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人と生態系のダイナミクス 3 都市生態系の歴史と未来
内容紹介
都市の自然と人との関わりを,歴史・生態系・都市づくりの観点から総合的に見る。〔内容〕都市生態史/都市生態系の特徴/都市における人と自然との関わり合い/都市における自然の恵み/自然の恵みと生物多様性を活かした都市づくり
編集部から
目次
第1章 都市生態史:都市生活と自然との関わりの1300年
1.1 都市の歴史へのまなざし
(1) 都市とは何か
(2) 歴史上の日本の都市たち
(3) 生態系から都市を理解する
(4) 歴史の記述が目指すもの
1.2 食べものからみた都市と生態系の歴史
(1) 古代から近世にかけての都市と食べもの
(2) 近代化以降の都市と食べもの
(3) 古代から近世にかけての都市と屎尿
(4) 近代化以降の屎尿と厨芥
(5) 食べものをめぐる歴史が示すこと
1.3 都市住民による自然体験の歴史
(1) 古代・中世における自然体験の始まり
(2) 近世における自然体験のひろがり
(3) 近代における自然体験のさらなるひろがり
コラム1 都市の子供たちによる昆虫採集
(4) 20世紀後半における自然体験の場の喪失と継承
第2章 都市生態系の特徴:生物多様性の観点から
2.1 都市でなぜ生物多様性を考えるのか
2.2 物理的環境の特徴
(1) ヒートアイランド効果
(2) 水質・水循環の変化
(3) 大気汚染
(4) 光・音環境
2.3 都市化に伴う「生息地の分断化」
2.4 都市の生物群集の特徴
(1) 広域スケールからみた特徴
(2) 都市と農村の比較からみた特徴
(3) 都市-農村の環境勾配からみた特徴
2.5 都市の生物群集の時空間ダイナミクス
(1) 空間的ダイナミクス
(2) 時間的ダイナミクス
2.6 都市に住む生物種の特徴:都市環境への適応
2.7 変わる生物同士の関係
2.8 外来種の侵入
2.9 都市に隠された生息地
第3章 都市における人と自然との関わり合い
3.1 都市で「人と自然との関わり合い」を考える意味
3.2 自然との関わり合いの程度を決めるもの
(1) 自然と関わる「機会」
(2) 自然と関わる「意欲」
3.3 自然との関わり合いと健康の関係
(1) 精神面
(2) 身体面
コラム2 木が枯れると人も死ぬ
(3) 社会面
(4)認知機能
3.4 自然との関わり合いと生物多様性保全の関係
3.5 「経験の消失」スパイラル
3.6 人と自然との関わり合いの再生に向けて
(1) 機会の創出
(2) 意欲の向上
第4章 都市における自然の恵み
4.1 都市を洪水から守る
(1) 都市型水害の発生
(2) 都市型水害への流域対策
(3) 緑地による都市型水害の緩和
(4) 緑溝や雨庭による雨水浸透の促進
(5) 調節池による洪水調整
4.2 都市の暑さを和らげる
(1) 高温化する都市
(2) 都市の高温化による人への影響
(3) 都市の高温化による生物への影響
(4) 緑地の冷却効果
(5) 屋上緑化・壁面緑化
4.3 食と健康と暮らしを支える
(1) 農地と宅地が混在する日本の都市空間
(2) 縮小する都市における「農」への期待
(3) 都市の農が支える「食」
コラム3 東京でみつける春の七草
(4) 都市の農が支える「健康」
(5) 都市の農が支える「暮らし」
第5章 自然の恵みと生物多様性を活かした都市づくり
5.1 都市の自然を活かす思想と手法
(1) 近代公園の誕生:健康的な市民生活のために
(2) 公園からパークシステムへ:都市問題の改善のために
(3) エコロジカル・プランニング:開発と保全の両立のために
(4) グリーン・インフラストラクチャー:自然の恵みを賢く活用する都市づくりの潮流
5.2 都市の自然に関わる主体としくみ
(1) 「行政」による都市計画
コラム4 帯広のエゾリス(文:山崎嵩拓)
(2) 市場と連動した「企業」の取り組み
(3) 都市の自然と「市民」活動
5.3 人と都市の生態系のダイナミクスの未来
(1) 人口減少と都市の生態系
(2) ライフスタイル変化と都市の生態系
(3) むすび
参考文献
用語索引
生物名索引
執筆者紹介
【編集】
宮下 直(東京大学)
西廣 淳(国立環境研究所)
【著者】
飯田 晶子(東京大学)
曽我 昌史(東京大学)
土屋 一彬(東京大学)