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内容紹介
動物園は現在,動物生態の研究・普及の拠点として社会における重要性を増しつつある。日本の動物園の歴史,意義と機能,動物園動物の捕獲・飼育・行動生態・繁殖・福祉などについて総合的に説き起こし,「動物園学」の確立を目指す一冊。
編集部から
目次
1章 序論―動物園学とは (村田浩一)
1.1 動物園の存在意義
1.2 動物園学とは何か
1.2.1 動物園学の体系
1.2.2 動物園の氷山モデル
1.2.3 進化する動物園学
2章 動物園の歴史学
2.1 動物園の歴史
2.1.1 近代動物園のあゆみ (川田 健)
【コラム】サファリ (川上茂久)
2.1.2 日本の動物園史 (石田 戢)
【コラム】ドリームナイト・アット・ザ・ズー (長倉かすみ)
2.2 動物園の文化―動物園はどこに向かう (木下直之)
2.2.1 日本社会のなかの動物園
2.2.2 ゾウ飼育をめぐる議論
【コラム】特色のある動物園 (綿貫宏史朗)
3章 動物園の生物学
3.1 概 論 (楠田哲士)
3.1.1 動物園生物学とは
3.1.2 動物園生物学の研究動向
3.1.3 動物園生物学の研究体制
3.1.4 動物園生物学の研究の倫理
3.2 各 論
3.2.1 比較解剖 (佐々木基樹)
3.2.2 動物の学習に関する基礎知識 (田中正之)
【コラム】ハズバンダリートレーニング (柴田典弘)
3.2.3 動物園における行動学,生態学―有蹄類を中心に (三浦慎悟)
3.2.4 繁殖生理・内分泌 (楠田哲士)
4章 動物園の保全生物学
4.1 概 論 (成島悦雄)
4.1.1 野生生物の現状
4.1.2 飼育個体群をつくる意味
4.1.3 飼育個体群の管理
4.1.4 生息域内保全を保管する生息域外保全
【コラム】国際間交流 (原 久美子)
4.2 各 論
4.2.1 域外保全と域内保全 (桑原一司)
4.2.2 希少種の保全 (大橋直哉)
4.2.3 遺伝資源の保存 (大沼 学)
【コラム】友好動物 (橋川 央)
5章 動物園の飼育管理学
5.1 概 論 (堀 秀正)
5.1.1 博物館としての動物園
5.1.2 資料の保管
5.1.3 種の同一性の保持
5.1.4 生息環境の再現
5.1.5 飼育管理の手法としての安楽殺
5.1.6 持続可能な利用と生息域内保全
5.2 各 論
5.2.1 動物の栄養 (梶川 博・浅野早苗)
5.2.2 動物園動物の個体管理 (堀 秀正)
5.2.3 動物園における展示動物の遺伝管理 (正田陽一)
5.2.4 動物園での飼育個体群の遺伝的管理 (永田尚志)
5.2.5 捕獲・移送技術 (橋崎文隆)
5.2.6 動物飼育各論
a. 哺乳類 (細田孝久)
b. 鳥 類 (杉田平三・小川裕子)
c. 爬虫類 (桐生大輔)
d. 両生類 (荒井 寛)
【コラム】野生動物の人工保育 (椎名 脩)
6章 動物園の獣医学
6.1 概論―動物園の医学 (松本令以)
6.1.1 動物園獣医師の役割
6.1.2 動物園医学教育
6.1.3 診療の実際
6.1.4 インフォームドコンセント
6.1.5 診療情報の蓄積と収集
6.1.6 終末期医療と安楽死
6.1.7 病理検査と動物遺体の有効活用
6.1.8 保全医学と動物園獣医師
【コラム】傷病鳥獣の救護 (松本令以)
6.2 各 論
6.2.1 予防医学 (豊嶋省二)
6.2.2 外科学 (福井大祐)
【コラム】国内初の野生動物の皮膚移植手術 (福井大祐)
6.2.3 内科学 (宮下 実)
6.2.4 寄生虫学 (浅川満彦)
6.2.5 感染症学 (福本幸夫)
6.2.6 麻酔学 (福井大祐)
【コラム】不動化あれこれ (福井大祐)
【コラム】難敵チンパンジー対策 (福井大祐)
【コラム】治療成功の鍵は麻酔にあり (福井大祐)
7章 動物園の展示学―動物園とデザイン
7.1 総 論―動物園展示の形態 (本田公夫)
7.1.1 建築物主導の展示デザイン
7.1.2 ハーゲンベックの革命
7.1.3 ニューヨークの動物園でのジオラマ展示の発展
7.1.4 アリゾナ・ソノーラ砂漠博物館からランドスケープ・イマージョンへ
7.1.5 ストーリー性とテーマパーク化
7.2 各 論
7.2.1 媒体としての展示を考える (本田公夫)
7.2.2 ユニバーサルデザインと動物園 (本田公夫)
7.2.3 デザインのプロセス―評価 (本田公夫)
7.2.4 デザインのプロセス―デザイン機能と役割分担 (本田公夫)
7.2.5 解説サイン (本田公夫)
7.2.6 景観デザイン (本田公夫)
【コラム】展示における解説計画と課題 (村井良子)
7.2.7 動物園での体験型展示 (天野未知)
8章 動物園の教育学
8.1 概 論 (並木美砂子)
8.1.1 動物園教育の目的―持続可能な社会構築のための人づくり
8.1.2 動物教育と動物園教育の関係
8.1.3 対象とプログラム
【コラム】こども動物園 (高藤 彰)
8.2 各 論
8.2.1 学校教育との連携 (松本朱実)
【コラム】動物園でのガイド―インタープリテーションの心得 (松本朱実)
8.2.2 参加型プログラム (長倉かすみ)
【コラム】動物の写真撮影法 (さとうあきら)
9章 動物園の福祉学
9.1 概論―動物園動物の福祉と倫理 (土居利光)
9.1.1 「動物福祉」が指していること
9.1.2 動物福祉という思想
9.1.3 動物福祉の流れ
9.1.4 環境倫理と動物倫理
9.1.5 動物園動物の倫理と福祉
【コラム】動物慰霊碑 (成島悦雄)
9.2 各 論
9.2.1 動物園の倫理 (土居利光)
9.2.2 環境エンリッチメント (細田孝久)
【コラム】動物園で働くには (村田浩一)
10章 動物園の経営学
10.1 概 論 (小松 守)
10.1.1 動物園と経営
10.1.2 動物園経営と目標設定
10.1.3 目標達成に必要な動物園組織
10.1.4 組織管理と統括
10.1.5 組織管理の人間論
10.2 各 論
10.2.1 動物園の組織と体制 (山本茂行)
10.2.2 動物園の関係法規 (冨田恭正)
10.2.3 危機管理 (成島悦雄)
10.2.4 動物の収集計画(コレクション・プランニング) (日橋一昭)
10.2.5 世界の動物園連合体 (冨沢奏子)