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作物学事典 (普及版)
日本作物学会(編)
内容紹介
作物学研究は近年著しく進展し,また環境問題,食糧問題など作物生産をとりまく状況も大きく変貌しつつある。こうした状況をふまえ,日本作物学会が総力を挙げて編集した作物学の集大成。◆〔内容〕総論(日本と世界の作物生産/作物の遺伝と育種,品種/作物の形態と生理生態/作物の栽培管理/作物の環境と生産/作物の品質と流通)。各論(食用作物/繊維作物/油料作物/糖料作物/嗜好料作物/香辛料作物/ゴム料作物/薬用作物/牧草/新規作物)。〔付〕作物学用語解説
編集部から
目次
総 論
1. 日本と世界の作物生産
1.1 わが国の作物の生産状況,需給
農業生産の現況/耕地利用の変遷と現状/食料自給率の変遷/農産物の貿易
1.2 世界の作物の生産状況,需給
作物生産の現状/農産物の需給
1.3 作物生産と人口・食料問題
20世紀後半における推移/21世紀前半における推移の予測
1.4 地球環境変化と作物生産
人類の経済活動と大気環境/生命を支える太陽光/地球の歴史と植物の生育環境/大気環境と光合成/地球環境変化と作物の生産生態/地球環境変化と作物生産システム
1.5 持続可能な作物栽培
環境保全型農業への社会的要請/持続性を阻害する要因と技術開発/農業生態系の理解/持続可能な作物栽培を支援する研究分野
1.6 最近の諸施策
農政改革の動き/各政策大綱の概要/技術開発における最近の動き
2. 作物の遺伝と育種,品種
2.1 作物の起源と伝播
作物の起源/作物としての特質の獲得/起源の中心地/二次作物/作物の伝播と発達/起源をめぐって
2.2 遺伝資源の収集,保存,評価
遺伝資源の定義/遺伝資源の収集/遺伝資源の保存/遺伝資源の評価
2.3 作物育種の歴史と品種の変遷
作物育種の歴史/品種の変遷
2.4 主要作物の育種目標
多収性/品質/耐病虫性/耐ストレス性/適応性
2.5 作物育種の方法
作物育種の基礎/自殖性作物の育種法/他殖性作物/栄養繁殖作物/その他の育種手法
2.6 種苗登録
品種登録の対象となる植物/品種登録の要件/品種登録出願の手続きおよび必要な書類等/出願公表および仮保護/審査/品種登録と育成者権/育成者権の例外
2.7 作物のバイオテクノロジー
基盤としてのゲノム研究/遺伝子組換え技術/遺伝子組換え作物の開発/遺伝子組換え作物の安全性評価
2.8 圃場試験法,調査基準,データ処理
圃場試験法(品種育成試験)の概要/調査基準/データ処理(品種間の多重比較)
2.9 奨決事業,採種,普及
奨決事業/品種の維持・増殖/品種証明と種子流通
3. 作物の形態と生理生態
3.1 作物の形態
種子の構造と発芽・初期成長/茎頂の体制と分裂組織/茎の節間成長と肥大/維管束と中心柱の構造/茎の一次構造と維管束形成/薬の分化と成長/葉の構造/根の構造/表皮系
3.2 作物の成長
胚発生/頂端分裂組織における細胞分裂/細胞の伸長生長/オーキシンの極性移動と頂芽優性/屈性/貯蔵器官の形成と生長/細胞死と個体の老化・枯死
3.3 作物の光合成
光合成との関連からみた葉・葉緑体の構造/光合成の基本機構/光合成に及ぼす各種要因/穂・莢における光合成/光合成能力の種間差と品種間差
3.4 作物の呼吸
呼吸の定義/呼吸によるエネルギー獲得の機構/呼吸の制御/成長呼吸と維持呼吸
3.5 乾物生産と収量形成
光合成と乾物生産/光合成・呼吸のCO2収支と乾物生産/乾物生産および収量における太陽エネルギー利用効率/光合成生産物の分配と収量
3.6 作物の代謝および成長調節物質
解糖系および糖新生系/代謝系としてみたCAMの多様性/シキミ酸経路/コリスミ酸を出発物質とする二次代謝/持続可能型作物は可能か
3.7 作物と水
水環境が作物の成長や生理に及ぼす影響/水ストレス耐性/水環境の変化と作物の生育
3.8 作物の栄養
養分/養分吸収の機構/根の分布と養分吸収/窒素代謝/リン代謝/作物の成長に伴う養分の吸収/窒素固定/根粒における窒素固定/養分の体内移動と循環
3.9 作物の生活環と生態
イネ/マメ類/いも類
4. 作物の栽培管理
4.1 土壌管理
耕耘,整地/施肥
4.2 作物の栽培
種物/育苗/播種/移植/管理/収穫
4.3 農業機械
作物栽培における農業機械の役割/農業動力,農用トラクタ/
作業用機械・施設/機械化体系
4.4 病害虫防除
病害防除/虫害防除
4.5 雑草防除
雑草とはどのような植物か/雑草による被害と防除の必要性/雑草の分類/農耕地における主な雑草/雑草の発生と繁殖の要因/雑草の防除法の変遷と省力化/雑草防除法の種類
4.6 作付体系
作付体系とは/作付体系を構成する諸要因/作付体系の発達/わが国の主要な作付体系/世界の主な作付体系/今後の作付体系
4.7 作物生産モデル
モデルの前提と基本的枠組み/発育のモデル化/成長のモデル化/分配のモデル化/モデルの用途
5. 作物の環境と生産
5.1 作物と土壌環境
耕地土壌の特徴/作物栽培における土壌の役割/水田と畑の土壌環境/有機物施用と土壊環境の改善/不耕起栽培
5.2 作物と気象
日射エネルギーと植物生産/温度と植物/水と植物生産/気候資源と植物生産/環境ストレス
5.3 環境汚染と作物
大気汚染/土壌汚染/水質汚染
5.4 作物生産と環境問題
作物生産の環境へのインパクト/地球環境変化の作物生産への影響/地球環境変化と作物生産にかかわる課題
5.5 熱帯における作物生産
作物学における熱帯へのかかわり方/熱帯における農業の歴史的展開/熱帯における作物生産の現状と課題/熱帯におけるファーミングシステム研究と地域研究
5.6 乾燥地における作物生産
乾燥地とは/乾燥地の土壌/乾燥地農業の形態/乾燥地農業の問題点/持続的な乾燥地農業をめざして
5.7 作物のリモートセンシング
リモートセンシングで植物を測る/分光放射計測による作物の生育診断/人工衛星による広域農業情報の収集
6. 作物の品質と流通
6.1 品 質
作物の品質」の視点/「作物の品質要素」の重要度の変遷/作物の品質」の変動要因/作物の「量的生産と質的生産」との関係/作物の「品質育種と成分育種」の成功事例/作物の「品質測定法」/作物の「規格と検査」
6.2 流通,管理
規制緩和と食品流通再編/米穀流通の自由化と新食糧法の制定/農産物規格検査と成分検査/精米の商品化と表示/米の輸入と備蓄制度/米麦など土地利用型作物の生産調整
6.3 ポストハーベスト
貯蔵中の変質の原因/温度と水分の影響/ポストハーベスト農薬/米のポストハーベスト/いも類のポストハーベスト/食品の安全性
各 論
7. 食用作物
7.1 穀 類
イネ(水稲,陸稲)/ムギ類/雑穀類
7.2 マメ類
7.3 いも類
8. 繊維作物
9. 油料作物
10. 糖料作物
11. 嗜好料作物
11.1 チャ
11.2 コーヒー
11.3 カカオ
11.4 タバコ
11.5 ホップ
11.6 その他
12. 香辛料作物
12.1 コショウ
12.2 トウガラシ
12.3 カラシナ
12.4 シナモン
12.5 ワサビ
12.6 ショウガ
12.7 ウコン
12.8 二クズク
12.9 チョウジ
12.10 オールスパイス
12.11 ハーブ類
13. ゴム料作物
13.1 パラゴム
13.2 グアユール
13.3 サポジラ
13.4 石油作物
14. 薬用作物
14.1 オタネニンジン
14.2 除虫菊
14.3 ハッカ
14.4 オウレン
14.5 ミシマサイコ
15. 飼料作物
15.1 イネ科牧草
15.2 マメ科植物
16. 新規作物
16.1 食料作物
16.2 多様な機能性作物
16.3 工業原料作物
16.4 飼料(牧草)・緑肥作物
17. 作物学用語解説
18. 索 引
執筆者紹介
【編集】日本作物学会
【編集委員長】石井龍一
【編集委員】今井 勝,吉田智彦
【執筆者】石井龍一,岩間和人,今井 勝,鳥越洋一,羽鹿牧太,後藤雄佐,宮崎尚時,一井眞比古,續 栄治,吉田智彦,牛山智彦,大杉 立,高野 泰,尾形武文,松田智明,幸田泰則,上野 修,中野淳一,窪田文武,野瀬昭博,平沢 正,巽 二郎,鯨 幸夫,森田 脩,丸山幸夫,塩谷哲夫,齊藤邦行,芝山秀次郎,松井重雄,高見晋一,三枝正彦,野内 勇,谷山鉄郎,堀江 武,田中耕司,稲永 忍,秋山 侃,田代 享,猪谷富雄,玉置雅彦,三宅 博,川島長治,寺島一男,井上直人,松江勇次,和田道宏,古庄雅彦,山本由徳,野島 博,堀内孝次,国分牧衛,飯田修三,村田吉平,鈴木一男,高橋 幹,佐々木 修,岡田謙介,杉本秀樹,豊原秀和,三浦邦夫,片野 學,道山弘康,川満芳信,野村信史,内田直次,山岸 徹,廣瀬昌平,桃木芳枝,平田昌彦,清水矩宏,加藤盛夫