シリーズ〈物理数学〉 2 ブラウン運動

江沢 洋中村 徹(著)

江沢 洋中村 徹(著)

定価 5,940 円(本体 5,400 円+税)

A5判/336ページ
刊行日:2020年09月01日
ISBN:978-4-254-13792-7 C3342

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内容紹介

基礎現象の発見・定式化から,確率積分,経路積分等による表現までを俯瞰。演習問題付。〔内容〕確率論からの準備/ブラウン運動/確率積分と確率微分方程式/経路積分と量子力学/ブラウン運動しながら測った場の量の長時間平均。

編集部から

目次

1. 確率論からの準備
 1.1 確率空間
  1.1.1 離散型の確率空間
  1.1.2 連続型の確率空間
 1.2 確率・統計の基本的な概念
  1.2.1 期待値,分散,標準偏差
  1.2.2 Chebyshevの不等式,大数の法則
  1.2.3 事象の独立
  1.2.4 確率変数の同時分布,独立性,共分散
 1.3 特性関数と中心極限定理
  1.3.1 特性関数I
  1.3.2 中心極限定理の証明
  1.3.3 特性関数II
  1.3.4 確率変数列の収束
 1.4 確率過程
  1.4.1 σ-加法族と条件つき期待値
  1.4.2 条件つき期待値
  1.4.3 加法過程の例

2. Brown運動
 2.1 EinsteinのBrown運動
  2.1.1 Brownの発見
  2.1.2 多数の独立な乱雑変位の和
  2.1.3 Einsteinの理論
  2.1.4 Langevinの理論
  2.1.5 衝突の積み重ねからの構成1──伏見の理論
  2.1.6 衝突の積み重ねからの構成2──確率論から
 2.2 Brown運動の遷移確率と統計量
  2.2.1 Fokker-Planckの方程式
  2.2.2 Brown粒子の遷移確率
  2.2.3 Brown運動の分散,共分散,特性関数
 2.3 Wiener過程
  2.3.1 酔歩運動の極限
  2.3.2 Wiener測度の構成とその性質
  2.3.3 確率超過程
 2.4 Brown運動の変形
  2.4.1 ピン止めBrown運動
  2.4.2 反射壁をもつBrown運動
  2.4.3 吸収壁をもつBrown運動
  2.4.4 Brown運動を不変にする時間変換
 2.5 不連続な確率過程
  2.5.1 Brown運動の場合
  2.5.2 Cauchy過程の場合
  2.5.3 飛躍のある加法過程
  2.5.4 Lévyの標準形
  2.5.5 加法過程の安定性と無限分解

3. 確率積分と確率微分方程式
 3.1 伊藤の確率積分
  3.1.1 Langevin 方程式と伊藤の提案
  3.1.2 伊藤の確率積分の構成
  3.1.3 伊藤の公式と積分計算
  3.1.4 伊藤の確率積分とマルチンゲール
 3.2 確率微分方程式
  3.2.1 簡単に解ける例
  3.2.2 Langevin方程式
  3.2.3 スピンのBrown運動
  3.2.4 Stratonovichの確率積分
  3.2.5 具体的に解ける確率微分方程式の例
  3.2.6 解の存在と一意性
 3.3 遷移確率,半群,Markov過程
  3.3.1 遷移確率
  3.3.2 半群と生成演算子
  3.3.3 Markov過程

4. 経路積分と量子力学
 4.1 熱伝導型の方程式
  4.1.1 Feynman-Kacの公式を確率微分方程式から導く
  4.1.2 Feynman-Kac公式の別の導出法
 4.2 Schrödinger方程式
  4.2.1 作用積分
  4.2.2 経路積分による量子化
  4.2.3 経路積分の計算
  4.2.4 経路空間上の測度は構成できるか
 4.3 Dirac方程式
  4.3.1 DiracスピノールとDirac方程式
  4.3.2 電磁場との相互作用
  4.3.3 2次元時空のDirac方程式に対する経路積分
 4.4 Schrödinger方程式に戻る
  4.4.1 Trotter公式による合理化
  4.4.2 藤原による合理化
  4.4.3 解析接続による合理化
  4.4.4 Dirac方程式からSchrödinger方程式へ

5. Brown運動しながら測った場の量の長時間平均
 5.1 Brown運動をしながら場の量を測る
  5.1.1 問題は何か
  5.1.2 空間の次元によって極限分布が異なる
  5.1.3 B細胞と免疫機能
 5.2 特性関数とそのモーメント展開
  5.2.1 特性関数と分布の収束
  5.2.2 モーメント展開
  5.2.3 Fourier変換とスケール変換
 5.3 1次元の場合の確率分布
  5.3.1 極限T→∞と積分との順序交換
  5.3.2 極限と無限和との順序交換
  5.3.3 確率密度P(1)の計算
 5.4 2次元の場合の確率分布
  5.4.1 1次元との違いと平滑化Vγ(x)の導入
  5.4.2 極限T→∞と無限和との順序交換
  5.4.3 極限と積分との部分的順序交換と確率密度P(2)
  5.4.4 前提 (a) を確かめる
  5.4.5 前提 (b),(c) を確かめる
 5.5 3次元の場合の確率分布
  5.5.1 1, 2次元との違い
  5.5.2 特性関数のみたす微分方程式と積分方程式
  5.5.3 T→∞の極限
  5.5.4 井戸型の場

A. Wiener過程の連続性と微分不可能性
 A.1 Wiener過程の連続性
 A.2 Wiener過程の微分不可能性

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