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講座 比較文明 2 比較文明における歴史と地域
内容紹介
第1巻で解説した理論と方法を踏まえながら,比較文明のケーススタディを時間的・空間的に展開。〔内容〕一つの文明の構造分析(イスラーム,中国,他)/二つの文明の比較/文明の多項比較分析(バルカン半島,アフリカ,他)。
編集部から
目次
0. 比較文明における歴史と地域
人類進化史の課題として/比較の単位としての地域文明/時代をどのように区分するか/地球文明と諸文明の相克
1. 一つの文明の構造分析―そのケース・スタディから―
1.1 文明としてのヨーロッパ
「欧州連合」(EU)の実験/西欧文明の誕生問題/「ローマ・ゲルマン社会」の形成/近東の宗教としてのキリスト教/文明の転換とイスラーム/ヨーロッパの文明史的展望
1.2 文明としてのイスラーム
連続性と革命性/タウヒード概念とイスラームの都市性/イスラーム文明圏の拡大とネットワーク/「地域」の「イスラーム化」か
「イスラーム」の「地域化」か/属人的価値観の時代とイスラーム文明
1.3 文明としての中国
中国文明と東アジア世界/中国文明と商業革命/中国文明の曲折と展開
1.4 文明としての日本
はじめに/グローバル文明の必要条件と十分条件/日本型「社会システム」の特性/日本企業のコーポレート・ガバナンス/日本型「社会システム」の遍在の可能性
2. 二つの文明の比較分析―文明比較の原型―
2.1 汎インド文明論概説―インドにおける文明融合と新文明形成のダイナミズム―
はじめに/比較文明と仏教文明/仏教文明とは/文明変動の把握/汎インド文明とその構成/パンジャーブにおける二つの融合文明/大乗仏教文明という視点の形成/大乗仏教文明思想にみる融和性/「空」思想と大乗仏教文明/仏教的世俗革命としての大乗仏教/文明融合の象徴形態としての仏像の出現/ヒンドゥー・イスラーム融合思想とその文明/ナーナクの融合思想/アクバルの文明融合思想/おわりに
2.2 新文明モデルとしての日本―ロシア改革の視点から―
ロシアにとっての日本文明/日本モデルの特徴/日本モデルの意義/日本モデルの有効性
3. 文明の多項比較分析―複雑系の視点―
3.1 東欧地域の文明―バルカンのムスリムを中心として―
はじめに/ボスニアのムスリム/民族としてのムスリム/コソヴォの歴史的背景/コソヴォのアルバニア人/むすびに代えて
3.2 アフリカ地域の文明
ジンバブウェの謎/暗黒の350年/「部族」をめぐる問題/新展開をさぐる
3.3 ラテンアメリカ地域の文明
比較文明学から見たラテンアメリカ/先コロンブス期ラテンアメリカの固有文明/文明の相克:植民地時代から現代まで
3.4 インドネシア文明の重層構造
パンチャシラの誕生/モンチョパット/モンチョパットとヒンドゥー文明/モンチョパットと仏教文明/モンチョパットとイスラーム文明/モンチョパットと相対主義的幸福観
4. あとがき
5. 索 引
執筆者紹介
【編集者】吉澤五郎,米山俊直
【執筆者】片倉もとこ,木村 汎,小林多加士,柴 宣弘,染谷臣道,濱口恵俊,保坂俊司,松本亮三,吉澤五郎,米山俊直