眼の事典

三島 濟一(総編集)/岩田 誠金井 淳酒田 英夫澤 充田野 保雄中泉 行史(編)

三島 濟一(総編集)/岩田 誠金井 淳酒田 英夫澤 充田野 保雄中泉 行史(編)

定価 22,000 円(本体 20,000 円+税)

A5判/656ページ
刊行日:2003年09月10日
ISBN:978-4-254-30070-3 C3547

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内容紹介

眼は生物にとって生存に不可欠なものであり,眼に対しては動物は親しみと畏怖の対象である。ヒトにとっては生存のみならず,Quality of Lifeにおいて重要な役割を果たしており,何故モノが見え,色を感じるのかについて科学や眼に纏わる文化,文学の対象となってきている。本事典は眼についての様々な情報を収載,また疑問に応える『眼に関するエンサイクロペディア』として企画。〔内容〕眼の構造と機能/眼と脳/眼と文化/眼の補助具/眼の検査法/眼と社会環境/眼の疾患

編集部から

目次

I. 眼の構造と機能
1. 眼球と眼付属器の発生
 1.1 初期発生
 1.2 組織の発生
2. 眼瞼
 2.1 眼瞼の外観
 2.2 眼瞼の2層構造
 2.3 限瞼の構造要素
3. 涙器
 3.1 涙腺
 3.2 涙道
4. 結膜
 4.1 結膜の構造
 4.2 結膜の組織
5. 角膜
 5.1 角膜の発生
 5.2 組織学的構造
 5.3 角膜の神経支配
 5.4 血管系
 5.5 角膜の生理と機能
6. 前房隅角
 6.1 前房隅角とは
 6.2 房水の産生と流出
 6.3 経シュレム管房水流出路
 6.4 経ぶどう膜強膜房水流出路
7. 虹彩・毛様体・Zinn小帯
 7.1 虹彩
 7.2 毛様体
 7.3 Zinn小帯
8. 水晶体
 8.1 水晶体の外観
 8.2 水晶体の組織像
9. 硝子体
 9.1 硝子体の分子構造
 9.2 硝子体の組織構造
 9.3 硝子体の機能
 9.4 加齢変化
10. 感覚網膜
 10.1 網膜の層構造
 10.2 網膜の面構造
 10.3 網膜の血管,血液網膜関門
11. 網膜色素上皮
 11.1 網膜色素上皮の構造
 11.2 網膜色素上皮細胞の機能
12. 脈絡膜
13. 強膜
14. 視神経
 14.1 視神経乳頭
 14.2 視神経
 14.3 視神経の血管系
15. 外眼筋と眼球運動
 15.1 眼球運動の存在意義と種類
 15.2 外眼筋の作用と眼球運動,診断的むき眼位
 15.3 他の骨格筋と比べた外眼筋の特徴
 15.4 他の骨格筋運動と比べた眼球運動の特殊性
 15.5 視力との関係
16. 眼窩と副鼻腔
 16.1 眼窩
 16.2 副鼻腔
17. 視路
 17.1 視路の概要
 17.2 視交叉から外側膝状体へ
 17.3 外側膝状体
 17.4 視放線
 17.5 視領野(皮質視覚野)
 17.6 視領野から視覚前野へ
II. 眼と脳
1. 光受容の分子生物学
 1.1 視細胞の光受容機構
 1.2 細胞の順応機構
 l.3 桿体と錐体との光感度の違い
2. 網膜の情報処理
 2.1 視細胞の配列
 2.2 オン経路とオフ経路
 2.3 哺乳類の桿体経路と錘体経路
 2.4 神経節細胞
 2.5 網膜における側方伝達に関与する神経細胞
3. 一次視覚野の情報処理
 3.1 一次視覚野の基本構造
 3.2 受容野の構造
 3.3 刺激特徴抽出性
 3.4 機能コラム
 3.5 水平結合
 3.6 V1内の情報統合
4. 図形の認知心理学
 4.1 分節
 4.2 分類
 4.3 認識
5. 形態視の情報処理
 5.1 サルの形態視の情報処理
 5.2 ヒトにおける形態視の情報処理の障害
 5.3 形態視の情報処理研究の今後の展望
6. 色覚の情報処理
 6.1 視細胞
 6.2 皮質下での処理
 6.3 低次視覚皮質での処理
 6.4 高次視覚皮質の役割
7. 運動視の情報処理
 7.1 視覚情報処理における運動視の役割
 7.2 一次視覚野における運動視の情報処理
 7.3 二次視覚野と三次視覚野における運動視の情報処理
 7.4 五次視覚野における運動視の情報処理
 7.5 頭頂連合野,側頭連合野の運動視情報処理
8. 立体視の情報処理
 8.1 立体視の知覚プロセス
 8.2 ネコの一次視覚野における両眼視差検出ニューロンの発見
 8.3 サルの一次視覚野における両眼視差感受性ニューロン
 8.4 視覚前野の両眼視差感受性ニューロン
 8.5 頭頂連合野の立体視関連領域
9. 顔と表情の認識
 9.1 顔の認識システム
 9.2 イメージング研究
 9.3 サルにおける神経生理学的研究
 9.4 表情の認識
10. オプティックフローと自己運動
 10.1 体の移動と回転によっておこるオプティックフロー
 10.2 オプティックフローによっておこる眼球運動
 10.3 オプティックフローとニューロン活動
 10.4 オプティックフローに関係した臨床所見
11. レンズ調節と輻輳
 11.1 脳とレンズ調節・輻輳
 11.2 近見反応
 11.3 末梢の機構
 11.4 神経支配
 11.5 レンズ調節・輻輳についての脳の械能
12. サッケードと追跡眼球運動
 12.1 視覚情報の適切な取り込みと眼球運動の必要性
 12.2 眼球運動の基本特性
 12.3 サッケード
 12.4 追跡眼球運動
13. 視覚系のブレインイメージング
 13.1 ブレインイメージングデータのデータベース化
 13.2 ヒト脳の視覚認知機構
 13.3 顔情報視覚処理の時空間パターン
III. 眼と文化
1. 色と文化
 1.1 位色
 1.2 目立つ色
 1.3 プルキンエ現象
 1.4 色の識別と高齢者
 1.5 色コードの例
 1.6 信号灯の色
 1.7 青か緑か
2. 瞽女の感じる色の世界
 2.1 記憶"<色と言葉との出会い>
 2.2 "記憶"<服装>
 2.3 "記憶"<生活機能>
 2.4 "記憶"<盲人比格>
 2.5 "五官"<瞽女唄>
 2.6 "五官"<修行>
 2.7 "五官"<原初機能>
3. 視覚障害者の語り―イタコとボサマ
 3.1 イタコ
 3.2 イタコの「語り」
 3.3 ボサマ
 3.4 ボサマの「語り」
 3.5 イタコとボサマの語り
4. 文学における眼
5. 点字と脳
 5.1 脳賦活検査
 5.2 視覚野の可塑生
6. はじめて見る世界
 6.1 開眼直後の見え方
 6.2 見え方の変化
 6.3 諸研究のまとめ
 6.4 初期経験と視覚の発遠
7. 美術における眼
 7.1 絵画を見る眼
 7.2 絵画を創る眼
 7.3 暗黒の中の美術
8. 錯視の世罰
 8.1 錯視とは
 8.2 多義性(曖昧さ)
 8.3 ゆがみ
 8.4 補充
 8.5 パラドックス
9. 幻覚と絵画
 9.1 幻覚の種類
 9.2 現代絵画史における幻覚
 9.3 絵画と幻覚の距離
10. 眼と音楽
 10.1 楽譜の読みに関する研究
 10.2 失音楽における楽譜の読み書き障害
 10.5 自験例
IV. 眼の補助具
1. 眼鏡の歴史と現状
 1.1 眼鏡とは
 1.2 眼鏡の誕生
 1.3 眼鏡の伝来
 1.4 眼鏡の製作技術
 1.5 眼鏡の流行と普及
2. コンタクトレンズの歴史
 2.1 コンタクトレンズの原理の発見
 2.2 臨床への試み
 2.3 実用性の向上
 2.4 含水レンズの開発
3. コンタクトレンズの現状
 3.1 コンタクトレンズの変遷
 3.2 コンタクトレンズの最近の動向
 3.3 コンタクトレンズによる眼障害の実態
 3.4 コンタクトレンズの今後の課題
4. 眼内レンズの歴史と現状
 4.1 第1期:Ridleyレンズ
 4.2 第2期:前房レンズ
 4.3 第3期:虹彩支持レンズ
 4.4 第4期:改良型前房レンズ
 4.5 第5期:後房レンズ
 4.6 その後の改良
 4.7 眼内レンズを成功に導いたさまざまな要因
 4.8 今後の課題
5. 義眼の歴史と現状
 5.1 義眼とは
 5.2 義眼の形状
 5.3 義眼の素材
 5.4 義眼の歴史
 5.5 義眼の現状
6. 視力障害の基礎と臨床
 6.1 眼の構造
 6.2 視機能のしくみ
 6.3 視力障害をきたす疾患
7. 視力障害の補償
 7.1 視力障害とは
 7.2 障害補償の考え方
 7.3 障害補償の実際
 7.4 障害禰償の用具と設備
 7.5 介助者
 7.6 障害者施設
 7.7 障害補償の問題点
 7.8 役に立つ間い合わせ先
V. 眼の検査法
1. 視力・屈折・調節の検査
 1.1 視力検査法
 1.2 屈折検査
 1.3 調節の検査
2. 色覚・光覚の検査
 2.1 色覚検査
 2.2 暗順応検査
3. 眼位・眼球運動・両眼視の検査
 3.1 眼位の検査
 3.2 眼球運動の検査
 3.3 両眼視機能の検査
4. 視野検査
 4.1 静的視野計と動的視野計
 4.2 特殊な視野検査
 4.3 視野異常の所見
 4.4 疾患に特徴的な異常視野所見
5. 細隙灯顕微鏡・前眼部検査
 5.1 視診
 5.2 細隙灯顕微鏡
6. 眼底検査
 6.1 眼底とは
 6.2 眼底検査の目的
 6.3 眼底の検査法
 6.4 眼底カメラ
 6.5 蛍光眼底造影
 6.6 走査レーザー検眼鏡
 6.7 光干渉断層計
7. 電気生理検査
 7.1 網膜電図
 7.2 眼球電位図
8. 画像検査
 8.1 眼科領域の画像情報とデジタル化
 8.2 レーザーによる画像
 8.3 超音波による画像
 8.4 Ⅹ線,磁力線による画像
9. 微生物検査
 9.1 細菌とその感染症
 9.2 原因微生物の検査,証明
VI. 眼と社会環境
1. 眼科の社会医学
2. 視覚障害者の推移
 2.1 盲学校における視覚障害の主要原因疾患
 2.2 視覚障害者の原因疾患の推移
3. 眼科産業医の役割
4. 労働災害による眼障害
 4.1 顔面打撲,眼部打撲
 4.2 異物
 4.3 薬傷
 4.4 熱傷,火傷
 4.5 角膜裂傷,強膜裂傷,眼球破裂
 4.6 レーザー光障害
 4.7 紫外線による障害
 4.8 赤外線による障害
 4.9 放射線による障害
5. 公害と眼
 5.1 公害とは
 5.2 環境汚染物質と人体への影響
 5.3 まとめと今後
6. 保護眼鏡
 6.1 保護眼鏡の形状
 6.2 刺激物質から眼を保護する眼鏡
 6.3 有害光線などから眼を保護する眼鏡
7. VDT作業
 7.1 VDT健康障害の歴史的背景
 7.2 VDT作業とは
 7.3 VDT作業の問題点
 7.4 VDT作業とドライアイ
 7.5 VDT作業者の自覚症状と眼精疲労
 7.6 標準的VDT作業基準と今後の動向
8. スポーツによる眼外傷
 8.1 スポーツ眼外傷の現状
 8.2 症状による緊急度
 8.3 代表的なスポーツ眼外傷の原因・症状・治療
9. 色覚異常者
 9.1 色覚異常者の問題点
 9.2 教育環境
 9.3 進学時制限
 9.4 職業適性
 9.5 公共物などへの配慮
10. 視覚障害者認定
 10.1 総括的解説
 10.2 各項解説
11. リハビリテーションとロービジョン
 11.1 リハビリテーションとは
 11.2 視覚障害を有する人のリハビリテーションとは
 11.3 ロービジョンとは
12. 視力障害者の教育と福祉
 12.1 視覚障害者教育とは何か
 12.2 視覚障害者教育の歴史
 12.3 盲学校に通わせるべきか
 12.4 福祉とは何か
13. 失明予防活動
 13.1 Vision2020.the Right to Sight
 13.2 失明の定義と問題の現況
 13.3 失明予防の変遷と活動の段階
14. アイバンク
 14.1 歴史的経緯と現行アイバンク
 14.2 アイバンクの役割
15. 眼科医療サービス
 15.1 患者本位の診療
 15.2 今後の医療サービス
VII. 眼疾患
1. 視力障害
 l.1 視力の発達と加齢による生理的視力低下
 1.2 屈折異常による視力低下
 1.3 眼疾患による視力障害
2. 色覚異常
 2.1 先天色覚異常
 2.2 後天色覚異常
3. 眼位・眼球運動の異常
 3.1 眼位異常
 3.2 眼球運動の異常
4. 眼瞼の異常
 4.1 眼瞼の構造と機能
 4.2 眼瞼疾患
5. 涙液
 5.1 涙液の機能
 5.2 涙液の分泌
 5.3 涙液の構造
 5.4 涙液の動態
 5.5 涙液の成分
 5.6 ドライアイ
6. 結膜疾意
 6.1 総論
 6.2 各論
7. 角膜疾患
 7.1 総論
 7.2 各論
8. 水晶体疾患
 8.1 水晶体の疾患
 8.2 白内障
9. ぶどう膜の疾患
 9.1 ぶどう膜の解剖と生理機能
 9.2 ぶどう膜の疾患各論
10. 網膜疾患
 10.1 総論
 10.2 各論
11. 緑内障
 11.1 緑内障の分類
 11.2 緑内障の眼科検査
 11.3 緑内障の治療
12. 視神経疾患
 12.1 原因
 12.2 症状
 12.3 所見
 12.4 検査
 12.5 他の疾患との鑑別
 12.6 治療方針
 12.7 主な視神経疾患
13. 全身疾患との関連
 13.1 循環器系疾患
 13.2 腎疾患
 13.3 糖尿病
 13.4 甲状腺機能亢進症
 13.5 血液疾患
 13.6 感染性疾患
 13.7 先天代謝異常
 13.8 皮膚疾患・皮膚粘膜眼症候群
 13.9 膠原病
 13.10 栄養と眼
 13.11 筋・骨・結合織疾患
索 引
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執筆者紹介

【総編集】三島濟一
【編集者】岩田 誠,金井 淳,酒田英夫,澤 充,田野保雄,中泉行史
【執筆者(執筆順)】澤 充,庄司 純,田邉吉彦,栗橋克昭,山田昌和,片上千加子,田原昭彦,猪俣 孟,岩崎雅行,千々岩妙子,字賀茂三,沖坂重邦,松尾俊彦,上野聴樹,山中一郎,石橋達朗,水川 淳,澤口昭一,大平明彦,上野脩幸,若倉雅登,河村 悟,立花政夫,佐藤宏道,横澤一彦,吉山顕次,藤田一郎,小松英彦,三上章允,酒田英夫,中村克樹,河野憲二,板東武彦,福島菊郎,川島隆太,池田光男,木下 晋,佐藤時治郎,古川哲雄,定藤規弘,本田仁視,岩田 誠,鈴木光太郎,鈴木國文,河村 満,緑川 晶,白山晰也,水谷由紀夫,濱野 光,三宅謙作,厚澤弘陳,簗島謙次,栗原 亨,所 敬,谷野 洸,初川嘉一,飯島裕幸,岸 章治,三宅養三,字治幸隆,宮永嘉隆,小暮文雄,久保田伸枝,高橋 広,稲富 誠,青木 繁,畑田豊彦,山田宏圖,佐渡一成,中村かおる,岡島 修,石田みさ子,紺山和一,井上治郎,水流忠彦,濱野 孝,大橋裕一,谷口重雄,望月 撃,高村 浩,山下英俊,三嶋 弘,石川 弘,田中孝男,臼井正彦

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