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畜産食品微生物学
細野 明義(編)
内容紹介
微生物を用いた新しい技術の導入は,乳・肉・卵など畜産食品においても著しい。また有害微生物についても一層の対応が求められている。本書はこれら学問の進展を盛り込み,食品学を学ぶ学生・技術者を対象として平易に書かれた入門書
編集部から
目次
1. 微生物と畜産食品
1.1 生命の誕生と微生物学の歴史
微生物の誕生/微生物学の歴史
1.2 バイオプリザベーションと畜産食品
伝統食品にみるバイオプリザべーション/発酵と酸素呼吸/
微生物によるグルレコ-スの分解/バクテリォシン使用による
バイオプリザべーション
1.3 HACCPシステムと畜産食品
畜産食品こおいて問題となる汚染微生物/家畜の飼育から最終消費に至る
食品媒介病原微生物の制御の要点と衛生規制/HACCPシステムを適用した
畜産食品の微生物制御
2. 微生物の種類と増殖
2.1 微生物の種類
微生物の分類/発酵食品と微生物/発酵乳製品と微生物/未来食品と微生物
2.2 徴生物の細胞構造
細菌/酵母,かび
2.3 増殖に影響する要因
微生物の増殖と世代時間/増殖曲線/栄養素/温度/
酸素濃度・酸化還元電位/水分活性/pH
2.4 微生物の生育抑制・殺菌とそれらに影響する要因
加熱殺菌/化学的方法/低温/微生物間相目互作用
3. 微生物の代謝
3.1 エネルギー代謝
発酵/呼吸/プロトン駆動力
3.2 栄養素の分解と菌体への取込み
栄養素の分解/取込み/栄養素の代謝
3.3 菌体成分の生合成および生合成の制御
アミノ酸/プリンおよびピリミジン塩基/べプチドグリカン/多糖/
タンパク質/タンバミク質の分泌/脂肪酸/生合成の制御
4. 牛乳と微生物(乳製品加工と微生物)
4.1 牛 乳
原料乳と牛乳の細菌数の検査法/原料乳の微生物学的性状/
原料乳の微生物汚染の媒体/原料乳の微生物制御の要素と対策/
牛乳の欠陥に関連する微生物/牛乳の微生物学的性状
4.2 チーズ
チーズの種類と製造法/チーズスターター/チーズ熟成における微生物のはたらき
チーズの有害微生物とその制御/代表的なチーズの製法とその制御
4.3 発酵乳
発酵乳の分布と歴史/ヨーグルトの種類と製造管理/乳酸菌の作用/
香気物質の代謝/発酵乳の栄養生理作用とプロバイオティクス
4.4 発酵バター
歴史,種類および製造法/スターター微生物の種類と風味/品質管理
5. 食肉および食肉製品の微生物
5.1 食肉.食肉製品の微生物叢
食肉の微生物策/食肉製品の微生物叢
5.2 食肉食肉製品の汚染微生物の制御
食肉の汚染微生物制御/食肉製品の汚染微生物制御
5.3 発酵食肉製品
発酵ソーセージ/生ハム/日本の発酵食肉製品
5.4 スターター微生物の利用
細菌スターター/かびおよび酵母スターター/微生物利用の新展開
6. 食卵および卵製品の微生物
6.1 鶏卵日の微生物叢
卵殻部の構造と微生物の侵入防御/鶏卵から検出きれる微生物/サルモネラ菌
6.2 卵・卵製品の汚染微生物制御
殻付き卵の洗浄/液状卵の加熱殺菌/加工・流通・保存過程の取扱い
6.3 卵製品における微生物利用
微生物による卵白の脱糖/発酵卵製品の可能性/微生物利用の新展開
7. 微生物由来酵素の畜産製造への利用
7.1 微生物酵素の生産と利用方法
7.2 乳および乳製品と微生物酵素
低乳糖乳/チーズ製造/カゼインからのペプチドの調製/物性改良
7.3 食肉および肉製品と微生物酵素
肉の軟化/肉質改良
7.4 食卵および卵製品と微生物酵素
8. 畜産食品微生物の育種・改良
8.1 乳酸菌バイオテクノロジー研究の流れ
8.2 乳酸菌遺伝子の構成
Lactococcus lactis/Streptococcus thermophilus/Lactobacillus
8.3 遺伝子導入システムと形質転換
接合伝達/形質導入/形質転換/電気的形質転換(エレクトロポーレーション法)/
プロトプラスト融合/細胞内への遺伝子の導入と複製/染色体への遺伝子組込み
8.4 遺伝子解析技術
PCR法の概要と乳酸菌の遺伝学的研究への利用/
パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE法)による染色体地図の構築
8.5 産業的利用
乳酸菌へのファージ耐性の付与/溶菌システムを利用した菌体内酵素の放出に
よるフレーバ-の生成/チーズの熟成促進/乳酸菌のストレス応答機構の解明
9. 乳・肉・卵の微生物研究および検査に用いられる市販の主要培地一覧
10. 事項索引,微生物名索引
執筆者紹介
【編集者】細野明義
【執筆者】阿久澤良造,荒井威吉,有原圭三,岩崎泰介,金子 勉,北澤春樹,小久保彌太郎,鮫島 隆,戸羽隆宏,豊田修次,古川 徳,細野明義