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シリーズ〈ビジネスの数理〉 4 ビジネスへの統計モデルアプローチ
椿 広計(著)
内容紹介
複雑かつ大規模なビジネス現象の分析に必要な統計モデルの構築の手法を解説。〔内容〕データとプロファイリング/統計モデルの要素/統計モデルのプランニング/統計的構造モデリング/一般化線形モデル(GLIM)/測定モデルのデザイン/他
編集部から
【著者から】
筑波大学東京キャンパスの社会人学生には、「ビジネスモデルって統計モデルのことだったのですね」と断言してくれる強者もいます。流石にこれは極論にしても、企業のパフォーマンスの源泉を事実に基づくモデルで表現したものが「ビジネス統計モデル」です。企業の売上や経費、安全性などの評価には、どのようなバラツキがあるのか、その原因は何なのか、売上を加速させる要因は何なのかということを理屈ではなく事実を頼りに解き明かしてゆく、それが「ビジネスへの統計モデルアプローチ」です。
茗荷谷のビジネススクールでは、上場企業の財務データを用いて社会人の方々が、「ああでもない、こうでもない」、「こんな結果は考えられない」と深夜までデータ解析を行っています。この本は、演習で行われている典型的なデータ解析の一面を系統的に切り取って解説を加えたものです。
幸いにして、統計モデルアプローチを実践するためのツール「R」はインターネットから無料でダウンロードできます。本書は、お手元に皆さん方の関心のあるデータセットを携えて、実際にツールを使ってビジネスへの統計モデルアプローチを体験していただくための手引きのようなものと考えています。本書を通じて、このアプローチに少しでも関心を持たれたら、少し理屈っぽい統計の本にも挑戦して頂ければと思います。(著者:筑波大学大学院ビジネス科学研究科 国際経営プロフェッショナル専攻 (併)統計数理研究所リスク解析戦略研究センター 椿 広計)
目次
1 データとそのファイル
1.1 データの分類
1.2 解析用データの作成例
1.3 記述統計-データのプロファイルを眺める
1.4 量的データの位置・バラツキ・形状を定量的に測定する
1.5 変量の品質問題
2.統計モデルの要素-登場人物・シナリオ・アドリブ
2.1 統計モデルとは何か
2.2 変量の役回りと表現
2.3 基本的シナリオとしての線形モデル
2.4 統計モデルアプローチのプロセス
3.芝居をプロデュースする-統計モデルのプランニング
3.1 芝居の目的と配役の検討-勧善懲悪ドラマと推理ドラマ
3.2 構造モデルのデザイン
4.統計的構造モデリングの実際
4.1 簡単な正規線形モデルのデータへの当てはめ
4.2 重回帰モデルの当てはめ
4.3 入力変量が質的変量の場合の線形モデル当てはめ
4.4 多項式モデルの当てはめ
5.一般化線形モデル
5.1 一般化線形モデルの特徴
5.2 モデルの推定と特徴
5.3 ロジスティック線形モデルの当てはめ例
6.概念を測る-測定モデルのデザイン
6.1 測定モデルとは何か
6.2 そもそも概念とは何か
6.3 概念の計測-用語学から統計学へ
6.4 測定モデルによる計測
6.5 測定モデルの妥当性
6.6 Rによる測定モデル当てはめ(1因子モデル)
7.おわりに-さらに精進したい方のために
索引