看護職員の惨事ストレスとケア ―災害・暴力から心を守る―

松井 豊(編著)

松井 豊(編著)

定価 2,750 円(本体 2,500 円+税)

A5判/132ページ
刊行日:2020年10月01日
ISBN:978-4-254-33011-3 C3047

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内容紹介

看護職員が日常業務や自然災害で被る惨事ストレスとそのケアのあるべき姿を解説。〔内容〕惨事ストレスとは/日常業務で看護職員が被る惨事ストレス/被災した看護職員・看護管理職員の惨事ストレス/被災した看護職員のストレスケア/他

編集部から

看護職員の惨事ストレスを国内で初めて体系的に紹介!

〇本書まえがきより
──看護職員が病院内で受けた暴力によっていかに傷つくかや,災害時に強い使命感で活動した看護職員が後年,ストレス症状に苦しむ実態などが明らかにされている.その中で看護職員は他の職業的災害救援者に比べてストレス反応が多く現れやすいという特徴も明らかになっている。ただし,これらの研究知見は,災害看護学の書籍の一部でしか紹介されていなかった.
 しかし,惨事ストレスは看護職員のメンタルヘルスにとって重要な問題であり,看護職員自身や職員を管理する立場の人が理解しておくべき知識と考えられる.こうした問題意識に立って,本書では,看護職員が被る惨事ストレスにかんする研究知見と事例を体系的に紹介している. ──
                             

目次

1 惨事ストレスの基礎〔松井 豊〕
  1.1 惨事ストレスとは
  1.2 惨事ストレスの基本症状
  1.3 惨事ストレスの時間経過
  1.4 看護職員の惨事ストレスの原因

第1部 看護職員の日常的な惨事ストレス
 2 日常業務で看護職員が被る惨事ストレス〔三木明子〕
  2.1 看護職員の労働災害認定事例ならびに裁判事例
  2.2 看護職員が被る惨事ストレスの実態〔矢山 壮・三木明子〕
   2.2.1 国内外における看護職員の惨事ストレス研究のレビュー
   2.2.2 惨事ストレスを受けた看護職員の事例紹介〔三木明子〕
  2.3 様々な業務に伴う惨事ストレス〔黒田梨絵・三木明子〕
   2.3.1 プレホスピタルケアで経験する外傷的出来事と惨事ストレス
   2.3.2 フライトナースと救急看護師との惨事ストレスの比較
   2.3.3 病院勤務看護師が被る部署別の惨事ストレス
   2.3.4 訪問看護師が被る暴力・ハラスメント被害の実態〔三木明子・黒田梨絵〕
 
 ●コラム1 精神科病棟の看護職員の惨事ストレス〔山口真平〕
 
 3 日常的な惨事ストレスへの対策〔三木明子〕
  3.1 医療機関ならびに訪問看護事業所における惨事ストレス対策
  3.2 被害者への支援
  3.3 日常的な惨事ストレスケア

第2部 被災した看護職員の惨事ストレス
 4 被災した看護職・救援看護職のストレス〔山﨑達枝〕
  4.1 被災地での看護活動
  4.2 被災地外救援者と被災地内救援者
 
 ●コラム2 受援を行った看護職のストレス〔登谷美知子〕
 ●コラム3 「壊滅」「惨劇」「無力」に言葉を失った日々〔川上嘉明〕
 
 5 被災した看護管理職のストレス〔石母田由美子〕
  5.1 災害と看護管理職
  5.2 東日本大震災で被災した看護管理職員のストレス
  5.3 被災した看護管理職員にとって必要な支援
  5.4 おわりに
 
 ●コラム4 看護管理者の立場から東日本大震災の学びをつなぐ〔高橋洋子〕
 ●コラム5 被災看護管理職の出会いからピアサポート・ネットワークの実践まで〔山﨑達枝〕             
                           
 6 被災した看護職員のストレスケア〔桑原裕子〕
  6.1 ストレスケアの基礎的な理解
  6.2 広域災害時に有効なセルフケア
  6.3 広域災害時に用いることができる臨床的知見に基づいたセルフケア
  6.4 広域災害時のラインによるケア,専門的なケア
  6.5 被災地に派遣された看護職員のケア〔山﨑達枝〕
 
 ●コラム6 熊本地震後の看護職を支えた「くまもと復興応援ナース」制度           
                             〔岡 順子〕

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