コンパクト公衆衛生学 第7版

松浦 賢長小林 廉毅苅田 香苗(編著)

松浦 賢長小林 廉毅苅田 香苗(編著)

定価 3,190 円(本体 2,900 円+税)

B5判/160ページ
刊行日:2022年11月01日
ISBN:978-4-254-64050-2 C3077

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内容紹介

・公衆衛生学の基礎知識をコンパクトにまとめた定番・大好評テキストの改訂第7版
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も含む感染症とその予防,災害と健康,遺伝性疾患などの新しいトピックスもカバー
・第7版からオールカラー化! 豊富な図・表・イラストでわかりやすく簡潔に解説

おもな読者対象:
保健医療福祉関連の専門職種(看護師,薬剤師,臨床検査技師,診療放射線技師,理学療法士,作業療法士,保健師,柔道整復師など)を養成する学校・学科の学生,生活科学,人間科学,教育学,福祉学をはじめとした人文系や社会学系学部の学生など

編集部から

序文より(第7版の序)
 『コンパクト公衆衛生学』の初版は1994年に刊行された。それ以降,約5年ごとに改訂が行われ,今回この第7版が世に出ることとなった。初版から受け継がれるコンセプトは「わかりやすくコンパクトに公衆衛生学を学ぶことのできる教科書を作る」というものであり,この第7版においてもそれは継承されている。さらに第7版からは,図・表などの視認性を高めるため4色刷とした。
 前回の改訂(2018年)から今回の改訂(2022年)までの期間は公衆衛生学にとって“特別”な期間となった。コロナ禍である。これまでになく公衆衛生(学)が国民のみならず世界中の人々の注目を集めている。わが国では総理大臣が幾度も国民を相手に公衆衛生政策・施策の変更を説明した。一般市民は,自国や他国の公衆衛生政策や施策の展開を見聞きし,自ら行動をとっている。
 今回の第7版は,これまでに改正された政策(法律)や変更された施策を受け,内容を大幅にアップデートした。章立て等の基本的骨格は第6版を踏襲しているが,このコロナ禍において政策・施策は目まぐるしく変更されており,この教科書で学ぶ方々におかれては,必要に応じて最新の国の政策・施策をチェックするようにしていただきたい。
 本書は,保健医療福祉関連の専門職種(看護師,薬剤師,臨床検査技師,診療放射線技師,理学療法士,作業療法士,保健師,柔道整復師など)を養成する学校・学科のみならず,生活科学,人間科学,教育学,福祉学をはじめ人文系や社会学系を含む広い学部で教科書として採用されており,執筆者の背景も多様なものとなっている。
 これから公衆衛生学を学び,社会に貢献することになる学生の皆様には,今後とも人々の幸福のために探究される公衆衛生学の“生きた”側面を各自の暮らしの中で認識していただき,コロナ禍の先の世界を描き,担っていただきたいと考えている。
 本書は初版より30年を迎えることになる。この長きにわたって教科書を発行できるのも,これまでこの『コンパクト公衆衛生学』を手に取っていただいた皆様のおかげである。編者らは感謝と喜びとそしてますますの責任を感じている。より良いコンパクトな教科書に向けて,本書の構成や内容に関するコメント等お寄せいただければ幸いである。
 最後に初版以来, イラスト作成にご協力いただいている渡邊弘美氏に厚くお礼申し上げる. 
 2022年初秋 編者ら

目次

第I部 公衆衛生学の基盤
 1. 公衆衛生の課題[小林廉毅]
  A 近代の公衆衛生の歴史
  B 感染症から生活習慣病へ
  C 生活習慣から社会経済的要因へ
 2. 人口問題と出生・死亡[松浦賢長]
  A 世界の人口
  B 日本の人口
  C 出生と死亡
  D 家族の状況
 3. 疫学的方法による健康の理解[高木晴良]
  A 疫学とは
  B 疫学の指標
  C 疫学研究の種類と方法
  D 科学的根拠に基づく医療/ 看護(EBM/EBN)
  E スクリーニング

第II部 環境・社会と健康
 4. 日常生活環境と健康[伊藤 挙]
  A 空気の組成
  B 音と振動
  C 気圧
  D 放射線,電磁波
  E 温熱
  F 季節, 気象
  G 室内環境
  H 水
  I 廃棄物処理
 5. 環境汚染と公害[苅田香苗]
  A 有害環境と健康障害
  B 公害
  C 地球環境と最近の環境問題
  D 環境保全
 6. 栄養と健康[篠原厚子]
  A 食事と栄養
  B 食の安全
 7. 感染症とその予防[今井秀樹]
  A 感染症の成立
  B 感染症の流行
  C 感染症の流行に関連する用語
  D 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
  E 新型インフルエンザ等対策特別措置法
  F 感染症指定医療機関
  G 感染症の予防
  H 院内感染
  I 主な感染症の推移と現状
  J その他の感染症
  K 生物テロ
 8. 社会経済的要因と健康[中山和弘]
  A 健康の社会的決定要因
  B 貧困と格差
  C 人のつながりと健康
  D ヘルスリテラシー

第III部 人々の健康
 9. 健康教育・行動変容[吉田正雄]
  A 健康の概念
  B 疾病予防の概念
  C 疾病予防のための公衆衛生学的アプローチ
  D 行動変容ステージモデル
 10. 母子保健[松浦賢長]
  A 母子保健の統計
  B 21 世紀の母子保健
  C 成育基本法
  D 母子保健法に基づく施策
  E 不妊症・不育症に対する支援
  F その他の母子保健・医療・福祉施策
 11. 学校保健[松浦賢長]
  A 学校保健の意義と歴史
  B 行政制度,組織と運営
  C 保健教育
  D 保健管理
  E 学校安全
 12. 労働と健康[樋口善之]
  A 産業保健とは
  B 労働衛生対策
 13. 精神保健福祉[川上憲人]
  A 今日の精神保健福祉とその課題
  B 精神障害の種類と頻度
  C 精神障害者の社会復帰対策
  D 自殺対策
  E 発達障害者の支援
  F 依存症とその対策
  G 災害時の精神保健福祉
 14. 成人保健・生活習慣病[ 渡邉多恵子]
  A 成人保健対策の動向
  B 国民健康づくり対策
  C 21 世紀における国民健康づくり運動
  D 特定健康診査・特定保健指導
 15. 高齢者保健・在宅ケア[ 日髙未希恵]
  A 高齢者保健の背景
  B 高齢者関連の制度
  C 高齢者の医療と介護の現況
  D 在宅ケア
  E 終末期ケア・尊厳死
 16. 災害と健康[窪山 泉]
  A 災害の定義と分類
  B 災害に関する主な法律
  C 災害時の医療機関と組織
  D 災害時の活動
  E 災害サイクル

第IV部 公衆衛生のひろがり
 17. 地域保健行政[岡本美代子]
  A 地域保健の概念
  B 地域保健法と保健行政の仕組み
  C 国民健康づくり対策と地域保健活動
  D 現代社会が抱える健康課題に対する地域保健行政の役割
  E 健康危機管理における地域保健行政の役割
  F 地域保健行政に関わる主な専門職とその役割
 18. 保健と福祉[渡部芳彦]
  A 福祉の概念とその変遷
  B 障害者の生活支援
  C 児童虐待とその対応
 19. 医療制度と医療政策[小林廉毅]
  A 医療従事者
  B 医療施設および関連施設
  C 医療保障と医療保険制度
  D 保健・医療・福祉の連係
 20. 国際保健[苅田香苗]
  A 国際保健協力の動向
  B 国連の保健医療協力に関わる専門機関
  C わが国の行っている国際保健協力

参考書
索引

執筆者紹介

■ 編集者
松浦賢長 (福岡県立大学看護学部・教授)
小林廉毅 (東京大学・名誉教授)
苅田香苗 (杏林大学医学部衛生学公衆衛生学教室・教授)

■ 執筆者(執筆順)
松浦賢長 (福岡県立大学看護学部・教授)
小林廉毅 (東京大学・名誉教授)
高木晴良 (東京医療保健大学立川看護学部看護学科・准教授)
伊藤 挙 (国士舘大学体育学部スポーツ医科学科・教授)
苅田香苗 (杏林大学医学部衛生学公衆衛生学教室・教授)
篠原厚子 (清泉女子大学人文科学研究所・教授)
今井秀樹 (石川県立看護大学看護部健康科学講座・教授)
中山和弘 (聖路加国際大学大学院看護学研究科看護情報学分野・教授)
吉田正雄 (杏林大学医学部衛生学公衆衛生学教室・准教授)
樋口善之 (福岡教育大学教育学部保健体育ユニット・准教授)
川上憲人 (東京大学大学院医学系研究科・特任教授)
渡邉多恵子(淑徳大学看護栄養学部看護学科・教授)
日髙未希恵(石川県立看護大学看護学部地域在宅精神看護学講座在宅看護学・講師)
窪山 泉 (蓮田よつば病院・理事長)
岡本美代子(順天堂大学医療看護学部公衆衛生看護学分野・准教授)
渡部芳彦 (東北福祉大学健康科学部医療経営管理学科・教授)

関連情報

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