみ度と曲率
7.3 せん断ひずみ度とせん断変形
7.3.1 せん断ひずみ度/7.3.2 せん断変形
第8章 静定梁の変形(曲げモーメントによる変形)
8.1 微分方程式による解法
8.1.1 たわみ曲線の微分方程式/8.1.2 曲率/8.1.3 弾性曲線式/8.1.4 たわみの微分方程式(弾性曲線式)の一般解/8.1.5 たわみyとたわみ角θの符号
8.2 モールの定理
第9章 不静定梁の解法
9.1 微分方程式による解法
9.2 仕事量の釣り合いによる解法
9.2.1 仕事とは?/9.2.2 エネルギー/9.2.3 仕事量の釣り合い
9.3 仮想仕事の原理
9.3.1 単位外力法
9.4 カスティリアノの定理
9.5 たわみ角法
9.5.1 モールの定理によるたわみ角の基本式/9.5.2 剛度と剛比によるたわみ角法の表現/9.5.3 中間荷重がある場合のわたみ角法基本式/9.5.4 節点方程式/9.5.5 分配率,到達モーメント/9.5.6 有効剛比
第10章 不静定ラーメンの解法
10.1 たわみ角法
10.1.1 層方程式/10.1.2 左右で柱高さが異なるラーメンの解法/多層多スパン骨組の解法
10.2 固定モーメント法
10.2.1 固定モーメント法で用いる定理/10.2.2 図式解法/10.2.3 連続梁の計算/10.2.4 鉛直荷重が作用するラーメンの解法/10.2.5 水平力が作用するラーメンの解法(節点移動がある場合)/10.2.6 柱脚ピンの場合
第11章 座屈
11.1 オイラーの座屈荷重
11.2 材端条件と座屈荷重
11.3 座屈応力度と細長比
11.4 非弾性座屈とその他の座屈
執筆者紹介
津田和明(近畿大学)
丸田 誠(静岡理工科大学)
都祭弘幸(福山大学)
杉本訓祥(横浜国立大学)