熱河生物群化石図譜 ―羽毛恐竜の時代―

張 弥曼(編)/小畠 郁生(監訳)/池田 比佐子(訳)

張 弥曼(編)/小畠 郁生(監訳)/池田 比佐子(訳)

定価 10,450 円(本体 9,500 円+税)

B5判/212ページ
刊行日:2007年11月20日
ISBN:978-4-254-16258-5 C3644

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内容紹介

話題の羽毛恐竜をはじめとする中国遼寧省熱河(ネッカ)産出のカラー化石写真集。当時の生態系全般にわたる約250点を掲載。〔内容〕腹足類/二枚貝/介形虫/エビ/昆虫/魚類/両生類/カメ/翼竜/恐竜/鳥類/哺乳類/植物/胞子と花粉。

編集部から

 『恐竜博2005』(主催:国立科学博物館,朝日新聞社ほか),『世界の巨大恐竜博2006』(主催:日本経済新聞社,NHKほか),『世界最大の翼竜展』(主催:大阪市立自然史博物館,朝日新聞社ほか),そして2006年放送のNHKスペシャル『恐竜vsほ乳類』でも「熱河(ねっか)生物群」の化石,特にミクロラプトルなどの羽毛恐竜はセールスポイントになっています。
 羽毛は長い間「鳥類」の特徴と思われてきました。ゾルンホーフェンから羽毛をまとった始祖鳥が発見されると,骨格の共通性から獣脚類恐竜コンプソグナトゥス(コンピー)と鳥類との関係が注目されてきましたが,あくまでも始祖鳥は飛行能力のある鳥類だとされてきたのです。
 ところが,熱河層から羽毛を備えながらも(その他の特徴から)恐竜としか考えられない「羽毛恐竜」が数多く発見されたことによって,羽毛は獣脚類恐竜の段階で獲得した性質であり,獣脚類恐竜から鳥類が分岐して進化したとする考え方が主流になってきました。これが熱河生物群がとりあげられる大きな理由です。
 羽毛のような繊細な構造は化石になりにくいのですが,それが残っているということからわかるように,壊れやすい昆虫や植物の微妙な組織も保存されています。1億2500万年前の生態系がまとまった形で復元できるということも熱河生物群の重要性を示しています。(中村)

目次

序 説 
中生代のポンペイ
腹足類 
二枚貝類 
貝甲類 
貝形虫類 
エビ類 
昆虫類とクモ類 
魚 類 
両生類 
カメ類 
コリストデラ類 
有鱗類 
翼竜類 
恐 竜 
鳥 類 
哺乳類 
シャジクモ類 
陸生植物 
被子植物 
胞子と花粉 

参考文献 
分類群リスト 
研究機関・組織の略称 
監訳者あとがき 
事項索引 
分類群索引 

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