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小児リウマチレジデントガイド
Metropolitan Pediatric Rheumatology Conference(編集)/日本小児リウマチ学会(編集協力)
Metropolitan Pediatric Rheumatology Conference(編集)/日本小児リウマチ学会(編集協力)
定価 2,970 円(本体 2,700 円+税)
B6変形判/256ページ
刊行日:2022年02月01日
ISBN:978-4-254-32263-7 C3047
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内容紹介
紙版刊行に先立って,各電子書店(honto,楽天Kobo,Amazon Kindle,Apple Books)で電子版の配信を開始しました.(2022/01/06)
・基礎的・実践的な知識を一通りコンパクトにまとめた,小児科レジデント必携の1冊
・小児科専門医を取得するうえで必須の内容
・ベッドサイドでも活用しやすい白衣ポケットサイズの紙版と,スマホやタブレットで持ち歩ける電子版が選べる
・対象読者:小児リウマチ診療にチームとして従事する臨床実習中の医学生,初期臨床研修医,後期臨床研修医,およびその指導者
編集部から
『小児リウマチレジデントガイド』を手にとってくださっている読者の皆様へ
「処方された薬をしっかり飲んだけれど,発熱が治まらない」,「関節が痛くて(痛そうで)腫れぼったい気がする」,「手指が冷たく色が悪い」,「軟膏をつけたけれど発疹がよくならない」という主訴をもつ子どもが先生方の診察室にこられたら,皆さんはどうしますか? 患者さんの診療情報を集めるために,血液検査,尿検査,抗原迅速検査,X線検査をはじめとする画像検査を必要な分オーダーして,その待ち時間に教科書・テキストに目を通したり,自分が信頼している検索サイトから必要な情報を入手したり,診療チーム内の先輩らと頭を巡らして鑑別診断を進めているのではないでしょうか? その過程で,頭の片隅にはリウマチや膠原病疾患も鑑別に浮かぶけれど,実際にはあまり多くない疾患だから,その疾患で良いのか,診断にまでどうアプローチすべきかいつも迷ってしまう,という実地の声があることも実際によく耳にします.
そのようなときに,お役に立つバイブル的情報書として,この『小児リウマチレジデントガイド』をぜひとも活用してください.本書は,小児リウマチ性疾患の基礎的・実践的な知識をコンパクトにまとめたもので,小児リウマチ診療にチームとして従事する臨床実習中の医学生から,初期臨床研修医,後期臨床研修医およびその指導者にまで広く使っていただけるように工夫を施しています.
本書の方針として,実地で研鑽を積んでいる小児リウマチ医である執筆陣には,
・小児リウマチ学のエッセンスを簡潔にわかりやすくコンパクトに記述する,
・ベッドサイドでの必須検査項目や標準治療などの知識の導入として用いることができるように配慮する,
・小児リウマチ学分野の将来性や,研究対象としての興味深さが伝わるような内容も適宜に加える,
・診断基準,診療指針・ガイドライン,統計資料などは最新のものに準拠する,
などについて心がけていただきました.
各疾患の章をご覧いただくとわかると思いますが,まず冒頭にその疾患で『大切な押さえておくべきポイント』が箇条書きに列記され,診断あるいは分類基準に続いて,臨床症状(「この症状があったらその疾患を疑おう」「こんな症状にも注意しよう」)と検査(「この検査をオーダーしよう」「診断が確定したら追加で確認しよう」「必要に応じて検討しよう」)について解説し,最後に治療と予後について触れられています.ここには,臨床の場で診ることがある主な小児リウマチ性疾患はほとんど網羅しており,その疾患の診断アプローチだけでなく,疾患概念,特徴,治療に至るまで読みやすくまとめてあります.
本書を読むことで,皆さんが小児リウマチ学分野に興味をもつ契機になれば執筆者代表として嬉しく思っています.本書はカナダで刊行された A Resident\'s Guide to Pediatric Rheumatology 4th Revised Edition(The Hospital For Sick Children)を参考にしながら,本邦ならではの情報をはじめとした特色ある内容も数多く盛り込みました.編集のMetropolitan Pediatric Rheumatology Conference(MPRC)は,東京を中心とした小児リウマチ性疾患の診療施設の専門医や若手医師が参加する研究会で,会合ではいつも症例検討などの活発な討議が繰り広げられており,本書にも,スペシャリストならではの知識や診療スキルが余すことなく詰め込まれています.実臨床の場で多忙な業務をこなしながら,ご執筆いただいた先生方に深く感謝申し上げます.
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座
聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科/
リウマチ・膠原病生涯治療センター
教授 森 雅亮
目次
序
1. 診断へのアプローチ
1-1. 対象となる主な疾患
1-1-1. リウマチ性疾患
1-1-2. 血管炎
1-1-3. 自己炎症性疾患
1-2. 臨床症状からのアプローチ
1-3. 検査異常からのアプローチ
1-4. 画像検査からのアプローチ
2. 鑑別診断
2-1. 関節痛へのアプローチ
2-1-1. 単関節痛
(1)単関節痛の鑑別診断
(2)単関節痛への検査
2-1-2. 多関節痛
(1)多関節痛の鑑別診断
(2)多関節痛への検査
2-1-3. 関節痛に伴う臨床情報から考える鑑別診断
2-2. 腰痛へのアプローチ
2-2-1. 腰痛の鑑別診断
2-2-2. 腰痛への検査
2-3. 発熱へのアプローチ
2-3-1. 不明熱
(1)不明熱の定義
(2)不明熱の鑑別診断
(3)不明熱への検査
2-3-2. 反復性発熱
(1)反復性発熱の定義
(2)反復性発熱の鑑別診断
(3)反復性発熱への検査
2-4. 再発性口腔内潰瘍へのアプローチ
2-4-1. 再発性口腔内潰瘍の鑑別診断
2-4-2. 原因による口腔内潰瘍の特徴
2-5. リンパ節腫脹の鑑別診断
2-6. 結節性紅斑の鑑別診断
2-7. 再発性耳下腺炎の鑑別診断
2-8. 筋力低下の鑑別診断
2-9. 舞踏運動と異常運動の鑑別診断
2-10. 脳卒中様症状の鑑別診断
3. 全身型若年性特発性関節炎(sJIA)
3-1. 診断基準
3-2. 臨床症状
3-2-1. この症状があったらsJIAを疑おう
3-2-2. こんな病態にも注意しよう
3-2-3. 鑑別診断に留意しながら診察しよう
3-3. 検査
3-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
(1)血液検査
(2)尿検査
(3)画像検査
3-3-2. 診断が確定したら追加で確認しよう
3-3-3. 診断がはっきりしない場合は検討しよう
3-4. 合併症
3-4-1. マクロファージ活性化症候群(MAS)
3-4-2. 慢性肺疾患
3-4-3. アミロイドーシス
3-5. 治療
3-6. 予後
4. 関節型若年性特発性関節炎
4-1. 診断基準
4-2. 臨床症状
4-2-1. この症状があったら関節型JIAを疑おう
4-2-2. こんな病態にも注意しよう
4-2-3. 鑑別診断に留意しながら診察しよう
4-3. 検査
4-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
4-3-2. 診断が確定したら追加で確認しよう
4-3-3. 診断がはっきりしない場合は検討しよう
4-4. 合併症
4-4-1. ぶどう膜炎
4-5. 治療
4-6. 予後
5. 若年発症の脊椎関節炎(jSpA)
5-1. 診断基準
5-1-1. ILAR によるJIA分類基準
5-1-2. 小児乾癬性関節炎(JPsA)のバンクーバー分類
5-2. 臨床症状
5-2-1. この症状があったら脊椎関節炎を疑おう
5-2-2. こんな症状にも注意しよう
5-3. 検査
5-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
(1)血液検査
(2)画像検査
5-3-2. 診断が確定したら追加で確認しよう
5-3-3. 必要に応じて検討しよう
5-4. 鑑別疾患
5-5. 治療
5-6. 予後
6. 全身性エリテマトーデス
6A. 全身性エリテマトーデス(SLE)
6A-1. 診断基準
6A-1-1. 小児SLE診断の手引き
6A-1-2. SLICC分類基準(2012)
6A-1-3. 2019 ACR/EULAR 分類基準
6A-2. 臨床症状
6A-2-1. この症状があったらSLEを疑おう
(1)皮膚症状
(2)口腔内潰瘍
(3)関節症状
(4)急性心外膜炎
(5)胸膜炎
(6)精神神経ループス(NP-SLE)
6A-2-2. こんな症状にも注意しよう
6A-3. 検査
6A-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
(1)血液検査
(2)尿検査
6A-3-2. 診断が確定したら追加で確認しよう
(1)血液検査
(2)画像検査・生理機能検査・その他
(3)腎生検
6A-4. 合併症
6A-4-1. 抗リン脂質抗体症候群(APS)
6A-4-2. Sjogren 症候群
6A-4-3. 血栓性微小血管症(TMA)
6A-4-4. マクロファージ活性化症候群(MAS)
6A-5. 治療
6A-6. 予後
6B. 新生児ループス
6C. 薬剤関連ループス
7. 混合性結合組織病
7A. 混合性結合組織病(MCTD)
7A-1. 診断基準
7A-2. 臨床症状
7A-2-1. この症状があったらMCTDを疑おう
7A-2-2. こんな症状にも注意しよう
7A-3. 検査
7A-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
(1)血液検査
(2)寒冷刺激試験,サーモグラフィー
(3)筋力評価
(4)画像検査
7A-3-2. 診断が確定したら追加で確認しよう
(1)血液検査
(2)画像検査
(3)その他
7A-3-3. 診断がはっきりしない場合は検討しよう
7A-4. 合併症
7A-4-1. 腎障害
7A-4-2. Sjogren 症候群
7A-5. 治療
7A-5-2. 治療方針
7A-5-2. その他の注意
7A-6. 予後
7B. Raynaud 現象
7B-1. Raynaud 病
7B-1-1. 病態
7B-1-2. 治療
(1)初期治療
(2)組織障害がある,または懸念される場合
7B-2. 二次性Raynaud 現象
7B-2-1. 病態
7B-2-2. 治療
7B-2-3. 予後
8. 血管炎症候群1(大動脈炎症候群,PAN,GPA,MPA)
8A. 高安動脈炎(Takayasu arteritis:TA)
8A-1. 診断基準
8A-2. 臨床症状
8A-2-1. この症状があったら高安動脈炎を疑おう
8A-2-2. こんな症状にも注意しよう
8A-3. 検査
8A-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
(1)血液検査
(2)画像検査
8A-3-2. 診断が確定したら追加で確認しよう
8A-3-3. 診断がはっきりしない場合は検討しよう
8A-4. 合併症
8A-5. 治療
8A-6. 予後
8B. 結節性多発動脈炎(PAN)
8B-1. 診断基準
8B-2. 検査
8B-3. 治療
8C. 多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
8C-1. 診断基準
8C-2. 検査
8C-3. 治療
8D. 顕微鏡的多発血管炎(MPA)
8D-1. 診断基準
8D-2. 検査
8D-3. 治療
9. 血管炎症候群2(川崎病,IgA 血管炎)
9A. 川崎病
9A-1. 診断基準
9A-2. 臨床症状
9A-2-1. この症状があったら川崎病を疑おう
9A-2-2. こんな症状にも注意しよう
9A-3. 検査
9A-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
9A-3-2. こんな検査所見に注意しよう
9A-3-3. 必要に応じてこんな検査もオーダーしよう
9A-4. 合併症
9A-5. 治療
9A-5-1. 治療時期
9A-5-2. 治療薬
(1)免疫グロブリン大量療法
(2)アスピリン
(3)ステロイド
(4)インフリキシマブ
(5)その他の治療
9A-6 予後
9B. IgA 血管炎(IgAV,HSP)
9B-1. 診断基準
9B-2. 臨床症状と発生頻度
9B-3. 検査
9B-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
9B-3-2. こんな検査所見に注意しよう
9B-4. 治療
9B-5. 予後
10. 若年性特発性炎症性筋症
10A. 若年性皮膚筋炎(JDM)
10A-1. 診断基準
10A-2. 臨床症状
10A-2-1. この症状があったら皮膚筋炎を疑おう
10A-2-2. こんな症状にも注意しよう
10A-3. 検査
10A-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
(1)筋力評価
(2)血液検査
(3)画像検査
10A-3-2. 診断が確定したら追加で確認しよう
10A-3-3. 診断がはっきりしない場合は検討しよう
10A-4. 合併症
10A-4-1. 間質性肺炎
10A-4-2. 皮下石灰化
10A-5. 治療
10A-6. 予後
10B. 若年性多発性筋炎(JPM)
11. 強皮症
11A. 全身性強皮症
11A-1. 診断基準・分類基準
11A-2. 臨床症状
11A-2-1. こんな症状があったら強皮症を疑おう
11A-2-2. こんな症状にも注意しよう
11A-3. 検査
11A-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
11A-3-2. 診断が確定したら追加で確認しよう
11A-3-3. 診断がはっきりしない場合は検討しよう
11A-4. 治療
11A-5. 予後
11B. 限局性強皮症
11B-1. 1 限局性強皮症の特徴
11B-2. 診断
11B-3. 治療
12. シェーグレン症候群
12-1. 診断基準
12-2. 臨床症状
12-2-1. この症状があったらシェーグレン症候群を疑おう
12-2-2. 小児と成人の違い
12-2-3. 全身評価
12-3. 検査
12-3-1. この検査結果に注意しよう
(1)血液検査
(2)画像検査
12-4. 合併症
12-5. 治療
12-6. 予後
13. Behcet病
13-1. 診断基準
13-2. 臨床症状
13-2-1. この症状があったらBehcet病を疑おう
13-2-2. こんな症状にも注意しよう
13-3. 検査
13-3-1. まずはこの検査をオーダーしよう
13-3-2. 診断がはっきりしない場合は検討しよう
13-4. 合併症
13-5. 治療
13-6. 予後
14. 自己炎症性疾患
14A. PFAPA
14A-1. 臨床症状
14A-2. 治療
14A-3. 予後
14B. クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)
14B-1. 病型
14B-1-1. 家族性寒冷自己炎症症候群(FCAS)
14B-1-2. Muckle?Wells 症候群(MWS)
14B-1-3. 新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)/慢性乳児神経皮膚関節症候群(CINCA 症候群)
14B-2. 治療
14C. 家族性地中海熱(FMF)
14C-1. 診断基準
14C-2. 臨床症状
14C-3. 治療
14D. TNF 受容体関連周期性症候群(TRAPS)
14D-1. 診断チャート
14D-2. 臨床徴候
14D-3. 治療
14E. メバロン酸キナーゼ欠損症/高IgD症候群
14E-1. 診断チャート
14E-2. 臨床徴候
14E-3. 治療
15. 慢性疼痛症候群
15-1. 診断基準
15-2. 臨床症状
15-2-1. この症状があったら慢性疼痛症候群を疑おう
15-2-2. 小児と成人の違い
15-3. 検査
15-4. 合併症
15-5. 治療
15-6. 予後
16. エマージェンシー
16-1. 新生児ループスに合併する先天性心ブロック
16-1-1. 臨床症状
(1)この症状があったら疑おう
(2)こんな症状にも注意しよう
16-1-2. 検査
(1)まずはこの検査をオーダーしよう
16-1-3. 治療
16-1-4. 予防
16-2. マクロファージ活性化症候群(MAS)
16-2-1. 臨床症状
(1)この症状があったらMASを疑おう
16-2-2. 診断のための検査
(1)まずはこの検査をオーダーしよう
16-2-3. 診断基準
16-2-4. 治療
16-3. 肺腎症候群
16-3-1. 肺腎症候群の原因
16-3-2. 臨床症状
16-3-3. 診断のための検査
16-3-4. 治療
16-4. 劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)
16-4-1. 臨床症状
16-4-2. 診断のための検査
16-4-3. 治療
16-5. 心タンポナーデ
16-5-1. 原因となるリウマチ性疾患
16-5-2. 臨床症状
16-5-3. 診断のための検査
16-5-4. 治療
16-6. 川崎病ショック症候群(KDSS)
16-6-1. 臨床症状
16-6-2. 診断のための検査
16-6-3. 治療
16-6-4. 予後
16-7. 全身性強皮症の腎クリーゼ
16-7-1. 臨床所見
16-7-2. 診断のための検査
16-7-3. 治療
16-7-4. 予後
16-8. 急性副腎クリーゼ(急性副腎不全)
16-8-1. 臨床所見
16-8-2. 検査所見
16-8-3. 治療
16-8-4. 予防
17. 治療
17-1. 治療開始前スクリーニング
17-2. 主な治療薬
17-2-1. 副腎皮質ステロイド
17-2-2. 免疫抑制薬
17-2-3. 生物学的製剤
17-2-4. JAK阻害薬
17-2-5. その他
17-2-6. 予防薬など
18. 予防接種
18-1. 予防接種の前に
18-2. 免疫抑制治療下における予防接種
18-3. 予防接種法改正に伴う異なる予防接種の接種間隔の一部変更
18-4. COVID-19ワクチンについて
執筆者紹介
◆編集
Metropolitan Pediatric Rheumatology Conference(MPRC):東京を中心とした小児リウマチ性疾患の診療施設による,症例検討や情報交換を目的とした研究会(小児リウマチ専門医と若手医師が参加).
◆編集協力
日本小児リウマチ学会