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内容紹介
ミミズやヤスデ,ダニなど,実は生態系を下支えし,人間の役にも立っている多彩な土壌動物たちを紹介。〔内容〕土壌動物とは/土壌動物ときのこ/土の中の化学戦争/学校教育への応用/他
編集部から
目次
第1章 土壌生物とは〔島野智之・長谷川元洋〕
1.1 何を土壌生物とよぶか
1.2 土壌生態系とは
1.3 土壌動物は“分解者”なのか
第2章 土壌に生息する生物〔島野智之〕
2.1 土壌動物のサイズによるカテゴリー
2.2 土壌動物の調査手法に基づくカテゴリー
2.3 土壌生物・土壌動物の各分類群と系統関係
2.4 土壌動物の主要な分類群の近年の分類学的位置と分類体系
2.5 主要な土壌動物の分類体系
2.6 環境指標と土壌動物
第3章 土壌動物の機能〔長谷川元洋〕
3.1 微生物との相互作用によって拡張される土壌動物の機能
3.2 分解だけではない様々な生態系機能と地上の生物との関係
3.3 土壌動物の多様性と機能
第4章 土壌動物ときのこ―森のきのこレストラン―〔中森泰三〕
4.1 土壌動物にとってのきのこ―お菓子の家―
4.2 きのこを食べる土壌動物―客層―
4.3 きのこに対する好み―客の嗜好性―
4.4 きのこへの依存度
4.5 きのこに潜む危険―お菓子の家には危険がつきもの―
4.6 きのこの生き残り―きのこレストランの運営―
第5章 ミミズの分類から土壌動物の活用まで
5.1 ミミズはどんな動物なのか?〔南谷幸雄〕
5.2 ミミズによる土壌構造と土壌炭素貯留への影響〔荒井見和〕
5.3 土壌動物を農業に応用する試み〔金田 哲〕
5.4 人為活動や環境とミミズの関係―活用に向けて―〔金田 哲〕
第6章 ヤスデの暮らし方〔豊田 鮎〕
6.1 歩脚(歩肢)はどこまで増えるのか
6.2 産卵のタイプと育児
6.3 同調して成長するヤスデ
6.4 脱皮のための部屋
第7章 系統解析と生物地理〔唐沢重考〕
7.1 系統地理学とは
7.2 系統解析と種分類
7.3 DNA バーコーディング
第8章 土の中の化学戦争〔澤畠拓夫〕
8.1 土の中の世界
8.2 微生物―特に糸状菌の生産する揮発性成分とその機能―
8.3 トビムシ同士の化学の会話
8.4 化学兵器をもつトビムシ
第9章 ヤスデとダニの化学防衛〔清水伸泰〕
9.1 ヤスデの化学防御
9.2 コナダニとササラダニの化学防御
第10章 土壌動物の適材適所―群集生態学―〔菱 拓雄〕
10.1 生物の戦略とトレードオフ
10.2 腐食食物網―食べる・食べられるのネットワーク―
10.3 炭素,窒素の安定同位体比による食物網解明の試み
10.4 生き物の集団の多様性はどのように決定されるのか
10.5 土壌動物群集を調べる楽しさ
第11章 土壌動物を活用した学校教育プログラムの提案
〔湯本勝洋・萩原康夫〕
11.1 小学校で土壌動物を扱う教育プログラムの提案
11.2 中学校理科で土壌動物を扱う場合の教育プログラム
11.3 教育プログラムに活用する上での注意点
付録:系統樹をつくってみよう〔唐沢重考〕
索 引
コラム目次
Column 1 土壌動物研究の魅力〔橋本みのり〕
Column 2 トビムシの宙返り〔中森泰三〕
Column 3 とび出す肛門〔中森泰三〕
Column 4 水中に生息する大型のミミズ〔池田紘士〕
Column 5 土の中で子育てをする生き物〔永野昌博〕
執筆者紹介
編集者
島野智之 法政大学 国際文化学部/自然科学センター
長谷川元洋 同志社大学 理工学部
萩原康夫 昭和大学 富士吉田教育部
執筆者
橋本みのり 大東文化大学 スポーツ・健康科学部
中森泰三 横浜国立大学 大学院環境情報研究院
南谷幸雄 栃木県立博物館 学芸部 自然課
荒井見和 国際農林水産業研究センター 生産環境・畜産領域
金田 哲 農業・食品産業技術総合研究機構 西日本農業研究センター
池田紘士 弘前大学 農学生命科学部
豊田 鮎 香川大学 農学部
永野昌博 大分大学 理工学部
唐沢重考 鳥取大学 農学部
澤畠拓夫 近畿大学 農学部
清水伸泰 京都先端科学大学 バイオ環境学部
菱 拓雄 九州大学 大学院農学研究院
湯本勝洋 ミュージアムパーク茨城県自然博物館